公立病院の契約医が抗議デモ&ストライキ

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省の下で長期にわたって契約医の待遇で留め置かれていた医師らが26日、呼び掛けに応じて各地の公立病院や新型コロナウイルス「Covid-19」接種センターで抗議のストライキを行なった。
新型コロナ感染者が拡大する中のストということで医療サービスへの影響が懸念されていたが、いずれも警戒に当たっていた警官隊などに解散を命じられて短時間で職場に戻ったため、医療現場を含めて大きな混乱はなかったもよう。
クアラルンプール(KL)病院では約50人ほどが午前11時になると揃って病院外に出て抗議の声をあげた。セルダンのマレーシア農業博覧会パーク(MAEPS)の接種センターでも、抗議活動が行なわれた。
マラッカ総合病院では50人が集まったが抗議のプラカードを掲げてシュプレヒコールをあげた後、12分ほどで解散した。ペナン中央病院では100人ほどいる契約医のうち、夜勤明けや休日だった20人ほどが参加。院内をデモ行進した後で解散した。
マレーシアの医学部卒業生は公立病院での5年の勤務を経ないと民間の医療機関で勤務できないことになっているが、医師が余っていると考えた政府は常勤医の採用を減らすため、2016年に公立病院における医師の契約雇用制度を開始した。
契約医らはそのうちに常勤医として採用されると期待をもって劣悪な待遇下で働いていたが、その後も常勤医に採用されることなく契約医のままに留め置かれる状態が続いたため、契約医の代表が抗議のストライキを全国の契約医に呼び掛けた。ムヒディン・ヤシン首相は契約期間の2年延長を含む待遇改善策を提示したが、契約医らは「中途半端な妥協策」として拒否。ストライキ決行を宣言していた。

完全ロックダウン、イオンへの影響は軽微の見込み

【クアラルンプール】 6月1日付けで発令された完全ロックダウン(FMCO)が長引いているが、イオン・カンパニー(M)への影響は、昨年に比べ深刻な影響はない見通しだ。
ホンリョン・インベストメント・バンクが発表したレポートによると、セランゴール州やクアラルンプール(KL)、ネグリ・センビラン州セレンバンを含むエリアが強化行動制限令(EMCO)に指定されており、それらの地域の売り上げが総売上の約40%を占めている。FMCOのフェーズ1ではスーパーマーケットとドラッグストアのみの営業しか認められていないため、来店者数が減少し影響を受けた。しかし店舗において来店頻度を減らして効果的に買い物してもらうための、商品配置などの取り組みを行った。そのため、買い物かご1個(1会計)当たりの売り上げは20%増加した。
イオンはオンラインの売り上げを伸ばすために8月末までにEコマース(電子商取引)プラットフォーム「myAEON2goーBoxed」を立ち上げる予定だ。全国のモールに入店する4,000店も販売することができる。また集団免疫の達成を支援するために、5万回分のワクチン接種を行うプログラムも立ち上げた。
(マレーシアン・リザーブ、7月26日)

ICU収容のコロナ患者、初めて1千人を突破

【クアラルンプール】 保健省の最新統計によると、国内で集中治療室(ICU)で治療を受けている新型コロナウイルス「Covid-19」重症感染者が26日に初めて1,000人を突破した。
同日時点でICUに収容されているのは1,009人で、うち524人が人工呼吸器を必要としている。また同日の死者は207人で1日の死者数としては過去最悪となった。
「ザ・サン」によると、マレーシアにあるICU病床の数は人口10万人当たり3.3床にとどまっており、昨年医療崩壊に瀕したイタリアの12.5床を大きく下回っている。感染者増加を受けて重症者も増加しており、元々脆弱な医療体制がますます逼迫している。
こうしたことから保健省は先ごろ、公立病院のコロナ患者用の病床を増やすために非コロナ患者を民間病院に移すと発表した。カテゴリー1、2の軽症者については自宅隔離で対応している。
マレーシアの新規感染者数は25日に1日としては過去最高の1万7,045人を記録し、累計患者数もついに100万人を突破した。
(ザ・スター、ザ・サン、7月26日)

新規感染者の92%がワクチン未接種=保健省

【クアラルンプール】 保健省のノール・ヒシャム事務次官は、26日に確認された新型コロナウイルス「Covid-19」新規感染者の92%がワクチン未接種だったと発表。ワクチンの感染予防効果は明らかだとして、まだ受けていない国民に接種を急ぐよう呼び掛けた。
同日の新規感染者数は1万4,516人で、1日の感染者数でこれまでで最も多かった25日の1万7,045人から大幅に減少した。最も重症だと診断されたカテゴリー5の95人については、97.9%がワクチンを接種していなかった。カテゴリー4(酸素吸入が必要)の77人についても、ワクチン未接種が85.7%を占めた。
このほかカテゴリー3(肺炎の症状)の83人については67.5%が未接種、カテゴリー2(軽度の症状)の7,045人については87.6%が未接種、カテゴリー1(無症状)の7,216人については95.6%が未接種だった。
入院しているコロナ患者のほとんどがカテゴリー3から5の中・重症患者で、カテゴリー1、2は要件を満たすことを条件に自宅隔離が認められている。
(フリー・マレーシア・トゥデー、7月26日)

新型コロナの新規感染者数は1万6117人、過去2番目の多さ

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は27日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が過去2番目に多い、1万6,117人となったと発表した。アクティブ感染者数は17万224人で、累計感染者数は104万4,071人となった。
州・地域別の感染者数はセランゴール州が最も多く6,616人だった。それに▽クアラルンプール(KL、2,457人)▽ケダ州(1,000人)▽ジョホール州(907人)▽サバ州(741人)▽マラッカ州(674人)▽ネグリ・センビラン州(669人)▽ペナン州(618人)▽クランタン州(592人)▽ペラ州(583人)▽サラワク州(405人)▽パハン州(403人)▽トレンガヌ州(317人)▽プトラジャヤ(122人)▽ラブアン(11人)▽ペルリス州(2人)ーーが続いた。過去最多となる1万1,526人が新たに回復し、累計治癒者は86万5,439人となった。死者数は2日連続で過去最多の207人で、累計で8,408人となった。
保健省のノール・ヒシャム事務次官は26日、33カ所のクラスターを新たに確認したと明らかにした。
職場で21カ所、コミュニティで10カ所、教育機関で2カ所のクラスターが発生した。
州別では、ジョホール州で7カ所、セランゴール州とクランタン州でそれぞれ4カ所、KL、ペラ州でそれぞれ3カ所、サラワク州、ペナン州、パハン州、ケダ州、マラッカ州でそれぞれ2カ所、ネグリ・センビラン州、トレンガヌ州でそれぞれ1カ所発生した。

国産コロナ自己検査キット、販売開始

【ペタリンジャヤ】  保健省(MoH)が傘下の医療機器庁(MDA)を通じて条件付きで承認した新型コロナウイルス「Covid-19」抗迅原迅速検査キットのうち、初の純国産製品である「サリキシウムCovid-19抗原迅速検査キット」(サリキシウム)の販売が開始された。
販売を担当するメドカドによると、サリキシウムは、唾液と鼻腔ぬぐい液を利用して、新型コロナウイルス感染の自己診断ができ、感染・非感染・無効という結果も15分以内に出る。感度(感染の場合に陽性と検出される確率)は91.23%、特異度(非感染の場合に陰性と検出される確率)は100%。検査開始の30分前からは水以外のものを飲食できない。価格は39.90リンギで、薬局や医療施設などで購入可能。また、公式ウェブサイト(https://www.salixium.com/)からも購入できる。
サリキシウムの研究開発はすべてクアラルンプール(KL)ブキ・ジャリルのテクノロジーパーク・マレーシアにあるメドカドの研究所で行われ、製造も国内工場で行なわれているという。
(フリー・マレーシア・トゥデー、7月24日)

シノバックワクチン、8月より民間企業への販売を開始

【クアラルンプール】 中国・科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)製の新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチンの供給を担当する製薬会社、ファーマニアガは、8月より州政府や民間企業など販売を開始する。
ズルカルナイン・モハメド社長によると、政府へのワクチンの供給は完了しており、販売するのは余剰となる1,400万回分。近くワクチン供給アクセス保証特別委員会(JKJAV)の会合が開かれる予定で、販売に向けて上限価格やガイドラインが発表される予定だ。
カイリー・ジャマルディン科学技術革新相も、8月に開始する民間企業へのワクチン供給についてJKJAVで話し合うと言明。ワクチンが適正な価格で販売されるように上限価格を設定すると述べた。
シノバック製のワクチンの有効性について世界的に懸念が高まっているが、シノバック・バイオテックは、同社が開発したワクチンは、従来型よりも感染力が強いとされる「デルタ株」などの変異株にも有効だとの見解を示した。国営ベルナマ通信が行なった取材に対する広報担当者の回答書によると、ブラジルやインドネシア、チリ、トルコでも同社のワクチンは接種されており、多くの国で有効性が証明されている。重症化や入院を防ぐことができるとし、有効率は90%以上となっているという。

(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・スター、7月24日、ベルナマ通信、7月23日)

 

国会が7カ月ぶりに再開、コロナ対策巡り激論

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 新型コロナウイルス「Covid-19」感染拡大を受けて1月11日に発令された非常事態宣言発令の下、永らく閉会となっていた国会が26日、7カ月ぶりに特別国会として再開された。

会期は26—29日、8月2日の合計5日間。昨年12月29日に閉会して以来となる。閉会中に制定された各種政令や国家復興計画(NRP)、国家予防接種プログラムについて政府が説明を行なうことになっており、26日は早速ムヒディン•ヤシン首相が国家復興計画(NRP)について説明した。

野党側からは、政府の失策を厳しく指摘する声が上がった。かつての師匠であるアンワル•イブラヒム元副首相(野党連合・希望同盟=PHリーダー)が、産業界の制限緩和により工場で感染者が急増した責任についてアズミン・アリ上級相(兼通産相)を激しく追求する場面もあった。

新型コロナウイルス「Covid-19」感染防止の観点から当初検討されていた、本会議場における対面とバーチャルのハイブリッド方式は採用せず、全員が出席できることになった。下院議会の222議席のうち2議席が議員死去のため空席となっているが補欠選挙は延期されており、議員数は220人となっている。

下院議員205人がすでに2回のワクチン接種を終え、12人が1回のみ、3人は受けていない。しかし下院議員2人が陽性であることが判明、3人が感染者と濃厚接触があったとして欠席した。濃厚接触者にはズライダ・カマルディン住宅地方自治相も含まれている。このほかリーザル・メリカン・ナイナ青年スポーツ相が東京五輪視察のために欠席した。

ムヒディン政権は政治的混乱を避けるとの理由で再開に慎重姿勢だったが、アブドラ国王のほか、野党勢力や人権団体、そして与党連合内部からも上がっていた再開を求める声に押し切られた格好だ。

ほとんどの州が10月中に第4フェーズに=ムヒディン首相

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 ムヒディン・ヤシン首相は26日に開幕した特別国会で国家復興計画(NRP)に関する説明を行ない、ほとんどの州が早ければ10月中にも第4フェーズに移行できると述べた。
NRPによると、第4フェーズへの移行すれば可能な限り日常生活に戻すこととなり、すべての経済活動、より多くの社会活動が許可される。また州を越えた旅行が許可され、国内観光旅行も厳格な標準的運用手順(SOP)に従うことを条件に容認するとなっている。
ムヒディン首相は、新型コロナウイルス「Covid-19」感染対策に成功して一旦次のフェーズに移行した州について、出口戦略に重点を置くNRPのアプローチに基づき再び元のフェーズに戻さないことを国家安全委員会(NSC)特別会議で決定したと言明。再び感染件数が増加した場合には地区ごとに移動制限を厳格化することで対処していくと述べた。
ムヒディン首相はまた、現政府は完璧ではないもののワクチン接種率が最も高い国の一つとなっているなど可能な限りの措置をとっていると強調。10月までにはすべての成人に対するワクチン接種が終わるだろうとした上で、困難な時代に立ち向かっていくためには団結することが重要だと述べた。
またムヒディン首相は、保留となっている第12次マレーシア計画(12MP、対象期間;2021ー2025年)については9月20日、来年度予算案に関しては10月29日に国会に上程すると発表した
このほかタキユディン・ハッサン首相府相(法務担当)は、8月1日で期限を迎える非常事態宣言についてアブドラ国王に延長を求める意向のないことを明言。予定通りに非常事態宣言を解除することになると述べた。

新型コロナの感染者数は1万4516人、累計で100万人超える

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は26日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数は1万4,516人となったと発表した。過去最多の1万7,045人となった前日からは減少した。アクティブ感染者数は16万5,840人で、累計感染者数は102万7,954人となった。

州・地域別の感染者数はセランゴール州が最も多く6,508人だった。それに▽ジョホール州(1,449人)▽クアラルンプール(KL、1,425人)▽ケダ州(1,160人)▽サバ州(720人)▽ペラ州(590人)▽ネグリ・センビラン州(452人)▽ペナン州(402人)▽パハン州(386人)▽マラッカ州(373人)▽サラワク州(356人)▽クランタン州(346人)▽トレンガヌ州(245人)▽プトラジャヤ(94人)▽ラブアン(8人)▽ペルリス州(2人)ーーが続いた。9,372人が新たに回復し、累計治癒者は85万3,913人となった。死者数は過去最多となる207人で、累計で8,201人となった。

保健省のノール・ヒシャム事務次官は25日、34カ所のクラスターを新たに確認したと明らかにした。
職場で18カ所、コミュニティで15カ所、残りは医療センターなど感染すると重症化しやすいコミュニティでクラスターが発生した。
州別では、サバ州とジョホール州でそれぞれ6カ所、セランゴール州とクランタン州でそれぞれ5カ所、ペラ州、パハン州、ケダ州でそれぞれ3カ所、トレンガヌ州、ネグリ・センビラン州、KLでそれぞれ1カ所発生した。