財政赤字がGDP比7.4%に拡大、フィッチが予想

【クアラルンプール】 フィッチ・ソリューションズ・カントリー・リスク・アンド・インダストリー・リサーチは、新型コロナウイルス「Covid-19」の影響が長引いていることを考慮して、6.4%としていた2021年の財政赤字の対国内総生産(GDP)比率を7.4%に上方修正した。
フィッチは、長期にわたるロックダウンの影響を緩和するために、マレーシア政府が歳出を増やしており、実際、政府が年末までに法定債務限度額を引き上げる計画のもとで、内閣が現在のGDP比60%から65%への引き上げを提案していると指摘。経済対策として2,050憶リンギを投じたことで、すでに政府債務が大きく膨らんでいる上、3度目の行動制限令(MCO3.0)が予想外の長期に渡っていることを考慮に入れたと説明した。
フィッチはまた、マレーシア政府の第1、2四半期の歳入は、政府の大きな財源となっている原油の国際価格が上昇しているにも関わらず、それぞれ前年同期比で6.8%、4.4%マイナスとなっていると指摘。経済が1月以来のロックダウンの影響を受けていることに起因していると考えられるとし、ロックダウンは特に小売りおよびサービス・セクターに深刻な影響を及ぼしていると分析した。
その上でフィッチは、イスマイル・サブリ・ヤアコブ首相率いる新政権がワクチン接種率上昇に依存した国家復興計画(NRP)の下で経済・社会活動の正常化を急ぐ方針を示していることに注目。今後は財政支出を削減する方向に舵を切るため、2022年には大きく歳出削減に向かうと予想されるとした。
通貨リンギの為替レートの動向については、2021年の平均予測を1米ドル=4.15リンギに維持したが、2022年については従来予想の4.10リンギを4.20リンギに修正した。これについてフィッチはリンギが2021年の残りの期間にわたって下落圧力に直面し続けるだろうと指摘した。
(マレー・メイル、9月29日)

格安スーパーのグローサー・マット1号店がオープン

【クアラルンプール】 教育・観光などに携わるファティリ・ファズラー・ホールディングスは9月29日、格安スーパーのグローサー・マット第1号店をセランゴール州スリ・ゴンパックにオープンした。
グローサー・マットは、80種類以上の野菜や40種類の魚などの生鮮品を揃え、大量仕入れによって卸売市場よりも低価格で販売するのが特徴。随時セールを開催し、割高な魚介類なども手に入れやすい価格で提供していく。
創業者のファティリ・ファズラー氏は、これまで教育、観光、物流、鉱業などの事業に携わってきたが、今後、グローサー・マットを2025年までに2,000店舗にまで増やすことを目指すとした。今年12月には第2号店をセランゴール州のバンダル・セリ・プトラでオープンする計画があるという。将来的にはライセンス供与による大規模展開も視野に入れているとした。
第1号店オープンを記念して、30リンギ以上の購入で新鮮な丸鶏合計1,000羽を無料でプレゼントするキャンペーンが10月1日まで実施されている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、9月29日)

2025年までに2400万人の外国人観光客誘致を目標

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 観光芸術文化省(MOTAC)は、2025年までに2,400万人の外国人観光客を受け入れ、観光・旅行消費額を730億リンギとすることを目指している。
ナンシー・シュクリ観光芸術文化相は、9月28日に発表された第12次マレーシア計画(12MP)の観光業に関する政策声明の中で、先端技術とデジタル化により、観光業の回復力と競争力を構築すると表明。12MPの下で新型コロナウイルス「Covid-19」感染症拡大により打撃を受けた観光業の復興に努めると述べた。
MOTACは、芸術や文化といった側面からもマレーシアを国際的にアピールし、魅力的な旅行先として外国人観光客を呼び戻す。州政府が新しい観光商品を打ち出す際には、国際的にアピールすることを歓迎するとした。
一方で、国内観光客については、2025年までに消費額を1,000億リンギとすることを目標に掲げている。
MOTACは、観光業を通して、B40グループ(下から40%の低所得者層)向けに雇用機会を提供し、中所得層(M40)の生活水準を向上にも力を注ぐ。観光産業従事者のスキルや知識の強化、農村地域でのエコツーリズムの検討などの取り組みを継続する。また、▽観光客からの信頼回復▽サービスの質向上▽観光商品の持続可能性の向上▽マレーシアブランドとマーケティング戦略の強化▽ガバナンス改革の制度化▽国内観光の強化ーーという6つの重点分野に優先的に取り組み観光業を活性化させる方針だ。
ナンシー氏は、「持続可能な観光」への取り組みにより、環境保護や文化遺産の保護において、観光の役割がさらに強化されると述べた。マレーシアは様々な天然資源に恵まれているため、観光客にユニークな体験を提供でき、観光客によって地域社会にも貢献できると言明。マレーシアはエコツーリズムの旅行先として世界で最も選ばれる旅行先になると強調した。

新型コロナの感染者数は1万2735人、サラワク州が最多

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は9月30日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数は1万2,735人だったと発表した。累計感染者数は224万5,735人となった。
州・地域別の感染者数はサラワクが最も多く2,487人だった。それに▽セランゴール(1,940人)▽ジョホール(1,241人)▽クランタン(1,232人)▽ケダ(1,033人)▽サバ(993人)▽ペラ(913人)▽ペナン(763人)▽トレンガヌ(726人)▽パハン(697人)▽クアラルンプール(KL、258人)▽マラッカ(194人)▽ネグリ・センビラン(132人)▽ペルリス(97人)▽プトラジャヤ(28人)▽ラブアン(1人)ーーが続いた。
29日には、1万7,000人が回復し、累計治癒者は累計で203万7,099人となり、死者数は208人で、累計で2万6,143人となった。アクティブ感染者は、前日から4,774人減少し、16万9,718人となった。アクティブ染者数のうち、82.8%が自宅、11.2%が低リスク者用隔離・治療センター(PKRC)、5.4%が医療機関、0.5%が集中治療室(ICU)で療養中となっている。
また同日は新たに15カ所のクラスターを確認。職場で9カ所、コミュニティで6カ所でクラスターが発生した。州・地域別ではクランタンが6カ所で最も多かった。

オフィス&商業施設で空室率上昇&賃料低下の傾向=中銀

【クアラルンプール】 中央銀行バンク・ネガラ(BNM)は、新型コロナウイルス「Covid-19」感染拡大の影響で購買行動や勤務体制がeコマースや自由な働き方に移行する傾向が強まっていることを受けてオフィスやショッピングモールの空きスペースが増える傾向にあり、それに伴って賃料が下がる可能性があると分析した。
中銀は「2021年上半期金融安定性レビュー」の中で、ショッピングコンプレックスとオフィススペースの稼働率と賃貸料が引き続き低下していると指摘。首都圏クランバレーのオフィスおよび小売スペースの平均賃貸料は、2020年第3四半期以降、4四半期連続で低下しているとした。
中銀が引用した不動産ソリューションプロバイダーのジョーンズ・ラング・ウートンのデータによると、2020年第2四半期に26.4%だったオフィスの空室は同年第4四半期には27.5%に、今年第2四半期には28.6%に上昇。25.4%だった小売スペースの空室率もそれぞれ26.3%、26.4%に上昇した。
同じく中銀が引用した不動産コンサルタント、ナイト・フランク・マレーシアとサヴィルズ・マレーシアのデータによると、プライムオフィススペース、プライム小売スペースまたは首都圏の主要なショッピングコンプレックスの最も有名なショップの平均賃貸料がいずれも年率でマイナス成長となった。
中銀は、デベロッパーがいくつかのプロジェクトをキャンセルしたことで新規供給量が減ったにもかかわらず進行中のプロジェクトが完成したことで空室率が上昇したと指摘。オーナーはテナントを繋ぎ留めるために賃貸料の無料化や低減、救済策の提示などを行っているが、モールのオーナーの半数がテナントからの賃料徴収で困難に直面したと答えており、オーナー会社のキャッシュフローに影響を及ぼし続ける可能性があると指摘した。
(マレー・メイル、9月29日)

首都圏とマラッカ、10月1日よりNRP第3フェーズに移行

【ペタリンジャヤ】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ首相は、10月1日付けで首都圏クランバレーとマラッカ州が国家復興計画(NRP)の第3フェーズに、ケダ州が同第2フェーズにそれぞれ移行すると発表した。これにより第1フェーズに指定されている州・地域はなくなる。
10月1日以降、第2フェーズが▽ケダ▽ペナン▽ペラ▽クランタン▽ジョホール▽サバーー、第3フェーズが▽首都圏(クアラルンプール・セランゴール・プトラジャヤ)▽マラッカ▽ペルリス▽パハン▽トレンガヌ▽サラワクーー、第4フェーズがラブアンおよびネグリ・センビランとなる。
標準的運用手順(SOP)についても変更が行なわれる。10月1日からワクチンを接種を完了した18歳以上は、マスク着用・飲食禁止の条件の下、スポーツの試合をスタジアム観戦できる。政府や民間の公式行事については、ワクチンを接種完了を条件に、第2・3フェーズでは定員の50%まで、第4フェーズでは定員100%で参加が許可される。ワクチン未接種者が参加する場合は、事前に唾液による自己検査キットでの検査が必要となる。また、高等教育機関の再開に伴い、10月15日からすべてのフェーズで、技術職業教育訓練(TVET)カレッジなどの職業訓練施設や産業訓練センターを再開する。SOP詳細は、ウェブサイト(www.mkn.gov.myから入手可能。
一方、イスマイル首相は、自宅待機や観察命令違反について、違反者には厳しい措置をとると述べた。「政府は、エンデミック段階移行を見据え制限を緩和しているが、感染連鎖を断ち切るためにもSOPを厳守してほしい」と国民に呼びかけた。
(フリー・マレーシア・トゥデー、ニュー・ストレーツ・タイムズ、エッジ、9月29日)

世界銀行、マレーシアの経済成長予想を3.3%に下方修正

【ペタリンジャヤ】 世界銀行は、28日に発表した最新レポートの中でマレーシアの今年通年の国内総生産(GDP)成長率予想を従来のプラス4.5%からプラス3.3%に下方修正した。根拠として、パンデミックからの復興が進む一方、貧困層や社会的弱者の所得・雇用が回復していないことを挙げている。
外需が成長の追い風になる一方、行動制限令が経済復興の足かせになると予想。また、同レポートでは、新型コロナウイルス「Covid-19」のデルタ変異株の影響により、東アジア・太平洋地域のほとんどの国の成長率予測が引き下げられており、中国(8.5%)以外の地域では2.5%と、今年4月時点の予測4.4%よりも2ポイント近く低くなっている。
世界銀行グループのリードエコノミストのアプルバ・サンギ氏は、第12次マレーシア計画(12MP)で示された「2025年までの年平均4.5ー5.5%の経済成長」という目標について、世界経済における需要と供給の同時縮小により、達成が困難な状況にあると述べた。2021年ー2022年は下降傾向で、2022年以降にようやく成長が期待できるという。一方、デジタル化が輸出へ好影響を及ぼし、ワクチン接種率も向上しているという明るい兆しも見られることから、2022年と2023年の経済成長率は高水準を見込んでいる。
同氏は、12MPで発表された過去最大の開発費4,000億リンギについて、短期的には経済回復や弱者支援のための財政出動は必須だが、債務増加や予算不足に陥る危険も高いため、中長期的な財政戦略を別途考える必要があると述べた。マレーシアでは所得税、法人税、消費税の税収が不足しているとも指摘。徴税の枠組みや税支出、税務管理などを見直し、別の課税形態も検討することで、開発費用を調達できるとした。歳出についても合理化・効率化により削減できるとし、歳入を可能な限り増やし、効率的な歳出を行なうことが重要だと強調した。
(ザ・サン、9月29日、マレーシアン・リザーブ、9月28日)

5月以降に中小零細企業3万7415社が倒産=起業家相

【クアラルンプール】 新型コロナウイルス「Covid-19」感染拡大抑制のために今年5月に3回目の全国的行動制限令(MCO3.0)が発令されて以降、3万7,415社に上る中小・零細企業が倒産に追い込まれた。
ノー・オマル起業家開発協同組合相が28日の下院議会質疑で明らかにしたところによると、全体の2万6,007社を零細企業が占め、中小企業は2,738社に上った。
MCO3.0以降にはまた、約200社のスポーツ関連企業も倒産した。
ティー・リエンカー副青年スポーツ相によると、倒産したスポーツ関連企業の大多数はフィットネスセンターや卸売業者で、スポーツ業界関連会社の93.2%がMCOの影響を受けていることを明らかにし、58.8%が事業を継続するために財政支援が必要だと訴えている。
(フリー・マレーシア・トゥデー、9月28日)

ティオマンとゲンティン、トラベルバブルを無期延期

【ロンピン】 10月1日から予定されていたパハン州ティオマン島とゲンティン・ハイランドの「トラベル・バブル」実施が無期限で延期となった。パハン州のカマルディン・イブラヒム観光局長が明らかにした。
イスマイル・サブリ・ヤアコブ首相の「リゾート地や観光地の再開、州間移動については、成人人口のワクチン接種率が90%に達した場合にのみ許可する」という声明を受けてのもの。州間移動が解禁されるまでは、パハン州住民のみがパハン州内観光地へ旅行できることとなる。カマルディン氏は、すでに旅行を予約済の州外観光客に対し、「予約を取った旅行会社に連絡し、旅行の延期を行なうなど、適切なアドバイスを受けてほしい」と呼びかけた。
カマルディン氏は、また、パンデミックで大打撃を受けた州内観光産業の復興について、住民からの支援を期待していると述べた。パハン州が国家復興計画第3フェーズへ移行したことに伴い、多くの活動が可能となり、地域間の移動もできるようになったため、ジャンダ・バイクやロンピン州立公園など、州内の観光名所へ訪問する人が増えることを願っていると強調した
観光芸術文化省は、観光地を実験的に観光客に開放する「トラベルバブル」について、現在実施中のランカウイ島に続き、ティオマン島、ゲンティン・ハイランド、マラッカの再開を提案したが、マラッカはこの提案を却下していた。
(ベルナマ通信、9月28日)

サバ州、10月1日より地区間移動が可能に

【コタキナバル】 サバ州政府は28日、10月1日付けで地区間移動を解禁すると発表した。州内成人人口の60%が新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチン接種を完了することが条件となっている。
同州のマシディ・マンジュン住宅地方自治相によると、複数地区を統合・線引きするゾーニング方法を採用。ゾーン内でのワクチン接種率も同様に成人人口の60%以上が必要。接種率が60%に満たない地区はゾーンから除外され、地区間移動できない。
また、10月1日付けで州内の美容・健康、観光などの業種で営業再開が許可される。対象となるのは、▽スパ▽美容院▽リフレクソロジー▽健康センター▽マッサージ▽マニキュア・ペディキュア▽観光・レクリエーション(動物園、プランテーション、教育センター、ジャングルパークなど)ーー。利用客は、施設への入場時にコロナアプリ「MySejahtera」で「低リスク」評価を得ており、ワクチン接種完了を示す必要がある。
ワクチン供給アクセス保証特別委員会(JKJAV)のデータによると、サバ州では、28日現在、ワクチン1回目接種者は218万7,628人、2回目接種完了者は164万4,753人。成人人口の59.5%がワクチン2回接種を完了している。
(エッジ、9月28日)