【クアラルンプール】 アミル・ハムザ第2財務相は19日、政府にドル・ペッグ制を導入する計画はないと明言した。上院審議でファトミ・チェ・サレー議員の質問に答えた。

ドル・ペッグ制は自国通貨と米ドルの通貨レートを一定に保つ固定相場制で、1998年のアジア通貨危機に際しマハティール政権(当時)が導入し、金融危機に対処した。

アミル・ハムザ氏によると、固定相場制が導入された1998年頃の経済状況は現在とは異なる。株式市場は当時、76%暴落したが、今年の株価は6%上昇している。対外債務は当時、国内総生産(GDP)比で16%以上あったが、現在は1-2%程度。また中央銀行の準備金も現在は1,140億リンギと、当時(260億リンギ)を大きく上回っている。このため政府としてあわてて反応的行動をとる必要を認めないという。

しかし政府はリンギ相場には敏感で、対処を怠ることはないとした。
(マレーシアン・リザーブ、フリー・マレーシア・トゥデー、3月19日)