復興計画で新たな措置を導入、10月のエンデミックに備え

【クアラルンプール】 政府は成人のワクチン接種率が100%になる10月に、新型コロナウイルスCovid-19感染をパンデミックから、影響範囲が狭い風土病を意味する「エンデミック」に指定変更するが、これに向け国家復興計画で新措置を導入する。国家復興サミットの基調演説でテンク・ザフルル財務相が明らかにした。
ザフルル氏は「経済・社会活動において公的医療制度がいかに重要かがCovid-19流行で示された。公的医療をさらに強化する。来年度予算でも考慮する」と語った。
新たな措置では、患者を迅速に管理するためのコールセンターを開設する。変異株の発生を突き止めるためゲノム配列決定を行う。通常より長い期間、Covid-19の症状が続く患者への対処方法を改善する。複数回または複数年にわたるワクチン接種の公衆衛生への組み入れを検討する。
経済については、第4四半期から徐々に回復すると述べた。
(エッジ、9月9日、ボルネオ・ポスト、9月10日)

サラワク州で感染者急増、ブースター接種を検討=保健相

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 全国的にワクチン接種が進んでいるにもかかわらずサラワク州で新型コロナウイルス「Covid-19」新規感染者が増加傾向にあることについて、カイリー・ジャマルディン保健相は、ワクチンの有効性が弱まっている可能性があると指摘。ブースター接種の必要性について検討を急いでいることを明らかにした。
カイリー氏はワクチンの有効性が時間とともに低下している可能性があるとした上で、他国での実施状況を参考に特に高齢者、免疫不全患者、医療従事者にブースター接種を行なうことを検討していると述べた。カイリー氏は近くサラワク州を訪問し、州政府と対応を協議する方針だ。
サラワク州の新規感染者数は5日に3,747人と初めて3千人を突破し、6日には3,714人で初めてセランゴール州を抜いて国内ワーストを記録した。その後も7日は3,200人、8日は3,100人、9日は3,118人と4日連続でワーストとなっている。
■接種証明不具合、1週間以内に解決=保健相■
カイリー保健相はまた、新型コロナ情報・追跡アプリ「MySejahtera」の不具合でワクチン接種証明が表示されないケースが起きていることについて、1週間以内に解決すると言明。それまでは接種センターで発行された接種カードを代用できるとした。
セランゴール州では、政府が独自で行なっている「SelVAX」を通じて接種した人の一部で「MySejahtera」上のデジタル接種証明書が表示されないトラブルが発生している。国家復興計画(NRP)で進められている行動規制緩和策では、多くのケースで条件にワクチン接種証明の提示が求められている。

新型コロナの感染者数は2万1176人、サラワク州が最多

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は10日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数は2万1,176人となったと発表した。アクティブ感染者数は24万2,161人で、累計感染者数は194万950人となった。
州・地域別の感染者数はサラワクが最も多く3,734人だった。それに▽セランゴール(3,595人)▽ジョホール(2,297人)▽サバ(2,246人)▽ペナン(1,939人)▽ケダ(1808人)▽ペラ(1,366人)▽クランタン(1,254人)▽パハン(853人)▽トレンガヌ(776人)▽マラッカ(485人)▽クアラルンプール(KL、467人)▽ネグリ・センビラン(252人)▽ペルリス(77人)▽プトラジャヤ(21人)▽ラブアン(6人)ーーが続いた。2万1,476人が新たに回復し、累計治癒者は167万8,962人、死者数は341人で、累計で1万9,827人となった。
9日には新たに27カ所のクラスターを確認した。職場で15カ所、コミュニティで11カ所、教育機関1カ所でクラスターが発生した。州・地域別ではセランゴールが7カ所で最も多かった。

CPTPP批准、来年第1四半期までの閣議決定を目指す=通産省

【クアラルンプール】 通産省(MITI)は、包括的及び先進的な環太平洋経済連携協定(CPTPP)の批准に向けて閣議決定のための準備を進めており、年末から来年第1四半期までの閣議決定を目指していると発表した。マレーシアはCPTPPに加盟しているが、まだ批准手続きを取っていない。
MITIによると、現在、費用便益分析や関係各所との協議、関係省庁による関連法の改正が行なわれているという。閣議決定後、批准書が提出され、その60日後にCPTPPが発効する。
CPTPPは、加盟国に優遇措置を与える貿易協定であり、電子商取引、国有企業(SOE)、知的財産権(IP)や貿易の技術的障害に関する協定など、物品及びサービスの貿易および投資を含む貿易の全域を対象としている。11カ国が署名しており、批准済なのは、▽オーストラリア▽カナダ▽日本▽メキシコ▽ニュージーランド▽シンガポール▽ベトナムーーの7カ国。ペルーは今年7月に批准書を提出、9月19日より8カ国目の批准国となる。署名国で批准していないのは、マレーシア、ブルネイ、チリの3カ国。英国もCPTPPへの正式加盟を発表し、6月より加盟手続きが開始されている。
CPTPP経済圏は、世界経済の13.5%に当たる5億人、10兆米ドル相当の市場となっているが、英国の加盟によりさらなる規模拡大が見込まれるとし、MITIは英国の加入を支持する姿勢を表明した。
(ベルナマ通信、9月8日)

中銀バンクネガラ、政策金利を1.75%で据え置き

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 中央銀行バンク・ネガラは9日、定例金融政策会合(MPC)を開催し、政策金利である翌日物政策金利(OPR)を1.75%で維持することを決定した。中銀は昨年7月に0.25ポイント引き下げた後は、1.75%で維持している。

中銀は声明の中で、OPRを維持した理由について、新型コロナウイルス「Covid-19」感染拡大を防ぐために全国的なロックダウンが実施されたことで成長の勢いが弱まっていたものの、より多くの経済部門が活動できるよう規制が段階的に緩和され、企業も新しい事業環境に対する適応力を示したことで、経済は回復傾向にあると説明。今後もインフレ率や経済成長の全体的な見通しなどを考慮して政策を決定し、持続的な経済回復のための環境を整備するとした。

ヘッドライン・インフレ率については、年初からの平均は2.3%で、2021年全体でも2.0%から3.0%の間になると予想。基調インフレ率(コア指標)は、経済の余力が引き続きあることから、年間平均で0.5%から1.5%の間となり、引き続き抑制されるとの予想を示した。

世界経済について中銀は、製造業およびサービス業の活動の改善に支えられ、回復を続けているが、回復ペースは国によって異なると指摘。ワクチン接種が順調に進んでいる国では、抑制策が緩和され、国内活動の継続的な回復が可能となっている。大規模な財政・金融措置により回復の勢いを支える先進国もあるが、パンデミックの見通しの不透明性や主要国の金融政策の変更に伴う金融市場のボラティリティ上昇が、マイナスリスクとなっているとした。

マレーシアについて中銀は、今後、ロックダウンのさらなる緩和に加え、ワクチン接種プログラムの急速な進展や外需の継続的な強さによって、経済が回復へ向かうと予想。しかし、新型コロナの新しい変異株の出現や世界市場の回復の遅れなどが依然ダウンサイドリスクとなっているとした。

ワクチン完了者、ジムを除き屋内スポーツが可能に

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ首相は、国家復興計画(NRP)第1フェーズにとどまっている州についても、新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチン接種が完了した人を対象に10日付けで屋内スポーツ活動を認めると発表した。
保健省と国家安全委員会(NSC)が実施したリスク評価に基づき決定された。ただし個々に標準的運用手順(SOP)の遵守が求められており、またスポーツジムについては対象から除外されている。
スポーツジムが許可対象から除外されていることについてはカイリー・ジャマルディン保健相は、保健省とNSCが共同で室内換気に関するガイドラインを策定中だと発表。近く営業再開が認められる見通しであることを明らかにした。
映画館や劇場については一足先に9日から営業再開が認められることになっており、アハマド・ファイザル・アズム青年スポーツ相がスポーツジムとアウトドアスポーツに関しても再開を許可するようカイリー保健相に要望していた。

新型コロナの感染者数は1万9307人、サラワク州が最多

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は9日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数は1万9,307人となったと発表した。アクティブ感染者数は24万2,802人で、累計感染者数は191万9,774人となった。

州・地域別の感染者数はサラワクが最も多く3,118人だった。それに▽セランゴール(2,700人)▽サバ(2,298人)▽ペナン(2,243人)▽ジョホール(2,032人)▽クランタン(1,438人)▽ケダ(1,355人)▽ペラ(1,341人)▽トレンガヌ(910人)▽パハン(661人)▽クアラルンプール(KL、513人)▽マラッカ(340人)▽ネグリ・センビラン(207人)▽ペルリス(108人)▽プトラジャヤ(28人)▽ラブアン(15人)ーーが続いた。2万4,855人が新たに回復し、累計治癒者は165万7,486人、死者数は323人で、累計で1万9,486人となった。

8日に確認された感染者のうちカテゴリー1(無症状)、カテゴリー2(軽度の症状)の軽症者が97.8%を占めた。

また同日は新たに35カ所のクラスターを確認した。職場で20カ所、コミュニティで11カ所、残りは福祉施設、教育機関でクラスターが発生した。州・地域別ではクランタンが8カ所で最も多かった。

これまで確認されたクラスターは累計4,995カ所で、現在感染者を出しているアクティブなクラスターは1,459カ所となった。

首都圏が第2フェーズに移行、地域間移動が可能に

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ首相は、首都圏クランバレーに位置するセランゴール州、クアラルンプール(KL)、プトラジャヤについて、10日付けで国家復興計画(NRP)の第2フェーズに移行すると発表した。
8日に開催された新型コロナウイルス「Covid-19」管理に関する特別委員会で決定した。これからは首都圏のこれら3地域は一つのエリアとみなされることとなり、第1フェーズでは禁じられていた地域間の移動が認められる。各地域を結ぶ重点道路に設置されていた警察の検問も撤去される。第2フェーズへの移行にともない、ワクチン接種完了者を対象に宿泊を含む州内の観光旅行、また単身赴任者が家族に会うための州を跨いだ移動が認められる。
イスマイル首相はまた、いまだ第1フェーズにとどまっている州に関する規制緩和も発表。花屋や保育園、アウトドア用品店、不動産ギャラリーの営業も10日付で再開が認められると述べた。
イスマイル首相の発表に先駆け、シャヒダン・カシム連邦直轄地相はKLとプトラジャヤが10日付けでNRP第2フェーズに移行する見通しだと発表していた。ワクチン供給アクセス保証特別委員会(JKJAV)の最新の統計によると、首都圏クランバレーの成人人口の97.8%がワクチン接種を完了した。

ペナン州で予約なし接種開始、成人国民を対象に

【ジョージタウン】 ペナン州政府は、18歳以上のマレーシア国民を対象に、新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチンの予約なし接種を8日午前10時より開始すると発表した
チョウ・コンヨウ首相によると、州内にあるワクチン接種センター(PPV)10カ所で行なう。まだ予約がとれない人や情報・追跡アプリ「MySejahtera」によるワクチン登録を行なっていない人が対象となる。
接種希望者はマレーシア国民であることを証明する身分証カードを持参すること、「MySejahtera」に登録し、症状がないこと、感染者と濃厚接触していないこと、隔離されていないことが必要。先着順となる。
チョウ氏はまた、コロナ感染者及び濃厚接触者からの相談に対応するアセスメントセンター(CAC)においてコールセンターの改善を同州特別安全委員会が約束したことを明らかにした。ホットラインは04-3827143または04-3827142で、毎日午前8時から午後10時まで受け付けている。
ペナン州の新規感染者数は5日には1,961人、6日には1,558人、7日には1,776人と高止まりしている。
(マレー・メイル、9月7日)

恒例の国際ハラルショーケース、9日にバーチャル開幕

【クアラルンプール】 今年で17回目となるハラル(イスラムの戒律に則った)製品の国際展示会、マレーシア国際ハラル・ショーケース(MIHAS2021)が9日、バーチャル方式で開幕した。
新型コロナウイルス「Covid-19」のためにバーチャル開催となった今年は、バーチャル展示会、企業間(B2B)ビジネスマッチング(eBizMatch)、ナレッジハブ——の3つの主要コンポーネントで構成されている。
メキシコ、ブラジル、チリ、アルゼンチンなどの国からの新規参入もあり、43カ国から549社がバーチャル出展する。バーチャル商談の会期は12月31日までとなっている。
MIHASによると、日本からは▽有馬芳香堂(豆類・菓子)▽ADEKAグループ(製パン用油脂)▽オタフクソース▽ひかり味噌▽桃太郎食品▽グルメ杵屋▽ナルラジャパン▽ナカニシ・マニュファクチャリング▽三菱商事クアラルンプール(KL)支店▽日本タルク▽ハラールメディアジャパン▽ハラル・ジャパン協会——が出展している。
ナレッジハブでは、9月9日—11日にわたりイスラム金融、イノベーションとビジネスの持続可能性、デジタルテクノロジー、女性の役割、ハラル経済における若い起業家の視点などをテーマにしたハラル産業関連カンファレンスがバーチャル開催される。
(ベルナマ通信、9月6日)