5Gネットワーク、DNBの単独運営に決定

【プトラジャヤ】 テンク・ザフルル財務相とアヌアル・ムサ通信マルチメディア相は16日、共同記者会見を行ない、第5世代移動通信(5G)ネットワークの運営について、国策会社デジタル・ナショナル(DNB)が単独で5Gネットワークを所有・運営する1社独占方式(単独卸売制ネットワーク、SWN)に決定したと発表した。
移動体通信大手4社がDNB1社独占について反対し、通信事業者の連合体がDNBとともにネットワークを所有・運営する2社方式を政府に提案していた。
ザフルル財務相によると、5Gネットワーク導入を迅速化することがねらい。関係者との協議を行ない、2社方式を含む各種方式を検討したが、SWNが最適だという結論に至ったという。過去に3G、4Gの普及が8ー9年かかったことへの反省が背景にあると見られる。
DNBについては、政府が30%株式を保有し、70%を通信事業者が保有する。6月末までに各通信事業者への株式売却交渉を完了させる。DNBは他の通信事業者と同様に、マレーシア通信マルチメディア委員会(MCMC)や通信・マルチメディア省の監督下に置かれることになる。DNBから各通信事業者への5G卸売価格は1ギガバイト(GB)あたり2セン未満に抑える。
政府は、今後3年以内に5Gの人口カバー率を80%にすることを目標として掲げている。昨年12月、財務省は、ネットワーク・ハードウェアやインフラを含む5Gの総コストを125億リンギと推定した。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、3月17日、フリー・マレーシア・トゥデー、エッジ、ベルナマ通信、3月16日)

MH17便墜落、蘭・豪の対ロ責任追及にマレーシアも参加

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 2014年にマレーシア航空機がウクライナ上空で撃墜された事件で、豪州とオランダの両政府がロシアの法的責任を問う方針を明らかにしたことを受け、ウィー・カション運輸相は、マレーシア政府も国際民間航空機関(ICAO)の審議に参加すると発表した。
ウィー氏は審議への参加は国際民間航空条約(シカゴ条約)に基づいたものだとした上で、事件の責任者に対する責任を問う国際法の下で行われる司法手続きにコミットすると述べた。
同事件は7月17日にオランダ・アムステルダムからマレーシア・クアラルンプール(KL)に向かって飛行中の「MH17便」がウクライナで地対空ミサイルの攻撃を受けて墜落。乗客乗員298人全員死亡したというもの。
ウクライナ側はロシアの支援を受けた親ロシア分離主義組織の犯行、ロシア側はウクライナ軍の犯行と互いに主張。親ロシアの支配地域であったことから調査は難航したが、最も被害者数が多かったオランダが主導する合同調査団(JIT)は2018年、ロシア供与のミサイル攻撃によるものと結論付けた。
オランダやマレーシアが国際裁判所の設置を国連で提案したが、ロシアが拒否。オランダ検察は独自に事件の責任者と特定したロシア軍人など4人を殺人罪で起訴する一方、オランダ政府はロシアを欧州人権裁判所にかけると宣言。さらにオランダに次いで被害者が多かった豪州と共にロシアの責任を問う訴えを起こすと発表していた。

2月の自動車販売、前月比で8%増に

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 マレーシア自動車協会(MAA)の発表によると、会員企業による2022年2月の自動車販売台数は4万3,722台となり、前年同月比で0.6%の増加となった。前月比では8%増となった。

2月の販売は乗用車が3万8,823台で前年同月比0.7%増、商用車は4,899台で同0.1%増となった。生産台数は前年同月比13.5%増の5万1,291台となった。乗用車は14.9%増の4万7,445台、商用車は1.3%減の3,846台だった。

MAAは2月の販売台数が前月比で8%増となったことについて、自動車各社が予約待ちの納車をスピードアップしたことが要因となったと分析。3月については、同月締め年度末に向けて自動車各社が販売を強化していること▽営業日数が多いことーーにより2月実績を上回ると予想している。

なお1―2月の販売台数は8万4,303台で、前年同期比9.7%増となった。乗用車は6.6%増の7万2,491台、商用車は33.2%増の1万1,812台だった。生産台数は11.1%増の9万4,252台となった。

在馬大使館が草の根協力、食糧支援NGOと契約

【クアラルンプール】 在マレーシア日本国大使館は15日、草の根・人間の安全保障無償資金協力を通じて、余剰食材などを配布するための車両の購入支援をするため、非政府組織(NGO)の食料支援基金(FAF)との間で贈与契約を交わした。
支援額はおよそ15万リンギ。FAFは5年前より、余剰食材や調理済みの食事を首都圏クランバレーの低所得層(B40)のコミュニティに配布しており、全国規模でも浸水被害の犠牲者や新型コロナウイルス「Covid-19」の感染者に対して食料を配布して来た。今回の贈与契約の下で車両が手に入ることで、より効率的かつ高頻度に食料配布ができるようになる。
髙橋克彦大使は、草の根・人間の安全保障無償資金協力プログラムは日本がマレーシアの国造りを支援する方法の一つであると述べた。ルックイースト(東方)政策が今年40周年を迎えることにも触れ、マレーシアと日本は戦略的パートナーであり、今後もマレーシアを支援すると表明。草の根プログラムによる支援により、マレーシアへ利益をもたらすことができると期待しているとした。

草の根プログラムは1989年から実施されており、日本はこれまで154件のプロジェクトに1,870万リンギを支援した。
(マレーシアン・リザーブ、3月16日)

新型コロナの感染者数は2万8298人、累計で390万人超える

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は、16日の新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数は2万8,298人だったと発表した。累計感染者数は390万433人となった。
新たに1,743人が入院。うちカテゴリー1(無症状)、カテゴリー2(軽度の症状)が1,000人、重症患者とされるカテゴリー3(肺炎の症状)、カテゴリー4(酸素吸入が必要)、カテゴリー5(人工呼吸器を装着する必要)は743人だった。
新たに3万3,009人が回復し、累計治癒者は356万7,003人となった。死者数は105人で、累計は3万4,099人。アクティブ感染者は、前日から4,816人減って29万9,331人となった。うち96.6%が自宅、0.7%が低リスク者用隔離・治療センター(PKRC)、2.6%が医療機関、0.1%が集中治療室(ICU)で療養中となっている。病床使用率は68.8%に下降した。
同日午後11時59分時点のワクチン接種完了者数は、2,577万9,848人で、接種率は78.9%だった。ブースター接種完了者は1,539万3,296人で、接種率は47.1%に上昇した。
1人の感染者が何人に感染を広げる可能性があるかを示す基本再生産数(R0/RT)は0.96に上昇。サバ州、ラブアン、ペルリス州、クランタン州、ケダ州以外の州・地域で1.00を上回った。
また新たに6カ所のクラスターを確認。クアラルンプールで3カ所、ペナン州、ジョホール州、ネグリ・センビラン州でそれぞれ1カ所で発生した。現在感染者を出し続けているアクティブなクラスター数は346カ所に減った。

マレーシア人訪日者数、2月は38.9%増の100人

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 日本政府観光局(JNTO)が発表した2022年2月の訪日者数統計によると、マレーシアからの訪日者数は100人だった。2021年比38.9%増加したが、前月(200人)からは半減した。
JNTOによると、新型コロナウイルス「Covid-19」感染症の拡大により、マレーシアは日本政府による上陸拒否、検疫強化(検査・待機等)、査証の効力停止の対象となっている。 またマレーシア政府も日本への出国禁止措置を継続しているものの、ワクチン接種完了者の日本への渡航が許可されている。マレーシア人の日本からの入国については、陰性証明の提出と入国時のPCR検査、政府指定施設での10日間の隔離および隔離施設退出2日前のPCR検査受検が義務付けられている。ワクチン接種完了者は、隔離期間が7日間(ブースター接種者は5日間)に短縮され、条件を満たせば自宅隔離が可能だ。なお、日本への直行便は、2022年3月も引き続き大幅な運休・減便となっている。
1ー2月のマレーシアからの訪日者数は、前年同期比4.5%マイナスの300人となった。
一方で、2月の世界全体の訪日者数は、前年同月比2.3倍1万6,700人。年初2カ月では同比36.0%減の3万4,500人となった。
JNTOは、日本において、2022年3月より観光目的以外の新規入国が一定条件下で再開されたが、観光目的の入国が引き続き認められない状況が継続しているとし、今後については、各国の感染状況や出入国規制の変化等に加え、ウクライナ情勢の動向にも十分注視していくことが必要だとした。

MRT3号線は30年に運行開始、KLで渋滞税の導入を検討

【クアラルンプール】 ウィー・カション運輸相は15日、下院議会の答弁で、首都圏大量高速輸送(MRT)3号線が2030年に全面運行を開始した後に、クアラルンプール(KL)市内の渋滞緩和を目的として道路課金を導入することを検討していると明らかにした。
ウィー大臣は、導入には、MRT3号線の全面運行と、市内において「完全な公共交通ネットワーク」が整備されていることが前提だと説明した。環境保護にも繋がることから、電気自動車(EV)への課金は免除する可能性があると言明。その上で、渋滞緩和のための課金は、世界の主要都市で導入されているものであると強調した。
MRT3号線は、全長51キロメートルの環状線で、MRT1号線やMRT2号線、軽量鉄道(LRT)、モノレールなど路線にも接続される。マハティール・モハマド政権時に大規模事業の見直しが行われ、計画は一時棚上げされたが、今年3月4日に内閣から承認を得た。第1期は2028年に運行を開始する。200万人の利用が見込まれている。
(ザ・スター、ニュー・ストレーツ・タイムズ、3月16日、ベルナマ通信、フリー・マレーシア・トゥデー、3月15日)

中国での都市封鎖、マレーシア製造業にも影響の恐れ

【クアラルンプール】 中国で新型コロナウイルス「Covid-19」オミクロン株の感染が拡大していることから同国の「ゼロ・コロナ」政策に基づく都市封鎖によってサプライチェーンが影響を受ける懸念が高まっており、電子・電気(E&E)業界を中心に中国への依存低減及びリスク分散戦略が求められている。
中国では「アジアのシリコンバレー」である深センでは新型コロナ感染者の拡大を受けて13日にロックダウンが発表された。マレーシアのE&E企業は中国への部品依存が高く、供給リスクが高まる懸念が指摘されている。中国はマレーシアにとって最大の輸入元であり、2021年通年は総輸入額の23.2%、額にして2,290億リンギに上った。
Amバンクの主任エコノミスト、アンソニー・ダス氏は、中国がすぐに新型コロナ政策を打ち切る可能性は低く、感染拡大を受けてより多くの都市が封鎖される可能性があると指摘。短期的には対応可能でも、長期に及んだ場合にはマレーシアの製造業者にとって深刻な影響がでるとし、調達品の代替購入先を見つけるかまたは独自製造を開始する必要があると指摘した。
バンク・イスラム・マレーシアの主任エコノミスト、モハマド・アフザニザム氏は、中国経済がグローバルサプライチェーンと高度に統合されていることを考えると、配送プロセスの一時的な中断による影響が広がるだろうと指摘。マレーシアにとって正しい戦略は、集中リスクが発生しないように国際貿易パートナーの多様化を追求することだとした。
インターパシフィック・セキュリティーズのリサーチ長、ビクター・ワン氏は、中国と直接取引を行っていなくても深センの都市封鎖の影響を受ける可能性があると指摘。「他国から輸出された部品はマレーシアで加工・組立られて付加価値が付けられるが、そうした部品の一部は中国からのものである可能性が高い。こうした場合、中国での都市封鎖の影響をマレーシアの製造業者も受けるだろう」と述べた。
(ザ・スター、3月16日)

在馬邦人対象の安全対策ウェブセミナー、外務省が開催へ

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 外務省はマレーシア在留邦人を対象として、オンラインでの「安全対策ウェブセミナー」を開催する。医療関係専門家や危機管理専門家による講演を配信する予定だ。参加費は無料。
新型コロナウイルス「Covid-19」感染拡大など、海外リスクに対する意識を抜本的に見直す必要性が高まっていることから、テロ・誘拐・感染症対策等で豊富な経験を有する危機管理専門家等とともに、リスクに応じた安全対策に関するセミナーを配信することを決めた

配信期間は3月17日から31日までとなり、全体で1時間30分程度。「GoToWebinar」を使用したストリーミング配信で、配信期間内であればいつでも何度でも視聴が可能。専用アプリのダウンロードは不要。17日午前9時 (日本時間)以降に外務省ホームページに設置されるリンクから必要事項を登録することで受講が可能となる。
 在マレーシア日本国大使館は、日本人の海外進出が進み、企業関係者の活動地域が広がる中、日本人がテロをはじめとする凶悪な事件や、感染症、一般犯罪、事故・災害、社会運動等の危機・混乱に遭遇する危険性が高まっているため、海外における様々な不測の事態を想定し、安全を確保することが重要な課題となっているとしている。

新型コロナの感染者数は2万6534人、病床使用率は68.9%

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は、15日の新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数は2万6,534人だったと発表した。累計感染者数は387万2,135人となった。
新たに1,782人が入院。うちカテゴリー1(無症状)、カテゴリー2(軽度の症状)が1,076人、重症患者とされるカテゴリー3(肺炎の症状)、カテゴリー4(酸素吸入が必要)、カテゴリー5(人工呼吸器を装着する必要)は706人だった。
新たに3万1,234人が回復し、累計治癒者は353万3,994人となった。死者数は95人で、累計は3万3,994人。アクティブ感染者は、前日から4,795人減って30万4,147人となった。うち96.5%が自宅、0.7%が低リスク者用隔離・治療センター(PKRC)、2.7%が医療機関、0.2%が集中治療室(ICU)で療養中となっている。病床使用率は68.9%に上昇した。
同日午後11時59分時点のワクチン接種完了者数は、2,577万6,961人で、接種率は78.9%だった。ブースター接種完了者は1,535万7,069人で、接種率は47.0%に上昇した。
1人の感染者が何人に感染を広げる可能性があるかを示す基本再生産数(R0/RT)は0.95に下降。サバ州、ラブアン、ペルリス州、クランタン州以外の州・地域で1.00を上回った。
また新たに4カ所のクラスターを確認。セランゴール州では職場、ペラ州とプトラジャヤでは教育機関、ペナン州では重症化するリスクが高いグループで発生した。現在感染者を出し続けているアクティブなクラスター数は366カ所に減った。