政治安定化でリンギ安は収束へ=アナリスト予想

【ペタリンジャヤ】 アナリストは、国内政治のリスク低下および中国のゼロコロナ政策緩和の影響により、対米ドル相場でのリンギ安は収束すると予想している。

ブルームバーグ・インテリジェンスのチーフアジア為替・金利ストラテジストであるスティーブン・チウ氏は英字紙「ザ・スター」の取材に対し、10月の米消費者物価指数のデータによると、米インフレはピークに達し下落し始めた可能性があり、米連邦準備制度理事会(FRB)が近いうちに方向転換する可能性が高くなったと述べた。また、国内の政治環境がより明確になれば、リンギへの「追い風」になるとし、アジア通貨やリンギに対し米ドルは2023年に下落すると予想しているものの、世界経済の不確実性を考慮すると、2023年前半は一定の値幅内での動きになるとした。市場はFRBの利上げ低速化を織り込み済みで、来年5%付近でピークを迎え、その後来年末までに利下げに回帰すると予想しているが、利上げ幅の増加や利下げまでの期間が長期化する可能性もあるとした。チウ氏はまた、今年は台湾や韓国など、他のアジア通貨も対米ドルで下落しており、リンギだけが安くなったわけではないと強調した。

リンギは10月末時点では、1米ドル=4.747リンギ周辺で推移していたが、2日の終値では4.383リンギまで回復している。
(ザ・スター、12月3日)

大手書店の台湾「誠品生活」、KL中心部で17日オープン

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 台湾の大手書店チェーン「誠品生活」がクアラルンプール(KL)のブキ・ビンタンにある高級ショッピングモール「スターヒル」に17日オープンする。台湾以外では日本に次ぐ2カ国目、東南アジアでは初の出店となる。

「誠品生活KL」では、書店である「誠品書店」を中心に様々な文化的なコンテンツを紹介する。誠品書店では、スタッフが吟味した本を紹介するほか、店内にはリビングルームのような快適な読書空間を有し、ゆったりと読書を楽しめる。「見えない街」をテーマに4テーマの区間を設けており、色とどりのドレープが広がる「浮遊する街」では、伝統市場の演出により郷土料理やライフスタイルを紹介。全長60メートルの赤レンガの「アーチ型壁門」では、多言語の文学・人文科学の書籍を取り揃える。「きらめく街」では、文化的・創造的なデザインや地元の生活用品、「永遠の街」の回廊では、ファッショナブルでトレンディなデザインを紹介する。また、子ども向けエリアでは幅広い年齢層に対応し、児童図書のセレクション、ベストセラー・リスト、月ごとのテーマに基づく展示を行い、定期的に絵本の読み聞かせなどのイベントも開催する。オープンを記念し、絵本作家ジミーのマレーシア初となる特別展も実施する。

来年度予算は早くて1月に再提出=ラフィジ

【クアラルンプール】 2日に発足したアンワル・イブラヒム内閣で初入閣したラフィジ・ラムリ経済相は、2023年度予算案について、国会への再提出が早くても1月初めになる見通しであることを明らかにした。

ラフィジ氏は今月19、20日に開催される初国会でまずは報酬に関する予算を提出し、その後1―2カ月かけて完全な予算案を国会に提出することになると言明。現在詳細に部分に関して検討を行っているとしたが、内容については時期尚早だとして言及を避けた。

来年度予算案は10月7日に前イスマイル・サブリ政権より国会に提出されたが、本格的な審議が行われないまま国会が同月10日に解散となり宙に浮いていた。当時のテンク・ザフルル財務相は通産相に横すべりし、財務相ポストはアンワル首相が兼任している。

またラフィジ氏は、経済相としてマレーシアを高所得国家にすることに注力していくと強調。成長が遅れ貧困者が多い州に重点を置き産業振興に力を入れていくとし、テクノロジーや知識経済だけでなく、持続可能な開発目標にも焦点を当てる必要があると述べた。その上で経済政策の見直しについては、向こう数週間から数カ月内に情報を公開していく考えを示した。

(エッジ、ベルナマ通信、12月5日)

プロドゥア、年初11カ月の販売台数が通年目標超える

【ラワン=マレーシアBIZナビ】 ダイハツ系プルサハアン・オトモビル・クドゥア(プロドゥア)は2日、1ー11月の販売台数が25万795台となり、今年通年の販売目標である24万7,800台を超えたと明らかにした。

11月の販売台数は2万8,592台で、前年比40.9%、前月比で10.6%共に増加し、過去最多となった。最も売れたのはAセグメント・セダン「ベザ」で、8,089台。それにBセグメント「マイヴィ」(販売台数6,624台)、Aセグメント「アジア」(同5,812台)が続いた。同月の生産台数は過去最多となる2万9,149台で、年初11カ月では25万8,960台となった。

ザイナル・アビディン社長兼最高経営責任者(CEO)は、同社が持つリソースを最大化する能力があること、新たに工場や製造拠点を追加することなく、販売および生産台数を増加することができるということが認識できたとコメント。また、売上・サービス税(SST)の減免措置対象となる6月末までに受け付けた予約分を来年3月31日までに全ての顧客により早く納車できるよう今後も努め、販売および生産好調の勢いを継続させることを目指すとした。

新型コロナの感染者数は1502人、累計で500万人超える

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省の総合情報提供サイト「KKMNOW」によると、4日の新型コロナウイルス「Covid-19」感染症の新規感染者数は1,502人となり、累計感染者数は500万332人となった。
新たに2,093人が回復し、累計治癒者は494万1,114人。死者数は3人で、累計は3万6,713人となった。アクティブ感染者は、前日から594人減の2万2,505人。うち92.8%が自宅、6.7%が医療機関、0.5%が集中治療室(ICU)で療養中となっている。病床使用率は79.6%、ICU病床使用率は65.5%、人工呼吸器使用率は37.6%となった。
同日午後11時59分時点のワクチン接種完了者数は2,752万7,055人となり、接種率は84.3%。1回目のブースター接種完了者は1,626万7,334人で、接種率は49.8%、2回目が59万3,924人となり、1.8%だった。