上半期の国家収入は見込み以下、徴税を強化へ

【クアラルンプール】 今年度上半期の国の収入は前年同期比4.6%増の1,064億リンギで、予算策定時の見込みを下回った。通年では4.2%増の2,369億リンギを予想している。モハマド・シャハル第1副財務相が下院答弁で発表した。
収入のうち税収が75.4%に当たる802億リンギで、262億リンギは税以外の収入。税収のうち583億リンギが直接税。
支出は同5.7%増の1,642億リンギで、71.5%に当たる1,174億リンギが賃金、年金など経常的支出で、284億リンギが開発支出。コロナウイルス関連支出は184億リンギで、これには給与所得者に対する賃金助成が含まれる。
財務省は当初、通年の予算赤字を対国内総生産(GDP)比5.4%と見積もっていたが、GDP増加率が当初見込み(6.5ー7.5%)を下回る3ー4%になる見通しのため、予算赤字予想も同6.5%に修正した。
税収を増やすため政府は納税者番号の導入、電子タバコに対する物品税適用を計画している。
(ベルナマ通信、9月23日)

ジェトロKLが5社を採択、DX協業支援を実施へ

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 日本貿易振興機構(ジェトロ)クアラルンプール(KL)事務所は24日、サンウェイiLABSと提携し、オープンイノベーション推進に向けて、日本企業と海外企業のデジタル技術(DX)等を活用した連携・協業を支援するアクセラレーションプログラムを実施すると発表した。
3回目となる今回は、マレーシアで注目を集める「フィンテック」「SaaS」「フード&アグリテック」「ヘルステック」「カーボンニュートラル」に関する革新技術を有する、日本の有望企業5社が参加。メンタリング、ビジネスマッチング等の当地のネットワークを活かした伴走型支援を通じてマレーシア、さらには東南アジアでのビジネス実現を目指す。
今回参加するのは▽ビー・インフォマティカ(フィンテック)▽Samaria(ビジネスSaaS)▽スカラ(フード&アグリテック)▽サンクレエ(ヘルステック)▽TBM(カーボンニュートラル) ーー。来年3月にかけてサンウェイiLABSが大手財閥のネットワークを活かし、マレーシア企業との連携・協業を目指す5社に対し、▽個別メンタリング▽ビジネスマッチング▽ワークショップ ーーといったハンズオン支援を提供する。

 

「A&W」マレーシア事業、製菓のパンマレーシアが子会社化

【クアラルンプール】 製菓のパン・マレーシア・コープ(PMC)は、ファストフードチェーン「A&W」をマレーシアで展開するA&Wマレーシアの株式51%を取得して子会社化すると発表した。
A&Wマレーシア株100%を保有するインター・マーク・リソーシズと売買契約を締結。A&Wマレーシア株51%を2,104万リンギで取得する。1,157万リンギは現金で、残金はPMC株式1株15セン換算し6,311万株の譲渡で支払いに充てる。残りの株式49%は引き続きインター・マークが保有する。
買収目的についてPMCはチョコレートと菓子事業を主力とする現体制から、急成長しているファストフードチェーン分野への多角化を目指すとしている。A&Wマレーシアは現在、62店舗を運営しており、半数以上がクアラルンプール(KL)とセランゴール州の首都圏に集中している。まだ成長の余地が大きいとみており、2023年までに店舗数を100店に増やす計画だ。
(エッジ、ザ・サン、9月24日)

今年の経済成長予測を4.7%に下方修正=アジア開銀

【クアラルンプール】 アジア開発銀行(ADB)は22日、マレーシアの2021年経済成長率予測を、7月に発表した5.5%から4.7%に下方修正した。
修正の主な要因は、新型コロナウイルス「Covid-19」感染が再拡大し、全国的なロックダウンが再実施されたこと、そして政治の不安定性が続いていること。マレーシアの主要な輸出先である米国と日本も同様に成長の鈍化が見込まれている。
短期的には下振れリスクの懸念がある。対外的には、世界経済の回復傾向が弱まり、米国経済の先細り感と相まって、金融市場の不確実性が高まり、資本流出を引き起こす可能性がある。国内でも、コロナ変異株や新政府への支持基盤の脆弱さによって不確実性がより高まり、景況感が悪化、経済回復のための改革も遅れる恐れがあるという。
一方、ADBは、マレーシアの2022年成長率予測を従来の5.7%から6.1%まで上方修正した。ワクチン接種が全国的に滞りなく進むことが条件となっている。予測通り成長したとしても、成長率はパンデミック前よりも約10%低くなる見込みだ。
ADBの経済成長率予測は、アジア太平洋地域の発展途上国46カ国・地域を対象としており、地域全体の成長率予測は、2021年で7.1%、2022年で5.4%となっている。
(新華社、9月22日)

新型コロナの感染者数は1万4554人、サラワクが最多

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は24日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数は1万4,554人だったと発表した。累計感染者数は217万1,232人となった。
州・地域別の感染者数はサラワクが最も多く2,825人だった。それに▽セランゴール(2,244人)▽ジョホール(1,807人)▽サバ(1,273人)▽ペナン(1,231人)▽ペラ(1,144人)▽クランタン(910人)▽ケダ(908人)▽トレンガヌ(690人)▽パハン(598人)▽マラッカ(401人)▽クアラルンプール(KL、271人)▽ネグリ・センビラン(157人)▽ペルリス(65人)▽プトラジャヤ(30人)ーーが続いた。ラブアンのみゼロだった。
23日午後11時59分時点のアクティブ感染者は、前日から2,990人減少し、19万8,284人となった。83.4%が自宅療養、10.8%が低リスク者用隔離・治療センター(PKRC)、5.2%が医療機関、残り0.6%が集中治療室(ICU)で療養中。死者数は116人で、累計で2万4,681人となった。
また同日は新たに15カ所のクラスターを確認。職場で7カ所、コミュニティで8カ所でクラスターが発生した。州・地域別ではクランタンが7カ所で最も多かった。