【クアラルンプール】 ムヒディン・ヤシン首相は19日、2030年までのデジタル経済促進を図り、青写真「マイデジタル」を発表した。「第12次マレーシア計画(12MP)」や「シェアード・プロスペリティー(繁栄の共有)ビジョン2030(WKB2030)」などの国家成長政策を補完するものになるという。
「マイデジタル」は3期に分けて実施する。第1期(2021ー2022年)ではデジタルの利用促進を加速させるため基盤を強化する。第2期(2023ー2025年)ではデジタル変革を促進に注力し、民間や企業など幅広いデジタルの利用を強化する。第3期(2026ー2030年)では、引き続き長期的な成長維持を目指すと共に、デジタル・コンテンツやサイバー・セキュリティ分野での域内のトップを目指す。
3期に分けた取り組みを通して、デジタル経済が国内総生産(GDP)に占める割合を2025年までに22.6%に引き上げる計画だ。87万5,000社の零細企業や中小企業にeコマースの導入を推奨し、50万人分の雇用を創出することを目指す他、今後5年間で5,000社のスタートアップ企業を創出する。
また「マイデジタル」により、700億リンギ相当の国内外からの投資を誘致し、2030年までに生産性を30%引き上げる計画だ。公共部門においては2022年までに全ての機関でキャッシュレス決済を導入し、メインの支払い方法として使用してもらえるようにする。
一方で政府は、ハイパースケール・データ・センターとクラウドサービスを構築、管理するために、マイクロソフトとグーグル、アマゾン、テレコム・マレーシア4社をクラウドソリューションプロバイダー として、条件付きで承認した。4社は今後5年間で120億ー150億リンギを投資する予定だ。
ムヒディン首相は、「マイデジタル」や第5世代(5G)ネットワークの導入により、向こう10年間で150億リンギの投資を見込んでいると言明。特別目的事業体による様々なプロジェクトが実施され、10万5,000人の雇用創出に繋がると見込んでいると述べた。
(ザ・スター、ニュー・ストレーツ・タイムズ、2月20日)