【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】世界最大のゴム手袋メーカー、トップ・グローブの社員だったネパール出身のユバラジュ・カドカ氏(27)が、工場の外ではソーシャルディスタンシングが守られてないとして内部告発し解雇される出来事があった。
カドカ氏は5月、夜間シフトに入る職員が検温の際、相互の距離が1メートル以下だったとして写真を2枚撮影した。
直接上司に苦情を申し立てたのでは解雇されると考え、ネパールの労働者権利団体に写真を送り、この団体が写しをトップ・グローブとマレーシア政府に送った。
監視カメラに残された画像から撮影したのがカドカ氏であることが分かり、会社は9月23日、同氏を解雇した。その約3カ月後、クランの工場と寄宿舎で労働者5,000人余りがウイルス検査で陽性反応を示し、一大クラスターとなった。労働者の94%は外国人。
保健省は5月に公表した調査報告で、トップ・グローブの予防対策は十分だが、ソーシャルディスタンシングで改善の余地があるとしていた。ロイターが報じた。