CPTPP批准、来年第1四半期までの閣議決定を目指す=通産省

【クアラルンプール】 通産省(MITI)は、包括的及び先進的な環太平洋経済連携協定(CPTPP)の批准に向けて閣議決定のための準備を進めており、年末から来年第1四半期までの閣議決定を目指していると発表した。マレーシアはCPTPPに加盟しているが、まだ批准手続きを取っていない。
MITIによると、現在、費用便益分析や関係各所との協議、関係省庁による関連法の改正が行なわれているという。閣議決定後、批准書が提出され、その60日後にCPTPPが発効する。
CPTPPは、加盟国に優遇措置を与える貿易協定であり、電子商取引、国有企業(SOE)、知的財産権(IP)や貿易の技術的障害に関する協定など、物品及びサービスの貿易および投資を含む貿易の全域を対象としている。11カ国が署名しており、批准済なのは、▽オーストラリア▽カナダ▽日本▽メキシコ▽ニュージーランド▽シンガポール▽ベトナムーーの7カ国。ペルーは今年7月に批准書を提出、9月19日より8カ国目の批准国となる。署名国で批准していないのは、マレーシア、ブルネイ、チリの3カ国。英国もCPTPPへの正式加盟を発表し、6月より加盟手続きが開始されている。
CPTPP経済圏は、世界経済の13.5%に当たる5億人、10兆米ドル相当の市場となっているが、英国の加盟によりさらなる規模拡大が見込まれるとし、MITIは英国の加入を支持する姿勢を表明した。
(ベルナマ通信、9月8日)

中銀バンクネガラ、政策金利を1.75%で据え置き

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 中央銀行バンク・ネガラは9日、定例金融政策会合(MPC)を開催し、政策金利である翌日物政策金利(OPR)を1.75%で維持することを決定した。中銀は昨年7月に0.25ポイント引き下げた後は、1.75%で維持している。

中銀は声明の中で、OPRを維持した理由について、新型コロナウイルス「Covid-19」感染拡大を防ぐために全国的なロックダウンが実施されたことで成長の勢いが弱まっていたものの、より多くの経済部門が活動できるよう規制が段階的に緩和され、企業も新しい事業環境に対する適応力を示したことで、経済は回復傾向にあると説明。今後もインフレ率や経済成長の全体的な見通しなどを考慮して政策を決定し、持続的な経済回復のための環境を整備するとした。

ヘッドライン・インフレ率については、年初からの平均は2.3%で、2021年全体でも2.0%から3.0%の間になると予想。基調インフレ率(コア指標)は、経済の余力が引き続きあることから、年間平均で0.5%から1.5%の間となり、引き続き抑制されるとの予想を示した。

世界経済について中銀は、製造業およびサービス業の活動の改善に支えられ、回復を続けているが、回復ペースは国によって異なると指摘。ワクチン接種が順調に進んでいる国では、抑制策が緩和され、国内活動の継続的な回復が可能となっている。大規模な財政・金融措置により回復の勢いを支える先進国もあるが、パンデミックの見通しの不透明性や主要国の金融政策の変更に伴う金融市場のボラティリティ上昇が、マイナスリスクとなっているとした。

マレーシアについて中銀は、今後、ロックダウンのさらなる緩和に加え、ワクチン接種プログラムの急速な進展や外需の継続的な強さによって、経済が回復へ向かうと予想。しかし、新型コロナの新しい変異株の出現や世界市場の回復の遅れなどが依然ダウンサイドリスクとなっているとした。

ワクチン完了者、ジムを除き屋内スポーツが可能に

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ首相は、国家復興計画(NRP)第1フェーズにとどまっている州についても、新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチン接種が完了した人を対象に10日付けで屋内スポーツ活動を認めると発表した。
保健省と国家安全委員会(NSC)が実施したリスク評価に基づき決定された。ただし個々に標準的運用手順(SOP)の遵守が求められており、またスポーツジムについては対象から除外されている。
スポーツジムが許可対象から除外されていることについてはカイリー・ジャマルディン保健相は、保健省とNSCが共同で室内換気に関するガイドラインを策定中だと発表。近く営業再開が認められる見通しであることを明らかにした。
映画館や劇場については一足先に9日から営業再開が認められることになっており、アハマド・ファイザル・アズム青年スポーツ相がスポーツジムとアウトドアスポーツに関しても再開を許可するようカイリー保健相に要望していた。

新型コロナの感染者数は1万9307人、サラワク州が最多

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は9日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数は1万9,307人となったと発表した。アクティブ感染者数は24万2,802人で、累計感染者数は191万9,774人となった。

州・地域別の感染者数はサラワクが最も多く3,118人だった。それに▽セランゴール(2,700人)▽サバ(2,298人)▽ペナン(2,243人)▽ジョホール(2,032人)▽クランタン(1,438人)▽ケダ(1,355人)▽ペラ(1,341人)▽トレンガヌ(910人)▽パハン(661人)▽クアラルンプール(KL、513人)▽マラッカ(340人)▽ネグリ・センビラン(207人)▽ペルリス(108人)▽プトラジャヤ(28人)▽ラブアン(15人)ーーが続いた。2万4,855人が新たに回復し、累計治癒者は165万7,486人、死者数は323人で、累計で1万9,486人となった。

8日に確認された感染者のうちカテゴリー1(無症状)、カテゴリー2(軽度の症状)の軽症者が97.8%を占めた。

また同日は新たに35カ所のクラスターを確認した。職場で20カ所、コミュニティで11カ所、残りは福祉施設、教育機関でクラスターが発生した。州・地域別ではクランタンが8カ所で最も多かった。

これまで確認されたクラスターは累計4,995カ所で、現在感染者を出しているアクティブなクラスターは1,459カ所となった。