マレーシア: 経済2021年予算について(2)

11月6日、マレーシア政府の2021年予算案が上程されました。この予算は「過去最大規模」をうたっており、国民に対して手厚い支援を行うものですが、「なし崩し的に財政を拡張していない」という姿勢をみせるための工夫がいくつか見られます。

表は過去3年分の財政収支を示したものです。財政規律を重視する姿勢を示しているひとつめの点として、マレーシア政府は歳入から給与や債務返済、補助金などの経常的な支出を差し引いた経常支出が赤字にならないように配慮していることが分かります。経常支出が歳入の範囲内に収まるように努力することで、「将来への投資には借入が必要だが、当年の支出に困っているわけではない」ところを見せています。ただし、マレーシア政府は経常支出費目のいくつかを開発支出に付け替えていることをみとめていますので、実態は苦しいところです。

2点目は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の蔓延に対応するために、通常の予算と独立した「COVID-19基金」を時限的に立ち上げて、そこから支出を行っている点です。これにより、COVID-19を言い訳として実際には財政全体を拡張しているのではないか、という懸念に対応しています。さらに、この基金への拠出を2020年の補正予算で大きく行い、2021年予算では半額程度に抑えていることもポイントです。結果として、財政赤字のGDP比は2020年の6.0%から2021年は5.4%と改善しています。

8月に財政赤字の累積額の上限をGDP比55%から60%に引き上げたことも含めて、形式的な面が強くても財政規律に配慮する姿勢をみせることは、格付け機関や国際機関の心証を良くするためには重要なことです。

セランゴール&KL、「全域ロックダウンはせず」上級相

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)は18日、セランゴール州とクアラルンプール(KL)で新型コロナウイルス「Covid-19」感染者が急増していることに言及。現時点では全域でロックダウンを行なう考えはないと強調した。

サブリ上級相は、高リスク地域について強化行動制限令(EMCO)の是非を検討の上で、ゴム手袋製造大手のトップ・グロープの従業員宿舎などレッドゾーンの封鎖のために一部地域を限定してEMCOを発令を決めたと強調。また感染者多発のためにKLなどで複数の建設現場が工事中止に追い込まれたことについては、現時点でEMCOを発令する必要はないと考えていると述べた。

またサブリ上級相は、一部の州について条件付き行動制限令(CMCO)指定解除を検討していることを公表。20日にもその是非について明らかにする方針を示した。

一方、サブリ上級相は、レッドゾーンとなったペラ州メルの2カ所とサバ州の2カ所で20日付けでEMCOに指定すると発表した。期間は12月3日まで。

 

新型コロナ感染者は660人、累計で5万人を超える

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)18日、新型コロナウイルス「Covid-19」の感染者数が前日から660人増加し、6日ぶりに1千人を下回ったと発表した。アクティブ感染者数は1万2,814人で、累計感染者数は5万390人となり、5万人を超えた。

州・地域別の感染者数はサバ州が最も多く387人となった。それに▽セランゴール州(141人)▽ネグリ・センビラン州(31人)▽クアラルンプール(KL、31人)▽ペナン島(16人)▽ペラ州(16人)

▽ラブアン(13人)▽ケダ州(11人)▽マラッカ州(4人)▽サラワク州(3人)▽ジョホール州(3人)▽クランタン州(3人)▽プトラジャヤ(1人)ーーとなった。トレンガヌ、パハン、ペルリス3州はゼロだった。新たに630人が退院し、累計治癒者は3万7,254人だった。死者数は4人増えて累計322人となった。

保健省のノール・ヒシャム事務次官によると、17日には新たに5つのクラスターを確認した。うち4つが職場でのクラスターだった。サバ州コタキナバルの「アベニュー・クラスター」では109人、「ケジョラ・クラスター」では8人に陽性反応が出た。クアラルンプールのケポンの「カサー・クラスター」では19人、ペナン州のティムル・ラウトの「サマー・クラスター」では10人の感染を確認、クランタン州コタバル、マチャン、タナメラ、トレンガヌ州ベスで発生した「メンケティル・クラスター」では23人が陽性となった。

ノール氏は、アクティブなクラスター数は162に上るが、うち72が職場に起因するクラスターであると指摘。首都圏で感染者が増加しているのも、職場のクラスターが原因であるとし、衛生面の対策やソーシャルディスタンスの確保を強化するべきとした。

マラッカの人口島開発計画、契約不履行で失効

【マラッカ】 マラッカ州沖を埋め立て3つの人工島を建設する「マラッカ・ゲートウエー」事業がとん挫した。
州政府は開発推進母体のKAJデベロップメントが事業を履行できなかったとして、2017年10月に交わした契約の失効を宣言した。KAJは用地を州政府に返却しなければならない。
開発面積246ヘクタールの大規模プロジェクトで、人工島には国際クルーズターミナル、マリーナ、高級コンドミニアム、ホテル、プライベートマリーナのある別荘風住宅、テーマパークの建設が計画されていた。中国企業3社との提携で深水港を整備する計画もあった。
プロジェクトには、シンガポールのTREデベロップメント、イタリア企業、韓国とマレーシア企業の合弁体、中国のカセン・インターナショナル、米ロイヤル・カリビアン・クルーズが参加していた。
(フリー・マレーシア・トゥデー、11月16日)

”マレーシア人は働かない”はウソ

本記事は、楽天トレードの最高経営責任者(CEO)三瀬和正さんへのインタビュー記事の後編です。
前編:ネット証券、ロックダウンが追い風に

なりすまし詐欺”対策、自社でも取り組み

——先ごろ御社の名前をかたった投資詐欺がありましたよね?ネット証券の人気を反映するような事件でしたが、あれはその後どうなりましたか?

三瀬:この間、証券委員会(SC)主催の産業活性化会議に参加し、他の金融業者と共に意見交換をしたのですが、他の会社も同じような事象が起きていて、業界全体で何かしないといけないということになりました。このミーティングの後にSCが発表したのですが、ワーキンググループを作って対処していくことになりました。今後こうした事例は増えていくと思いますので、自社での取り組みの必要ですが、やはり業界全体で取り組んでいかないといけない課題だと思います。

——すでに業界全体として動き出しているのですか?

三瀬:まだ動いていないのですが、弊社としてもそこに頼っているわけにはいかないので、モニタリングするサービスにお金を払って詐欺サイトを見つけるような取り組みは行なっています。こうしたことに投資して投資家守る努力をしています。

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いかに収益確保するかが最重要

——マレーシア証券市場では外国人投資家が減っている代わりに、国内のリテール投資家が増えているというリポートがありますね。

三瀬:リテール投資家の比率ですが、MCOが発令される前は20%から25%だったんですが、このポーションが一気に上がって今では40%になっています。リテール投資家の数自体が増えたことから、相対的に外国人投資家の比率が下がっているということは言えるかもしれません。

——ヘルスケア株など株価が上がるものもあれば、MCOによる景気悪化で危ない会社も増えてますよね。今はコロナという要因が一番大きいと思いますが、今後のマーケット動向の御社の事業への影響についてはどうお考えですか?

三瀬:マーケットの先行き、マーケットの動きについては弊社事業にはあまり関係ないと思っています。 株式市場が良くなろうが悪くなろうが、経営トップとして収益を確保し続けていかないといけません。そう考えていくと弊社のビジネスとして最も大切なものはボリュームゲームなので、いかに口座開設数をいかに増やすか、いかにお客様を増やしてトレードして貰えるのかを考えてビジネスをやっていくことが大切になります。もちろん首都圏で発令されているCMCOが続けば、うちのビジネスにとってプラスであることは確かです。

日本人とローカルは変わらない

——ここから三瀬さんのパーソナルの話を伺います。ジョー・バイデンさんと同じ、米国シラキュース大学卒ということですが専攻は何だったんですか?

三瀬:大学での専攻は財務・会計・経済です。証券・投資に興味があって卒業後はそちらに行きました。帰国してからある投資顧問会社に入りましたが、その会社は後に楽天グループに買収されました。様々な部門を経験し、2016年4月からマレーシアで楽天トレードの立ち上げに携わりました。1年でシステムから顧客サービスまですべて作り上げました。

——ローカルのスタッフを雇うというのはマレーシアが初めてですよね?そこで何か気づいたことはありますか?

三瀬:毎日が気づきです。最初はスタッフを怒ったりしたこともあったのですが、今は「僕も分からないことが多いから教えてくれ、僕も吸収するから。だけど僕も君たちを底上げをしたいから持っているものを伝える」という姿勢。毎日が勉強です。

——日本人にはないローカルのいいところってなんでしょう?

三瀬:日本人が持ってるものは、彼らもポテンシャルとしてもっていると思います。その持ってるポテンシャルを引き出せるかどうかは、トップにかかってるのではないかと思います。下がダメだったら全て部門長の責任、引いては僕の責任です。

——多くの日系企業が離職率の高さに悩んでいます。せっかく育てても辞めてしまうといいます。そのあたりで何か対策は考えてますか。

三瀬:部門長とかシニアマネジメントと密接にコミュニケーションを取って、常にスタッフの変化を見極めていくのが大切だと思います。お客様も大切ですがスタッフが一番大切なので、辞めると言い出す前に話を聞いてあげることが必要かと思います。 

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部下の育成、トップが見本を見せること

——もうマレーシアには長くおられるので、あと数年で帰国ですか?

三瀬:弊社はそういうリミットはありません(笑)。後継者を育てないと僕はマレーシアを出られないと思っています。そこが一番の課題ですね。

——後継者というのは日本人ですかローカルですか?

三瀬:僕は後継者はやはりローカルだと思っています。弊社のシニアマネジメントは全てマレーシア人ですが、彼らの底力を上げていきたい。シニアマネジメントを底上げしていけば、下のスタッフも付いてくると思います。よくマレーシア人は働かないという人がいますが、僕はそれはおおいに間違ってると思います。基本的に真面目なので、言ったことはちゃんとやる。きちんと上が指導してきちんとした姿を見せれば、ローカルの持っているポテンシャルは大きいと思います。ただ何をやっていいか分からないので、トップがきちんとやることを見せる。そうすればついていくと思っています。

——マレーシアで余暇は何をされているのですか?

三瀬:マレーシアでは最初、あるソフトボール・チームに入ってプレイしていたんですが、月に1回だけ試合だけやっていても面白くないので、硬式野球チーム「レイダース」に入れてもらいました。野球は楽しいですよ、ヘタクソでも(笑)。日本人駐在員の方、是非「レイダース」に入って下さい(笑)

——野球はどれくらいやっていたんですか?

三瀬:野球は小学校4年生ぐらいからずっとやってましたが、高校1年の時にやめました。その後はしばらくやっていなかったのですが、30歳の時に日本の草野球チームに入り、それ以来続いています。

—MCOのためにあまり活動できない状況ですが、今後何かやっていきたいことはあるのですか?

三瀬:個人的には来年は社会貢献とかしたいなと思っていますね。何か子供たち向けにやりたいですね。

——子供向けの野球教室もいいですね。やっぱりそのためには「マレーシア楽天スタジアム」の建設ですか(笑)マレーシアは球場がないので、是非宜しくお願いします(笑)

トレンガヌの3つ星ホテルが競売に、270万リンギで

【クアラルンプール】 新型コロナウイルス「Covid-19」により大打撃を受けているホテル業界だが、トレンガヌ州セティウの100室以上ある3つ星ホテル「ストラ・ビーチ・リゾート」が270万リンギで競売にかけられたことが分かった。
同社のウェブサイトによると、同ホテルはクアラトレンガヌから車で35分ほどの立地で、敷地は36万平方フィート、客室数はスタンダード48室、デラックス68室、スイート4室。ディグニティ・ビュー社が所有している。競売は債権者のバンク・シンパナン・ナショナルと債務者の間の合意の下で10月7日にオンラインで開催された。
マレーシア・ホテル協会(MAH)のヤップ・リップセン最高責任者(CEO)によると、最感染拡大により10月に首都圏で条件付き行動制限令(CMCO)が発令されたことで、全国のホテルの稼働率が再び平均20%まで低下し、さらに5%程度まで低下する可能性が高い。ほぼ半島全域に拡大されたCMCOが12月6日以降も継続された場合、20%のホテルが閉鎖もしくは清算に追い込まれる恐れがあるという。サラワク州だけでも100軒以上のホテルが閉鎖されたか、閉鎖手続きに入っている。
(マレーシアン・リザーブ、11月16日)

新型コロナ感染者は新たに1210人、5日連続で1千人超

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)17日、新型コロナウイルス「Covid-19」の感染者数が前日から1,210人増加し、5日連続で1千人を上回ったと発表した。アクティブ感染者数は1万2,788人で、累計感染者数は4万9,730人となった。

州・地域別の感染者数はサバ州が最も多く499人となった。それに▽セランゴール州(271人)▽クアラルンプール(KL、245人)▽ネグリ・センビラン州(67人)▽ペラ州(47人)▽ペナン島(33人)▽クランタン州(19人)▽ジョホール州(14人)▽ケダ州(8人)▽マラッカ州(2人)▽プトラジャヤ(2人)▽ラブアン(1人)▽トレンガヌ州(1人)▽サラワク州(1人)ーーとなった。パハン、ペルリス2州はゼロだった。新たに1,018人が退院し、累計治癒者は3万6,624人だった。死者数は5人増えて累計318人となった。

保健省のノール・ヒシャム事務次官は16日、条件付き行動制限令(CMCO)指定地域である首都圏で

感染者が増加していることについて、経済影響へのバランスを取る必要があるため効果が現れるまで時間がかかると説明。2週間の在宅勤務により、感染拡大を断ち切ることができるとの見解を示した。KLのダマンレラにある建設現場で発生しているクラスターは外国人労働者の間で感染が広がっていることが影響していると指摘。職場でのクラスター発生を避けるために、仕事を始める前に労働者に検査を受けさせるよう雇用主に求めた。

同日、新たに1つのクラスターをサバ州で確認した。サバ州のペナンパン、コラキナバルで発生した「マタンバイ・クラスター」で、23人の感染者が出た。

北部回廊経済圏、今年の投資誘致目標をすでに突破

るマレーシア北部回廊実行庁(NCIA)は今年に入って155億リンギの投資案件を認可し、すでに通年目標の70億リンギを120%上回ったと明らかにした。新型コロナウイルス「Covid-19」が流行し経済は停滞する傾向にあるが、インセンティブや税の優遇措置を実施したことが奏功した。
雇用創出は認可ベースですでに2万3,000人分に達しており、今年通年目標としていた5,900人分を大幅に上回った。NCIAは、NCERの今年の総生産(GDP)成長率についてはマイナス4%となると予想した上で、今年9月にムヒディン・ヤシン首相が発表した「2021ー2025年戦略的開発計画(SDP)」の効果で来年には新型コロナ流行前の水準に戻ると予想した。
NCIAは、スキルアッププログラム「ジョムケルジャ(JomKerja)@NCER」と「ジョムニアガ(JomNiaga)@NCER」を今年8月に立ち上げており、人的資本プログラムにも力を入れている。
NCERでは、ペルリス州の「チュピン・バレー工業地域(CVIA)」、ケダ州のゴム産業集積地「ケダ・ラバー・シティ(KRC)」、「シダム物流・航空・製造ハブ(SLAM)」などの開発が進められている。
NCIAのジェバシンガム・イサアチェ・ジョン最高責任者(CEO)は、NCIAでは経済に大きな影響を及ぼすプロジェクトや人的資本プログラムを推進しており、NCERが世界的な経済、技術の拠点とすることに力添えしていると述べた。

第3四半期の為替相場、リンギが2.9%値上がり

【クアラルンプール】 リンギは第3四半期、対米ドル相場で2.9%値上がりした。非居住者による有価証券投資が買い越しだったことが主因だ。
中央銀行バンク・ネガラ(BNM)のノル・シャムシア総裁は経済統計発表会見で、各国が経済活動を再開し、また米連邦準備制度理事会(FRB)が金融緩和を長期化させる姿勢を明確にしたことなどで投資家心理が改善した。このためほかの域内通貨も米ドルに対し値上がりした。
中国経済の堅調な回復や、国際通貨基金(IMF)が今年の世界経済の見通しを上方修正したことも好材料だという。
マレーシア有価証券市場では9月以降も外国人による買い越しが続いており,9月末との比較で11月12日のリンギは米ドルに対し0.6%値上がりした。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、11月14日)

KLでの酒類販売ライセンス規定、来年10月より厳格化

【クアラルンプール】 クアラルンプール市政府(DBKL)は、アルコール飲料販売ライセンス申請条件及び販売ガイドラインを発表。来年10月1日付けで食料品店やコンビニエンスストア、中医薬局での高アルコール飲料(スピリッツ)の販売を薬用酒を除いて禁止すると明らかにした。

今月15日付けで発効した新ガイドラインによると、現行のアルコール飲料販売ライセンスの有効期限は来年9月30日までとなり、アルコール飲料を販売するすべての卸売店、バー、ラウンジ、飲食店、倉庫は来年10月以降の販売ライセンスを新たに取得する必要がある。事業所にはライセンスを表示し、入り口にQRコードを表示することが求められる。青は店内で飲めること、黄色は持ち帰りのみ可能であることを意味する。

バー、ラウンジ、飲食店では販売時間は原則午前10時から深夜零時までで、午前2時まで延長申請できる。また卸売店の販売時間は午前7時から深夜零時まで、来年9月末までの食料品店の販売時間は午前7時から午後9時までとする。プロモーション活動の現場では一時ライセンスを取得する必要がある。警察署、礼拝堂、学校、病院に面した場所でのアルコール飲料の販売は禁止となる。

このほか食料品店やコンビニエンスストア、中医薬局でビールを販売する場合、他のノンアルコール飲料と別の場所に置くことが求められる。販売時間についても午前7時から午後9時までとし、販売時間を過ぎたら施錠をする。また購入可能な年齢を18歳以上とする。

(星州日報、11月16日)