【クアラルンプール】 世界銀行(WB)は、最新の経済見通しリポートの中で、マレーシアの今年の国内総生産(GDP) 成長率について4%に減速するとの予想を示した。

世銀は2022年に経済が大きく回復したものの主要市場向け輸出の伸びが鈍化しているため、今年はフィリピン(5.4%)、ベトナム(6.3%)と共にマレーシアの経済成長が4%に減速すると予想。インドネシアについては2024年にかけて4.9%成長と2022年によりわずかな減速にとどまると分析した。
世銀はまた、東アジア・太平洋 (EAP) 地域の経済成長率は2021年に大きく回復したものの2022年には推定で3.2%に減速し、従来予想を1.2ポイント下回ったと指摘。減速の主な要因はEAP全体の85%を占める中国の減速によるもので、昨年6月の予想を1.6ポイント下回る2.7%に急減速したが、中国を除く地域の経済成長率は前年の2倍以上となり、昨年6月の予想を0.8ポイント上回る平均5.6%となったとした。

その上で世銀は2023年について、新型コロナ関連の制限緩和により中国での経済活動が徐々に回復するとみられるためEAP全体で平均4.3%の堅調な成長を予想。ただ5%としていた昨年6月予想を下回っており、主な要因として新型コロナ関連の混乱と長期にわたる中国の不動産セクターの不振、域内全体におけるコモディティ輸出の伸びが予想を下回っていることを挙げた。
(エッジ、1月11日)