【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 ファンリード(本社・東京都豊島区)とエアロセンス(所在地・東京都文京区)は、マレーシアのサンウェイ大学とともに、APT(アジア・太平洋電気通信共同体)によるドローン/AI技術を活用したマングローブ分布/生育マップ作成技術実証の「ICTパイロットプロジェクト2022」(カテゴリー2)に共同提案し、2022年末に採択された。

エアロセンスが16日に発表した声明によると、同プロジェクトは、1月から11月にかけて実施する。マレーシアでは、2004年スマトラ沖大地震の際、マレー半島部海岸のマングローブ林が保全されていた地域で津波被害が軽減されたことから、2005年以降政府と州政府によるマングローブ保全への取り組みが行われていた。「国際共同研究プログラム2021」における実証実験(カテゴリー1)では、サラワク州ラジャン・マングローブ国立公園において実証を行い、沿岸部に集中的に生息する重要なバカウ種の分布状況をAI技術により約90%の精度の検出に成功している。一方で、社会実装に向けては、マルチコプター型ドローンの限定的な観測範囲/4KRGBカメラのスペクトル分析能力不足の課題が識別され、今般それらの解決に向けた提案を行ったことにより「ICTパイロットプロジェクト2022」(カテゴリー2)の採択に至った。

ファンリードとエアロセンスは、2021年1ー3月にJETROクアラルンプール事務所主催「DXアクセラレーションプログラム(マレーシア)」に採択され、事業参加を契機にサンウェイ大学との交流を開始。今後は、サンウェイ大学とともにプロジェクト終了後の事業化に向け、SFCによるマングローブ保全事業等への参画と、政府機関や地域コミュニティ等に対し、マングローブの保全および生態系の維持に必要なデータの提供を続けることで、サラワク州におけるビジネスの展開を目指していく方針だ。