【クアラルンプール】 ヒンドゥー教徒の祝祭タイプーサムが18日、開催された。新型コロナウイルス「Covid-19」オミクロン株感染拡大の脅威を受け、混雑を避けるために少人数ずつの参加となり、金属製神輿「カバディ」を運ぶ苦行が禁止となるなど、標準運用手順(SOP)を守った静かなものとなっている。
12日にハリマー・モハメド国民統合相により発表されたSOPに基づき、パアル・クーダム(ミルクを捧げる行列)、祈祷、戦車の行列のみが許可された。タイプーサムに参加したヒンドゥー教徒は、マレー・メイルの取材に対し、例年の混雑を避けることができ、短時間でお祈りを済ませることができたなどの好意的な感想を寄せたが、カバディの禁止や子供連れでの参拝ができないことについて残念がる声もあったという。
M.サラヴァナン人的資源相は、タイプーサムのSOPについて、インド人コミュニティから不満を訴えるメッセージを多く受け取っているとし、政府はインド人からの信頼を失っていると注意を喚起する一方、インド人コミュニティは、SOPに満足していないものの決められたルールを守ることでその成熟度を示していると強調した。
タイプーサムはヒンドゥー教のムルガン神を称える南インド発祥の祝祭で、タミル暦の第10月(1月-2月)の満月の日に全国のヒンドゥー教寺院で毎年開催されている。最大規模で行なわれるのは首都圏で、クアラルンプールから郊外バトゥケイブまでの約15キロメートルを信者たちが行進する。
(マレーメイル、フリー・マレーシア・トゥデー、ザ・ヴァイブス・ドットコム、1月18日)