RON95補助金合理化の実施を延期=ファーミ通信相

【クアラルンプール】 ファーミ・ファジル通信相は、今年下半期にも実施が見込まれていたレギュラーガソリン「RON95」の補助金合理化を延期し、更なる微調整を行うと述べた。

ファーミ氏は実施延期の理由について、アンワル・イブラヒム首相が国民の大半に負担がかかることを望んでいないためだと強調。「微調整のプロセスによって、スケジュールが若干変更された」と述べた。これまでの政策は国民に不必要な困難をもたらさないよう実施前に微調整されており、ディーゼル補助金の合理化などの措置の実施を通じて、補助金支給メカニズムを再検討する必要があると判断したという。

ファーミ氏は、影響を最小限に抑えるという精神に基づき、売上・サービス税(SST)の適用範囲拡大についても、発表後にさらなる見直しが行われたと指摘し、RON95を対象とした補助金など、まだ実施されていない政策にもそうしたアプローチが適用されると述べた。

「RON95」の補助金合理化については、先ごろアミル・ハムザ・アジザン第2財務相が年内に実施すると述べていた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、マレー・メイル、エッジ、7月21日)

パナソニック、空気清浄機能を組み合わせた最新エアコン発表

【クアラルンプール】 パナソニック・マレーシアは15日、高性能の空気清浄機能を組み合わせた2in1の次世代エアコン「Xプレミアム・インバーターシリーズ」を発表した。

新シリーズは、強力な冷却機能に加え、パナソニック独自のクリーンテクノロジー「ナノイーX」の最新技術を搭載し、有害物質を除去する「OHラジカル」を毎秒48兆個、空気中に放出。消臭や、花粉やカビなどの微粒子ダスト対策、優れた除菌効果に加え、肌と髪の保湿効果も期待できるという。

スマートセンサーが24時間体制で空気の質をモニタリングするだけでなく、オンデマンド内部クリーニング機能で、細菌などを最大99%抑制し、ユニットの清潔さと耐久性を向上させる。一方で、省エネにも配慮され、非インバーターモデルと比較して最大58%の電力消費量を削減するように設計されている。

ヘイズ(煙害)の悪化なども懸念されていることから、パナソニック・エアコンディショニング・マレーシアの西大 最高執行責任者(COO)は「空気の質は健康を守る上で重要な役割を果たすもので、家庭の快適性を再定義する商品。マレーシアの研究開発センターを通じ、現地の家庭のニーズに迅速に対応したソリューションを提供することに今後も尽力していく」としている。小売価格は2,801リンギから。10月31日まで特別消費者キャンペーンも実施されている。
(ビジネス・トゥデー、7月19日、ザ・サン、7月16日、発表資料)

ジェトロ、ショッピー通じ日本企業のデジタルマーケティング支援

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 日本貿易振興機構(ジェトロ)クアラルンプール(KL)事務所は、ECサイト大手、ショッピー・マレーシア(Shopee.com.my)に出品している日本企業を対象に、ショッピー内外のターゲティング広告を通じたデジタルマーケティングの販売促進支援事業を実施すると発表した。

ソフトバンクのマレーシア現地法人であるSTデジタル・ソリューションズ・マレーシアへの業務委託で行うもので、9月上旬から2026年3月31日にかけて実施する。

昨年実施した実証事業を踏まえて日本企業の支援に必要な3つのカテゴリーに特化したデジタルマーケティング支援プログラムを組成する。3つの課題と支援カテゴリーは▽ターゲティングと認知度向上▽マーケット醸成と購入転換▽広告費用対効果改善とリピート獲得――。

参加企業は自社の課題を定義して、その課題を解決するためのショートプログラムへの参加を通してマレーシアのEC活用に必要なデジタルマーケティングに取り組む。参加企業は8月下旬に決定する予定。

2024年度にショッピーのサイト内外で実施したターゲティング広告等を通じたデジタルマーケティング実証事業では、マレーシアでECに取り組む日本企業の成功モデルとパフォーマンスを改善するための課題が明確になったという。

ペナンのLRTムティアラ線に工事開始許可、23日から土木工事

【ジョージタウン】 財務省傘下の鉄道資産保有会社、MRTコーポレーションはSRSコンソーシアムに、ペナン島における初の軽便鉄道(LRT)ムティアラ線第1期の工事開始を許可した。SRSは23日から土木工事に着手する。

ムティアラ線は、国際空港に近い人工島から東海岸沿いにジョージタウンを経て、海峡を越え、本島側バタワースに至る全長29.5キロメートルの軌道交通で、駅舎数は21。第1期は24キロメートルで、人工島からジョージタウンまで。土木工事では道路拡幅、杭打ち、公益設備の移転などが行われる。本格工事は2026年後半から。

SRSはガムダが60%、ロー・フォイエン・ホールディングスと不動産開発のアイデアル・プロパティ・デベロップメントがそれぞれ20%、出資する連合体。

MRTはMMSBコンサルトをプロジェクトコンサルタントに指名したことも発表した。設計から運行、整備まで事業全体の安全性、法令順守をチェックする。

海峡を渡って本土側と結ぶ第2期は現在、入札が行われている。
(フリー・マレーシア・トゥデー、マレー・メイル、マレーシアン・リザーブ、7月17日)

6月のマレーシア人訪日者数、前年同月比27.5%増の2.81万人

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 日本政府観光局(JNTO)が発表した2025年6月の訪日者数統計(推計値)によると、マレーシアからの訪日者数は2万8,100人となり、前年同月比で27.5%増となった。

査証免除措置による訪中旅行への人気の高まりなどがあるものの、祝日やスクールホリデー、マレーシア・リンギ高などの影響もあり、訪日外客数は前年同月を上回った。1―6月の累計では32万3,900人となり、前年同期比で34.0%の大幅増となった。

6月の世界全体の訪日者数は、前年同月比7.6%増の337万7,800人。6月としては過去最高を記録した。1―6月の累計では2,151万8,100人となり、前年同期比21.0%増となった。

5月と同様に夏休みシーズン前となり、訪日需要が比較的落ち着く時期であるものの、多くの市場でスクールホリデーに合わせた訪日需要の高まりがみられたことなどにより、東アジアでは中国、韓国、東南アジアではシンガポール、インド、欧米豪では米国、ドイツを中心に訪日外客数が増加したことが全体の押し上げ要因となった。

リーガル、ららぽーとBBCC店を11日にオープン

【クアラルンプール】 靴の製造販売を手掛けるリーガルコーポレーション(本社・千葉県浦安市)は、クアラルンプール(KL)市内に「ららぽーと・ブキビンタン・シティーセンター(BBCC)店」を7月11日にオープンしたと発表した。

店舗の場所は「ららぽーとBBCC」の地階。男性用及び婦人用のリーガル製シューズを取り扱う。営業時間は午前10時から午後10時までとなっている。

【従業員の勤労意欲を高めるために】第904回:中小企業の両利き経営(7)両利きとグリーンイノベーション、持続可能性

第904回:中小企業の両利き経営(7)両利きとグリーンイノベーション、持続可能性

前回は、内部リソースの不足を克服して両利きになるために、中小企業は外部リソースに依存するオープンイノベーションを採用する必要があること、しかし、オープンイノベーションはしばしばオーケストレーションを伴うため、短期的には中小企業にとってコストがかかる可能性があることを述べました。今回は、グリーンイノベーション(炭素排出量を減らすなどの環境に良いイノベーション)についてです。

ポルトガルの中小企業336社を対象とした研究は、両利きが持続可能性にプラスの影響を与え、それが新製品の成功とグリーンイノベーションにプラスの影響を与えることを示しました。同様に、中国に本社を置く多国籍企業300社を対象とした研究では、両利きは、経済、環境、社会の持続可能性にプラスの影響を与えることが示されました。

深化によるイノベーションは、企業が持つ従来の技術を活用したものであり、既存のインフラ設備の下で、多額の投資をすることなく実現できます。主に、既存のプロセスと製品を改善して効率を上げます。一方、探索によるイノベーションは、従来とは大きく異なる、より優れた方法を用いて、様々な技術を探求します。設計の改善を伴い、企業のインフラに大きな変更を加えずには実現できないため、十分な投資が必要です。不確実性を伴うものの、長期的には成果をもたらします。探索と活用が共存する例としては、燃料電池技術(エコ効率)とハイブリッド技術(エコデザイン)に基づく燃料電池システムがあります。

しかし、グリーンイノベーションの導入には、オープンイノベーションと同様にコストがかかります。どのようにすれば克服できるでしょうか。次回に続きます。

 

Kokubun, K. (2025). Digitalization, Open Innovation, Ambidexterity, and Green Innovation in Small and Medium-Sized Enterprises: A Narrative Review and New Perspectives. Preprints. https://doi.org/10.20944/preprints202504.0009.v1

國分圭介(こくぶん・けいすけ)
京都大学経営管理大学院特定准教授、機械振興協会経済研究所特任フェロー、東京大学博士(農学)、専門社会調査士。アジアで10年以上に亘って日系企業で働く現地従業員向けの意識調査を行った経験を活かし、組織のあり方についての研究に従事している。この記事のお問い合わせは、kokubun.keisuke.6x★kyoto-u.jp(★を@に変更ください)

米国の相互関税、「国内の自動車価格上昇に繋がる」=業界

【クアラルンプール】 マレーシア自動車協会(MAA)のモハマド・シャムソル会長は、米国がマレーシア製品に25%の関税を課す方針を打ち出したことについて、ただちに影響は出ないものの間接的に影響を及ぼし、最終的に国内の自動車価格上昇につながる恐れがあると述べた。

上半期のMAA業績発表会に出席したシャムソル氏は、マレーシアの米国への完成車輸出はごくわずかで、 2024年にはわずか約14万2,000米ドル(60万3,000リンギ)にとどまるとした上で、真の懸念材料は1億米ドル(約4億2,500万リンギ)相当の自動車部品・アクセサリーの輸出にあると述べた。自動車部品やアクセサリーは鉄道を除く米国向け自動車関連輸出全体の約80%を占めるという。

関税引き上げの影響を受ける国からマレーシアに輸入される完全現地組立(CKD)部品の価格が上昇する可能性がある。またマレーシアの自動車部品サプライヤーは米国からの受注が減少し、国内での生産コストの上昇につながる可能性がある。これらのコスト上昇は最終的にマレーシアの消費者に転嫁され、国内の自動車価格上昇につながる可能性があるという。

シャムソル氏は、「まだ影響は感じられないが、おそらく6カ月後には感じられるだろう」と述べた。
(ザ・サン電子版、ポールタン、7月16日)

米ボーイングがKLに新オフィスを開設、重要拠点と位置づけ

【クアラルンプール】 航空機大手の米ボーイングは16日、クアラルンプール(KL)に新オフィスを開設した。

新オフィス開設について、同社は「アジア太平洋地域最大級の航空市場を有するマレーシアにおいて、顧客サポート、航空安全、持続可能性、そしてサプライチェーンへの取り組みを推進するための重要な拠点になる」と説明している。
開設式典には、リュー・チントン副投資貿易産業相らが出席。マレーシアが掲げる「航空宇宙ブループリント2030」推進におけるボーイングの継続的な支援に感謝の意を表明した。

同社は新オフィス以外に、クアラルンプール新国際空港のサービスオフィスや、東南アジア初となる完全子会社のボーイング・コンポジッツ・マレーシアを通じ、航空機モデル向け複合材部品工場をケダ州で運営している。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ビジネス・トゥデー、7月16日、ボーイング発表資料)

3COINS、マレーシア初店舗を8月16日にKLに開業

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 パルグループホールディングス(本社・大阪市中央区)は16日、クアラルンプール(KL)の三井ショッピングパークららぽーとブキッ・ビンタンシティセンター(ららぽーとBBCC)に生活雑貨を扱う「3COINS」(スリーコインズ)のマレーシア1号店を8月16日に開業すると発表した。

「3COINSららぽーとBBCC店」は売り場面積約129坪で、生活雑貨・服飾雑貨を主に扱う。営業時間は10ー22時。

3COINSは300円雑貨を中心にした品揃えで若い女性らに人気で、国内に359店舗(7月16日現在)を構えている。近年は食品を扱う店舗や、男性向けの店舗を増やしたり、今月は香港にも初出店するなど新たな展開を加速させている。