経済回復、マレーシア人の8割が2年以上かかると予想

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 国際マーケティング会社の仏系イプソス(Ipsos)マレーシアは、経済回復に関する調査結果を発表。マレーシア人の80%が自国経済が新型コロナウイルス「Covid-19」のパンデミックから回復するには少なくともあと2年はかかると考えていることがわかった。
回答者の44%が2-3年、36%が3年以上かかると回答した。世界の平均回答率は2.3年が35%、3年以上が39%、日本はそれぞれ52%、31%となった。
またマレーシア人回答者の50%は「政府が経済回復をリードすることを信じている」と回答。世界平均の34%を上回った。また消費者がリードするとの回答は17%となり、大企業(13%)や非政府組織(9%)、中小企業(5%)よりも政府が経済回復の責任を担うと考えていることがわかった。
一方で経済がパンデミックから回復していることを示す指標として、マレーシア人回答者の間で最も回答率が高かったのは、「新しいビジネスが開業すること」で回答率は84%。それに「知り合いが元の仕事に戻ったり、新しい仕事に就いたりすること」、「観光客が増えること」が続き、回答率は共に83%となった。世界の平均は、「知り合いが元の仕事に戻ったり、新しい仕事に就いたりすること」が79%、「新しいビジネスが開業すること」78%、「観光客が増えること」が72%だった。

ランカウイでトラベルバブル開始、出発前に5人が陽性

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 ランカウイを対象にした「トラベル・バブル」の試験運用が、16日から開始された。直前になって旅行者に対する新型コロナウイルス「Covid-19」のスクリーニングが義務づけられるドタバタ騒ぎがあったが、結果的にこれで合計5人の陽性者の旅行が水際で阻止されることになり、まずは無難な船出となった。
カイリー・ジャマルディン保健相は、前日の15日になって出発前に新型コロナのスクリーニングを受ける必要があると発表した。スクリーニング対象は7歳以上で、6歳以下は唾液の分泌量を考慮して問診のみとする。検査はRT-PCR、RTK-抗原検査いずれでも可能で、出発の48時間以内に実施する必要がある。セルフ検査キットを出発地の空港やフェリー乗り場にある検査場に持ち込んで検査することもできる。陽性が発覚した場合は旅行することはできない。
16日の初日にはランカウイに入るために2,546人が出発地の空港やフェリー乗り場でチェックを受けたが、スバン空港で3人、クアラルンプール新国際空港(KLIA)とペナン国際空港で1人ずつ陽性者が確認された。5人はいずれも無症状で、10日間の自宅隔離が命じられた。事前にRT-PCR検査を受けていたのはわずか6人で、残りはすべて空港やフェリーターミナルでRT-PCR検査を受けたという。

トレンガヌ州、17日よりNRP第3フェーズに移行

【プトラジャヤ】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ首相は、トレンガヌ州について、17日付けで国家復興計画(NRP)の第3フェーズに移行すると発表した。15日に開催された新型コロナウイルス「Covid-19」管理に関する特別委員会で決定した。
イスマイル首相はまた、最近の規制緩和に伴い、標準的運用手順(SOP)を無視する国民が増加していると指摘した。規制緩和は安全対策を怠ってよいという意味ではなく、感染の連鎖を断ち切るためにも、SOPを遵守すべきと強調。マスクを着用し、社会的な距離を守り、清潔な衛生状態を保つことを継続するよう呼びかけ、違反者に対しては躊躇なく処罰するとした。
(ザ・スター、9月16日)

さらなる規制緩和、オフィス出社人数も増加

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 さらなる規制緩和により、17日から小売業などの再開、オフィス出社人数の増加などが認められた。15日開催の新型コロナウイルス「Covid-19」管理に関する特別委員会で決定した。同委員会はトレンガヌ州の国家復興計画(NRP)第3フェーズへの移行も発表した。
NRPの第2フェーズの州・地域にあるオフィスでは、17日から、従業員の80%がワクチン接種完了済の場合、100%の人員で稼働できる。ワクチン接種完了率が60%の場合は80%、40%の場合は、60%の人員で稼働可能。送迎バスなどの従業員輸送においても、すべての乗客がワクチン接種を完了していれば、100%の乗車率での輸送を認める。家具工場の操業再開も認められた。
一方、第1フェーズの州・地域では以下11の小売店カテゴリーの再開も許可された。▽写真関連商品・サービス▽中古品▽フラワーショップ▽手工芸品・ギフト▽アンティーク▽おもちゃ▽ カーペット▽クリエイティブ関連製品・サービス▽アウトドア製品(キャンプ、釣りなど)▽化粧品・スキンケア・香水▽たばこ店ーー。鉱物や砂の採掘作業、採掘場のメンテナンス作業、鉱物・砂の輸出や許可を受けた建設現場、必需産業施設、公共インフラなどへの提供も可能となった。木製品やケナフの栽培・収穫も認められた。
また、複数フェーズで許可されたのは、▽チャイルドケアセンター・幼稚園の営業(第1・第2フェーズ)▽森林保護区での伐採など、林業関連の活動(第2・第3フェーズ)▽ワクチン接種完了者同士の対面ミーティング(第2・第3・第4フェーズ)▽乗客・乗組員全員のワクチン接種完了を条件としたクルーズ船の運航(定員の50%まで、全フェーズ)ーー。
スポーツに関しても第2・第3フェーズにおける規制緩和が進められており、ワクチン接種完了を条件にサッカーやバスケットボールなどの身体接触スポーツやエアロビクスやズンバなどのフィットネス(定員の50%または50人のいずれか少ない方を上限とする)を許可。ジムに関しても、ジム用の標準作業手順(SOP)が発表され次第、営業が可能となる。
経済活動の完全再開を要請していたマレーシア経営者連盟(MEF)は、今回の政府の規制緩和について支持を発表。マレーシア中小企業協会も、苦境に陥っている中小企業の再生につながるため歓迎すると発表した。

新型コロナの感染者数は1万7577人、サラワク州が最多

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は17日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数は1万7,577人だったと発表した。累計感染者数は206万7,327人となった。
州・地域別の感染者数はサラワクが最も多く3,480人だった。それに▽セランゴール(2,646人)▽ジョホール(2,334人)▽ペラ(1,596人)▽サバ(1,533人)▽ペナン(1,462人)▽ケダ(1,173人)
▽クランタン(869人)▽パハン(832人)▽トレンガヌ(719人)▽クアラルンプール(KL、366人)▽マラッカ(287人)▽ネグリ・センビラン(198人)▽ペルリス(41人)▽プトラジャヤ(31人)▽ラブアン(10人)ーーが続いた。また2万2,970人が回復し、累計治癒者は182万3,248人となった。
16日午後11時59分時点のアクティブ感染者は、前日から1,530人増加し、22万7,120人となった。83.5%が自宅療養、10.7%が低リスク者用隔離・治療センター(PKRC)、5.3%が医療機関、残り0.5%が集中治療室(ICU)で療養中。死者数は346人で、累計で2万2,355人となった。
また同日は新たに21カ所のクラスターを確認。職場で9カ所、コミュニティで6カ所、教育機関で3カ所、残りは医療機関と福祉施設、拘留所でクラスターが発生した。州・地域別ではジョホールが7カ所で最も多く、うち6カ所が職場に関連したクラスターだった。