エコノミストは顕著な経済回復を予想、リスクは感染への対応

【クアラルンプール】 移動制限の緩和、ワクチン接種の進展を背景にエコノミストは今年の国内経済は顕著に改善すると予想しているが、新型コロナウイルスの感染状況にどう政府が対応するかに大きく左右されるとの見解も示した。
サンウェイ大学のイア・キムレン教授は、個人消費、投資、輸出の増加で国内総生産(GDP)は6%増加するとの予想を示した。
マレーシア科学技術大学のジェフリー・ウィリアムズ教授は「オミクロン株への過剰反応が懸念される。政府が行動制限を強化すれば経済にマイナスだ」と述べた。
ホンリョン・インベストメント・バンクは中央銀行による金利の「正常化」を予想しており、第4四半期に翌日物政策金利を2%に0.25ポイント引き上げるとみている。
変異株による感染拡大を理由に世界各地で行動制限が再導入されたが、今年も同様の措置がさらに施行されれば、世界経済の先行きは多難とエコノミストはみている。
(ザ・スター、ザ・サン、1月3日)

中国GACモーター、BセグメントSUV「GS3」を発売

【クアラルンプール】 中国の広州汽車集団(GACモーター)がマレーシア市場へ正式に参入し、第一弾モデルとしてBセグメントSUV「GS3」を12月28日発売した。
「GS3」は完全輸入車(CBU)で、「スタンダード」と「プレミアム」の2バリアントを用意。価格はそれぞれ8万8,800リンギ、9万6,800リンギから(保険料なし、6月30日までの売上・サービス税の減税適用価格)。5年間(15万キロメートルまで)の保証および3年間(10万キロメートルまで)の5回の無料修理サービスが付く。
いずれのモデルも、1.5リッター自然吸気4気筒ガソリンエンジンを搭載し、最高出力114PS/6,000rpm、最大トルク150Nm/4,500rpmを発揮。燃費は新欧州ドライビング・サイクル(NEDC)基準で6.9リットル/100キロメートルを達成している。車体カラーは5色。
「GS3」の販売およびアフターセールスは、2021年11月30日にGACモーターと独占販売契約を締結したワリサンTCホールディングスの子会社であるワリサン・タンチョン・オートモティフ(WTCA)が行う。クアラルンプールにあるGACショールームで「GS3」が展示されている。WTCAは、将来的には首都圏クランバレー以外の地域にもショールームを設置する予定だ。
(ポールタン、12月29日、28日)

オミクロン株拡大の懸念、2度の追加接種も検討へ

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 マレーシアで新型コロナウイルス「Covid-19」の全国の基本再生産数(R0)が1.0に迫っており、カイリー・ジャマルディン保健相は感染力がより強いオミクロン株が国内で広がっている可能性があるとして注意を呼び掛けた。
R0は感染者1人が何人に感染を広げる可能性があるかを示す指数で、1月1日時点で0.99まで上昇した。新規感染者数は12月26日以降上昇傾向をみせており、12月31日時点でオミクロン株の感染者は64人に達している。うち63人が海外からの入国者だが、残る1人については市中感染が疑われている。
カイリー保健相は、「デルタ株に比べて悪性でないとの指摘もあるが、感染力が強いため感染者が増えればそれだけ入院患者が増加し、集中治療室(ICU)の稼働率が高まるため医療崩壊の恐れがある」と指摘。追加接種の対象を拡大することやマスク着用の徹底、室内の換気、感染情報の共有や入国管理の強化で感染拡大を遅らせることができると述べた。

■2度の追加接種について検討を開始■
オミクロン株拡大の恐れが高まっていることを受け、カイリー保健相は、1、2度目にシノバック製ワクチンを接種した後に追加接種としてファイザー製を接種した人を対象とした2度目の追加接種の可能性について検討を始めたことを明らかにした。
米エール大学とドミニカ共和国保健省の研究者の発表を受けたもので、これらの接種者は他の株と比較してオミクロン株に対する免疫応答が低いことが分かった。従来型と比べて抗体レベルが6.3倍、デルタ株と比べても2.7倍低かったという。共同研究者の岩崎明子エール大教授は、2回の追加接種が必要となる可能性があるとしている。

日本はマレーシアへの投資に意欲的=高橋 新大使

【クアラルンプール】  昨年12月に着任した在マレーシア日本大使館の高橋克彦大使は、日本の投資家はマレーシアへの投資に意欲的であるとの見解を示した。

高橋大使はビデオ会見の中で、日本企業が新型コロナウイルス「Covid-19」の感染拡大に伴い低迷するマレーシアの経済回復や、2025年までの先進国入りに向けて貢献したいと考えていると言明。日本からの投資額は、2021年の年初9カ月が808億リンギで、2019年通年の752億リンギから増加したと明らかにした。マレーシアに進出する約1,500社の日系企業は47万人分の雇用を創出しており、今後さらに多くの雇用を提供すると予想。日本のサプライチェーンにとり重要なロジスティクスや電気・電子(E&E)産業、これまで日本企業が投資してきた石油、ゴム産業のみならず、日本企業は、再生可能エネルギーやデジタル技術、気候変動対策などへの新分野への投資も検討しているとし、具体的には、デンソー、トヨタ自動車、王子ホールディングス、太陽誘電、大和ハウス、パン・パシフィック・リテール・マネジメント、アルム、エネオスなどが投資を計画しているとした。
また高橋大使は、任期中により多くのマレーシア人を日本に迎え入れたいと言明。東京などの主要都市のみならず、地方訪問を促進したいと述べた。2022年はマレーシア政府がルックイースト(東方政策)を開始して40年という節目の年であるとして、今後も良好な二国間関係を強化し、人材育成などを通して、次世代に引き継いでいきたいと抱負を述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、12月29日)

新型コロナの感染者数は2690人、基本再生産数は0.99

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は3日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数は2,690人だったと発表した。累計感染者数は276万7,044人となった。
2日午後11時59分時点のワクチン接種完了者数は、2,561万7,720人で、接種率は78.4%だった。18歳以上の成人接種者数は2,286万910人で、接種率は97.7%。ブースター接種完了者は642万92,084人で、接種率は19.7%となった。1人の感染者が何人に感染を広げる可能性があるかを示す基本再生産数(R0/RT)は0.99で横ばい。1.00を上回る州・地域はジョホール州とクランタン州だった。
2日には3,291人が回復し、累計治癒者は269万2,216人。死者数は19人増え、累計で3万1,532人となった。アクティブ感染者は、前日から428人減少し4万606人。うち82.2%が自宅、8.5%が低リスク者用隔離・治療センター(PKRC)、8.5%が医療機関、0.7%が集中治療室(ICU)で療養中となっている。
また新たに1カ所のクラスターが発生。ジョホール州の教育機関で4人の感染を確認した。これまでに確認された6,134カ所となり、現在感染者を出し続けているアクティブなクラスター数は209カ所に減った。