州間移動、3週間以内に解禁の見込み=国防相

【プトラジャヤ】 ヒシャムディン・フセイン上級相(国防相)は25日、新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチン接種完了率が今後3週間以内に成人人口の90%を越え、州間移動の許可が下りる見込みだと述べた。保健省によると、26日時点で接種完了率は83.7%に達している。
同相は、国軍と保健省との協力を強化し、ワクチン接種率を向上させる対策を講じるとした。すでに実施しているドライブスルー方式のワクチン接種を拡大し、遠隔地へはCMVT(軍医ワクチン・チーム)の派遣も行なう。さらに同相は、州間移動の実現には、標準的運用手順(SOP)や監督機関の責任範囲などもあらかじめ検討しておく必要があるとした。
イスマイル・サブリ・ヤアコブ首相も、22日開催の新型コロナウイルス「Covid-19」管理に関する特別委員会において、「成人人口90%のワクチン接種を条件に州間移動を許可する」ことで合意したと述べた。22日時点で成人人口の81%へのワクチン接種が完了しているため、解禁までそれほど時間はかからないはずだとし、あと少しだけ我慢してほしいと国民に理解を求めた。
(ベルナマ通信、9月24、25日)

シノバック製ワクチン、新型コロナの重症化に効果=政府調査

【クアラルンプール】 マレーシア政府が実施した調査で、中国の科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)が開発した新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチンが感染症の重症化予防に効果的であることがわかった。
シノバック製ワクチンの接種を受けた約720万人のうち、新型コロナに感染して集中治療室(ICU)での治療が必要となったのはわずか0.011%だった。また米ファイザーと独ビオンテックが開発したワクチンの接種を受けた約650万人中、0.002%がICUで治療、英アストラゼネカ製ワクチンを接種した約75万人中、0.001%となった。
臨床研究所のカライアラス・ペアリアサミー所長は、およそ126万人を対象とした調査を実施したところ、ワクチンの種類に関係なく、ワクチン接種後の入院リスクは83%ダウンしたと明らかにした。死亡リスクも88%下がり、重症化しICUでの治療が必要になる率も0.0066%に抑えることができるとし、ワクチンの有効性を強調。しかし、アストラゼネカ製ワクチン接種者の多くは成人中期で、ファイザーとシノバックの接種者は、高齢者など脆弱な年齢層が多かったことが調査結果に影響した可能性があると説明した。
シノバックのワクチンを巡ってはインドネシアやタイで接種を終えた医療従事者が感染するケースが確認されており、効果に疑問や懸念が高まっている。
(ロイター、エッジ、9月24日)

第12次マレーシア計画発表、年率4.5ー5.5%の成長目指す

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ首相は27日、国家5カ年計画、「第12次マレーシア計画(12MP、対象期間;2021ー2025年)」の概要を下院議会で発表した。当初は2020年8月発表の予定だったが、新型コロナウイルス「Covid-19」感染拡大にともない大幅な見直しが必要と判断。今年1月に先送りされたが、さらに半年延期されていた。

3つの主要テーマは▽経済の再生▽安全と福祉の強化▽包括性及び先進的持続性――で、これらを▽将来に向けた人材育成▽技術導入の加速化と技術革新▽コネクティビティ拡大及び交通インフラ▽公共サービスの強化――の4つの触媒的な政策が支える。

▽2025年までに年平均4.5―5.5%の経済成長▽2025年までに平均世帯収入の1万リンギ達成▽2025年までに1人当たりGDPの首都圏との格差をサバ州で2.5倍、サラワク州で1.2倍からともに1倍(同等レベル)まで縮小▽2030年までに対2005年比で45%の温室効果ガス削減――などの目標を設定した。

開発予算を前回(11MP)の2,600憶リンギから4,000憶リンギに大幅に増やす。東海岸鉄道線(ECRL、2026年完成予定)、西海岸高速道路(WCE、2024年完成予定)などの大規模交通インフラのほか、デジタル化・IR4.0推進支援基金及び4G改善のために280億リンギを割り当てる

ハイテク投資の呼び込みに力を入れ、産業界が生産の自動化と機械化に移行することを奨励し、低スキル外国人受け入れを制限する。産学連携を強化することによってより高度なスキルの雇用を確保する。これに伴い長期的には労働人口に占める外国人の比率を15%に制限する。

ブミプトラ(マレー人と先住民の総称)中小企業向けの新規プログラムや基金を創設し、これらの対GDP貢献度を2025年までに15%に引き上げる。またブミの株式保有比率が30%を達成できていないことから、非ブミ資本へのブミ企業の株式流出を防ぐセーフティネットを導入する。

女性の勤労比率を2025年までに59%に引き上げることを目指す。これを推進するために女性関連の問題に対処するための法整備を実施、ジェンダーエンパワーメント枠組みを導入する。

2050年までのカーボン・ニュートラル達成を公約に掲げ、新規の石炭火力発電所建設の凍結、及び再生可能エネルギーの全発電能力に占める比率を2025年までに31%に引き上げる。

 

ブースター接種を10月から開始、高齢者や医療従事者を優先

【クアラルンプール 】 カイリー・ジャマルディン保健相は、「ブースター接種」と呼ばれる新型コロナウイルス・ワクチンの3回目接種(追加接種)について10月から実施すると発表。▽医療最前線▽免疫力が低下している人▽併存症のある高齢者▽長期医療施設に入居者及び勤務者ーーの4つの高リスク・グループを優先して実施すると明らかにした。
カイリー大臣は、ワクチンを2回接種しても、一定時期が経つと免疫力が下がる可能性があるとし、3回接種することで免疫力を高めることができると説明。医療専門家がガイドラインを策定中で、次回の国家免疫タスクフォース会議で協議するとした。ワクチンの種類などについても協議をしていると言明。ブースター接種を開始するのは、ワクチンプログラムを最初に完了したサラワク州が最初になる予定だと述べた。65歳未満の健康な成人へのブースター接種も検討しているが、まずは高齢者やリスクの高い人々に焦点を当てており、脆弱な人をまず保護する必要があると説明した。
一方で12歳以下のワクチン接種について、カイリー大臣は交渉を開始したと明らかにした。臨床試験の実施に向けて、ワクチンメーカーとすでに合意していると言明。しかしどのワクチンを調達するかについては、明言を避けた。
(マレー・メイル、フリー・マレーシア・トゥデー、9月24、26日)

新型コロナの感染者数は1万959人、2カ月ぶりに1万人台に

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は27日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数は1万959人だったと発表した。7月16日以来初めて1万1,000人を下回り、1万人台となった。累計感染者数は220万9,194人となった。
州・地域別の感染者数はサラワクが最も多く2,723人だった。それに▽ジョホール(1,226人)▽セランゴール(979人)▽クランタン(983人)▽ペナン(793人)▽サバ(751人)▽パハン(739人)
▽ペラ(713人)▽トレンガヌ(691人)▽ケダ(660人)▽マラッカ(346人)▽クアラルンプール(KL、176人)▽ネグリ・センビラン(110人)▽ペルリス(51人)▽プトラジャヤ(18人)ーーが続いた。ラブアンのみゼロだった。
26日の感染者数のうち、83.1%が自宅、11.0%が低リスク者用隔離・治療センター(PKRC)、5.3%が医療機関、残り0.6%が集中治療室(ICU)で療養中。2万971人が回復し、累計治癒者は198万9,509人となり、死者数は278人で、累計で2万5,437人だった。アクティブ感染者は、前日から8,145人減少し、18万3,289人となった。
また同日は新たに12カ所のクラスターを確認。職場で6カ所、コミュニティで6カ所でクラスターが発生した。州・地域別ではセランゴールとジョホールがそれぞれ3カ所で最も多かった。