今年2回の訪日で投資296億リンギ、輸出28億リンギを確保

【クアラルンプール】 投資貿易産業省(MITI)は19日、今年2回行われた訪日投資ミッションで、潜在的投資296億リンギ、潜在的輸出28億リンギを確保したと発表した。6月にはテンク・ザフルル投資貿易産業相が率いる貿易・投資促進使節団が、今月15日からはアンワル・イブラヒム首相やザフルル大臣が日本を訪問していた。

MITIは声明で、12月の訪日では外国直接投資(FDI)66億リンギ、潜在的輸出7億リンギを確保したと言明。アンワル・イブラヒム首相は日本企業25社との座談会やローム・ワコー、NEC、三井物産との個別会談を実施し、ザフルル大臣も、ミヨシ油脂、丸紅、ニチコン、伊藤忠商事と個別会談を行ったと述べた。

ザフルル大臣は、「新産業マスタープラン2030(NIMP2030)」が重点を置いている分野での投資を誘致できたとし、これらの投資が国内中小企業に多くのビジネスチャンスをもたらし、高所得の雇用機会を創出することを確信していると述べた。
(ザ・サン、ザ・スター、ニュー・ストレーツ・タイムズ、12月20日、エッジ、ベルナマ通信、12月19日)

ビレッジグローサー、KLに29店舗目をオープン

【クアラルンプール】 高級スーパーマーケットチェーン「ビレッジ・グローサー」は、クアラルンプールのキアラベイにある「ザ・ビート」に29号店をオープンした。

店舗面積は、スーパーマーケットが2万3,885平方フィート、売店が2万168平方フィートの合計4万4,053平方フィート。高品質な肉・魚などの生鮮食品や、独占輸入のブランド製品、オーガニック製品、鮮度を保つために空輸された世界中の珍味まで、食品を幅広く取り揃えている。また、豪スーパー大手のウールワースとの提携により、高品質で手頃な価格のウールワース商品も扱っている。キアラベイのコミュニティの利便性向上やライフスタイルの改善が期待されている。

「ザ・ビート」は、不動産開発のUEMサンライズ(UEMS)が開発した小売スペース。UEMSは、「ビレッジ・グローサー」の入居により、訪問者の小売体験が大幅に向上すると期待している。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、12月18日)

アジアの脱炭素化に向けたAZECの首脳会合を東京で開催

【東京】 岸田文雄首相は18日、日本ASEAN(東南アジア諸国連合)特別首脳会議の開催に合わせ、東京でアジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)首脳会合を開催した。

岸田首相は、「多様な道筋による、ネットゼロ」という共通目標の達成や、「脱炭素・経済成長・エネルギー安全保障」の同時実現の重要性について言明。その上で、次世代グリーントランスフォーメーション(GX)技術の開発や導入加速に向けた日本の取り組みに触れつつ、AZEC構想を通じて日本の技術や経験を共有していく意思を表明した。

具体的には、▽東アジア・アセアン経済研究センター(ERIA)に設立される「アジア・ゼロエミッションセンター」を通じた政策協調▽ゼロエミッション工業団地の形成などの協力案件を通じたグリーンサプライチェーンの構築▽「AZECを支援する賢人会議(AZECアドボカシーグループ)」による経済界同士の連携▽エネルギー移行ファイナンスの推進ーーなどを提案した。

同会合に参加したアンワル・イブラヒム首相は、「公正な移行」を確保しながらクリーン・エネルギーの課題と機会に取り組むには、特に資金、インセンティブ、技術、インフラなど幅広い支援が必要であるとし、マレーシアは日本やオーストラリアなどからの継続的な支援や協力を歓迎すると述べた。AZECが長期的なプラットフォームとして機能し、東南アジアにおける互恵的な協力を促進することを楽観視しているとしている。

AZECはゼロエミッションに向けカーボンニュートラルやエネルギー移行を推進するための協力枠組み。参加国は、▽日本▽マレーシア▽オーストラリア▽ブルネイ▽カンボジア▽インドネシア▽ラオス▽フィリピン▽シンガポール▽タイ▽ベトナムーー。日本は2030年までに最大80億米ドル(375億リンギ)の支援を行うことを約束している。
(エッジ、ベルナマ通信、12月18日、外務省発表資料)

マレーシア日本国際工科院、研究コンペ開催

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 国際協力機構(JICA)は、マレーシア日本国際工科院(MJIIT)が7日に、マレーシア日本人商工会議所(JACTIM)基金による、2023年度の研究コンペを実施したと発表した。

MJIITは毎年JACTIMから研究助成支援を受けている。2023年度の研究コンペでは、「持続的発展のためのスマート技術」をテーマとし、33件の応募を受け付けた。JACTIMから3名、マレーシア国内大学から3名の合計6名が外部評価員として参加し、選考を実施。選考会は、応募者が事前に作成した研究ポスターに基づき、評価者へ向けた研究目的やこれまでの成果を手短に発表する形式で行われた。

各カテゴリー(学部、修士、博士)で5人・チームが優秀賞として表彰され、バナジウム電池技術や磁気粘性グリースの高速機械への応用、都市部の洪水予測、A型インフルエンザの予測モデル、パルスレーザー技術、カボチャの皮を媒介するセレンナノ粒子など、多様なテーマが選ばれた。

また、MJIITの各講座(研究室)からの応募件数を考慮し、エンジニアリング材料・構造講座、都市環境風工学講座、化学エネルギー変換・応用講座の3つの講座が講座賞を受賞した。優秀者・チーム、講座にはそれぞれJACTIM基金より賞金が授与され、研究資金として活用される予定だ。

受賞した博士課程学生からは、「JACTIM基金研究コンペは、学生が研究成果をアカデミア以外の人に向けて発表するとても貴重な経験だった」との声が寄せられた。

JICAプロジェクトは、今後も学生と産業界の接点を増やし、多様な連携を促進していく方針だ。

住商とENEOS、SEDCとクリーン水素サプライチェーン契約

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 住友商事(本社・東京都千代田区)とENEOS(本社・東京都千代田区)は18日、サラワク経済開発公社(SEDC)傘下のSEDCエナジーとマレーシアにおけるクリーン水素サプライチェーン構築に向け共同開発契約を締結したと発表した。

サラワク州ビントゥルにおいて、2030年までに水力発電による再生可能エネルギー由来の電力を用いた水素製造の開始を目指し、基本設計を開始する。年間9万トン規模のCO2フリー水素を製造する。約2,000トンの地産地消分を除き、効率的な水素の輸送形態の一つであるメチルシクロヘキサン(MCH)に変換して日本の需要地に海上輸送する。

住友商事は共同開発スコープ全体の事業性評価やファイナンスの組成、電力調達をサポート、ENEOSは日本の需要規模に合わせたメチルシクロヘキサン(MCH)製造に関するエンジニアリング、SEDCエナジーは電力調達と水素製造に関する検討をそれぞれ主導する。

サラワク州は現在、合計約3.5ギガワット(GW)の水力発電所が稼働中で、再生可能エネルギー由来の電力の確保が期待できる。ビントゥルは、大規模な石油化学工業団地を有しており、MCHの輸出にあたり、港湾や桟橋などの出荷設備を活用できるという利点もあるという。

アンワル首相の訪日、65.6億リンギの潜在的投資を誘致

【東京】 日本ASEAN(東南アジア諸国連合)特別首脳会議の開催に合わせ、15日から5日間の日程で日本を訪問したアンワル・イブラヒム首相は、今回の訪日で65億6,000万リンギ相当の潜在的投資の誘致に成功したと明らかにした。

アンワル首相は18日の記者会見で、マレーシアに進出済みのローム・ワコー、NEC、三井物産の3社との会談で投資拡大の意向を伝えられたとし、さらに別企業からの新規投資の可能性もあると言明。中でもクランタン州コタバルに工場を設立しているローム・ワコーはマレーシア人労働者の規律や労働倫理に満足しており、第2期の開発を計画していると述べた。連邦政府はインフラ提供で同社を支援するとしている。

アンワル首相はまた、日本ではメディアがマレーシアに好意的で、大企業だけでなく、中小企業もマレーシアへの投資に関心を抱いており、今後、再生可能エネルギー、電気・電子(E&E)、化学、デジタル分野からの投資が期待できるとした。貿易・投資促進使節団が6月に訪日し獲得した230億リンギと合わせ、今年の日本からの潜在的投資額は295億6,000万リンギに達したという。
(ザ・スター、ニュー・ストレーツ・タイムズ、12月19日、フリー・マレーシア・トゥデー、エッジ、ベルナマ通信、12月18日)

イオンビッグ、ミッドバレーの店舗を新装開店

【クアラルンプール】 イオンビッグ(M)は、クアラルンプール(KL)の「ミッドバレー・メガモール」の店舗を新装オープンした。

シェイク・モハメド社長によると、同店舗は1999年に設立されたもので、改装工事は今年3月に開始し、6カ月を要して完成した。以前よりも高級感のある外観になっており、このような外観のイオンビッグの店舗は国内初で、来年の旧正月を前にパハン州クアンタンの「イースト・コースト・モール」など他の店舗でも同様のコンセプトを導入する計画だ。

 新装した店舗には、化粧室や祈祷室などの施設、最新型のカートやセルフレジも導入し、レジの30%がデジタル決済専用となった。

  店舗では「オレンジデー」に合わせて16ー17日にかけて全商品を最大で80%割り引くキャンペーンを実施した。物価上昇に伴う国民の負担を軽減するために実施する「慈悲(ラーマ)セール」は日用品に重点をおいているが、「オレンジデー」では全商品が対象となったという。

(ニュー・ストレーツ・タイムズ、12月17日、マレーシアン・リザーブ、12月16日)

条件を緩和した新MM2Hを発表=観光芸術文化相

【クアラルンプール】 ティオン・キンシン観光芸術文化相は15日、外国人の長期滞在を奨励するマレーシア・マイ・セカンド・ホーム(MM2H)プログラムの改定版を発表した。MM2Hの見直しについては、10月に発表された2024年度予算案でも触れられていた。

ティオン大臣によると、新MM2Hでは、プラチナ、ゴールド、シルバーの3カテゴリーを導入する。申請できる年齢は30歳以上となり、年間で60日以上の現地滞在が必要。帯同可能な扶養家族は、21歳未満の子どもおよび障害のある子ども(年齢制限なし)に加え、マレーシア国内で就労・結婚しない21ー34歳までの子どもや両親(実両親および義理の両親)も含まれるようになった。なお、申請手続きは観光芸術文化省に登録されたエージェント経由でのみ可能となる。

プラチナでは、マレーシア国内銀行に500万リンギの定期預金が必要で、ビザ取得後1年以降に150万リンギ以上の不動産の購入や医療、国内観光活動を目的として50%までの引き出しが可能。プラチナ取得後には永住権(PR)の申請資格が得られる。
ゴールドでは定期預金の必要額が200万リンギ、シルバーでは50万リンギとなり、ビザの有効期限はそれぞれ15年間、5年間。いずれも1年後以降に75万リンギ以上の不動産の購入や医療、国内観光活動を目的として最大50%の引き出しが可能。
ティオン大臣は、新MM2Hによりマレーシアへの世界的な関心が高まり、多くの申請が行われることを期待しているとし、1年間の試験運用により調整も行っていくと述べた。

新MM2Hの発表を受け、マレーシア国防大学(UPNM)国防・国際研究センター非常勤研究員のゾクリ・イドリス氏は、人身売買、密輸などの犯罪にMM2Hが悪用される危険があるため、資金の出所についての調査を徹底すべきだという見解を示している。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、12月17日、16日、ザ・スター、12月16日)

輸入低価格品への10%の売上税適用、1月1日付で施行

【ペタリンジャヤ】 オンライン販売される輸入低価格品に対する10%の売上税課税措置が、2024年1月1日付けで施行されることが分かった。同税制については昨年8月に下院で法案が承認され、今年4月から施行される予定だったが、諸事情により延期されていた。

10%の売上税導入はマレーシア国内外のオンライン販売者間の競争条件を平等にするためのもので、財務省に登録した業者が輸入する、500リンギ以下の低価格品目に適用される。商品の販売価格に対して課税されるもので、関税や手数料、輸送費、保険などのその他の費用は含まれない。

財務省への登録は、海外からの低価格品輸入額が年間50万リンギを超える業者に義務付けられている。同税制導入により、関税局は年間2億リンギの税収が見込まれるとしている。

同様な輸入低価格品への課税措置は、オーストラリア、スイス、ニュージーランド、ノルウェー、英国などでも行われている。
(フリー・マレーシア・トゥデー、マレー・メイル、エッジ、12月15日)

日本ASEAN特別首脳会議が東京で開催

【クアラルンプール】 日本ASEAN(東南アジア諸国連合)特別首脳会議が17日、東京で開催された。

同会議は日本ASEAN友好協力50周年記念活動の集大成となるもので、ASEANのうちミャンマーを除く9カ国、およびオブザーバーとして東ティモールの首脳が参加した。

アンワル・イブラヒム首相は同会議の場で、パレスチナ戦争に対するマレーシアの立場を表明し、イスラエルによるガザ破壊を改めて非難。マレーシアはASEAN諸国とともに、人道的停戦と人質の解放を求める国連総会決議が12日に採択されたことを歓迎すると述べた。また、サイバー空間における日本の専門知識を評価し、ASEAN地域と日本の間でのサイバーセキュリティ分野における協力促進を希望しているとした。

アンワル首相はさらに、ASEANのアジア太平洋・インド洋地域への関与の指針となる「インド太平洋に関するASEANアウトルック(AOIP)」や日本が提唱する「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」を通じ、日ASEAN間で緊密な協力が行われていると言明。特にマラッカ海峡における船舶交通や国際法に関する訓練プログラムから、マレーシアは多大な恩恵を受けていると指摘した。マレーシアは、航海の安全性と航海計画改善に向け、さらなる取り組みを提案するとしている。ASEAN海域での中国との緊張が高まる中、安全保障での協力が強調されたもようだ。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、マレー・メイル、12月17日)