ファーマニアガ、シノバック製ワクチン600万回分を追加供給

【クアラルンプール】 製薬会社のファーマニアガは26日、保健省との間で新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチン600万回分の追加供給に関して契約を交わした。ファーマニアガは直ちにワクチンの供給を開始し、8月末までに供給を完了する。
今回の追加分を合わせると、全国ワクチン接種プログラムへ供給されたシノバック製ワクチンは合計2,040万回分となる。ファーマニアガは、1,240万回分のワクチンを当初の予定より4ヶ月半早い7月16日に前倒しで供給を完了した。7月26日には保健省から200万回分の追加発注を受け、その供給も完了している。今回は再度の追加発注となる。
ファーマニアガによると、国内で充填を行なう工場の生産能力が月400万回分に増強され、また、シノバックの中国工場の生産能力も拡大しているため、ワクチンの迅速な供給が可能だという。追加供給分では、中国から輸入した完成品と国内充填品の両方を供給する予定だ。
(エッジ、ベルナマ通信、8月12日)

【号外】非必需品関連の製造業、16日付けで操業再開を承認 〜ワクチン接種を条件で

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 通産省は15日、製造業に関する操業規則を改正、これまで操業が認められていなかった国家復興計画(NRP)の第1、2フェーズに指定されている州・地域における非必需品に関わる製造業についても、16日よりワクチン接種の条件付きで認めると発表した。

従業員の新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチン接種率に応じて稼働率が決められる。接種率が80%以上の場合には稼働率100%が認められるが、接種率が40—59%の場合は稼働率は60%まで、接種率が60—79%の場合は稼働率は80%までに制限される。

会社はワクチン接種が完了した従業員の数と氏名を、最新版の新型コロナ・マネジメント・システム(CIMS3.0)を通じて申告する必要がある。申請が認められれば最新の承認書をダウンロードすることができる

このほか操業する会社は、医療施設またはセルフ方式で隔週で抗原迅速検査(RTK)を実施することが求められる。また標準的運用手順(SOP)を厳格に守ることも引き続き求められる。

 

■製造のほか建設&鉱業、一部サービスも容認へ■

ムヒディン•ヤシン首相は通産省の発表に先立ち、NRP第1、2、3フェイズに指定されている州・地域において製造及び建設、鉱業・採石についても16日よりワクチン接種の条件付きで操業を認めると発表した。このほかサービス業についても、第1、2フェイズで禁止されているそれぞれ11のサービス関連セクターの営業再開を認めるとした。

ワクチン接種完了の定義は▽ファイザー▽アストラゼネカ▽シノバック——の場合で2回目の接種から14日を経過した者、ジョンソン&ジョンソン及びカンシノなど1回接種のワクチンの場合で接種から28日経過した者となっている。

15日時点で第3フェーズはペルリス、サラワクの2州と連邦直轄地ラブアン、第2フェーズは▽ペナン▽ペラ▽クランタン▽トレンガヌ▽パハン▽サバ——の6州。残りは第1フェーズにとどまっている。

再開条件に全員接種や定期感染検査案、小売業界からは難色

【クアラルンプール】 新型コロナウイルス「Covid-19」対策として営業停止となっている小売業について、業界団体からは再開条件を全員接種とするのは現実的ではない、また、定期的な感染検査義務づけ案もコスト面で不可能だといった声が上がっている。
全員接種を営業再開条件とする案については、先ごろアレクサンダー・ナンタ・リンギ国内取引消費者行政相が検討に入っていることを明らかにしている。ただマレーシア・ショッピングモール協会のテオ・チアンコック会長は、小売業界の従業員にはワクチン接種資格のない人や医療的に接種が勧められていない人もいると指摘。多くの研究で集団免疫に達しているとされる接種率が60%から80%となっていることから中間値の70%を採用し、従業員の70%が接種完了した場合に営業再開を認めるべきだとした。
また再開の条件として標準的運用手順(SOP)に定期的な感染検査を盛り込む案については、ブミプトラ(マレー人および先住民族の総称)小売業協会のウィラ・アミール・アリ・マイディン会長は、自身が経営する「マイディン」の従業員だけで1万人おり、週1回の検査が必要だということになれば、月間4万回の検査費用は月額360万リンギに上ると指摘。これでは閉店したままの方がましだとし、自社ではワクチン接種した従業員だけを出社させることで対応しているが、政府には従業員の70%が接種完了した場合に営業再開を認めることを提案していると述べた。
イオン・カンパニー(M)のシャフィー・シャムスディン社長兼最高経営責任者(CEO)も、定期的な感染検査義務づけはコスト負担が問題だとして反対を表明。ワクチン接種については政府の指示に沿って推進しているが、やはり一部に接種したくないグループが存在しているとし、「タマンマルリ店」では100%を実現できたが全従業員接種は難しいとの見方を示した。
(マレーシアン・リザーブ、8月11日)

「すべての業種の営業再開を」産業界が政府に要請

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 マレーシア製造業者連盟(FMM)はすべての業種の営業を直ちに許可するよう政府に求めた。業種ではなく、標準的運用手順(SOP)の遵守、労働者の定期的な検査、企業単位での新型コロナウイルス(Covid-19)ワクチン接種率に基づいて営業再開を判断すべきだとしている。
FMMのソー・ティエンライ会長は、ワクチン接種完了者への規制緩和を歓迎しつつ、多くの企業が休業を強いられ倒産の危機に瀕していることから、ビジネスに対しても同様の規制緩和を期待すると発表した。特に非必需部門とされた業種の閉鎖が約3か月間という長期に渡っていることを懸念しており、必需部門の事業継続にも非必需部門からの支援が不可欠であるとして、必需・非必需の区別をなくすよう要請。また、経済再開のためにはワクチン接種の迅速な展開が必要であり、経営者は企業単位でのワクチン接種を強化するために労力や時間、費用を割いていると強調した。
マレーシア経営者連盟(MEF)のサイド・フセイン会長は、長期間のロックダウンを実施しても感染者数が増え続けているためロックダウンが感染症拡大に対する根本的な解決策になっていないと指摘。現在の状況は多くの人に経済的なストレスを与えているため、今後はワクチン接種の迅速化に加え、SOP遵守による経済再開という複合的な戦略へ移行することを提案した。MEFに所属する経営者は、必要なSOPをすべて遵守することを約束しており、MEFはSOPに従わない経営者に対する厳しい措置を支持するという。
クアラルンプール・セランゴールインド人商工会議所(KLSICCI)、マレーシア半導体産業協会(MSIA)も、政府に対して同様の要請を行なっている。

GDP成長率、8州・連邦直轄地でマイナス5.6%を上回る

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】  統計局の発表によると、2020年のマレーシアの国内総生産(GDP)成長率はマイナス5.6%となった。各州、連邦直轄地のGDP成長率のうち、マイナス5.6%を上回ったのは▽ラブアン(マイナス0.5%)▽クランタン(マイナス1.1%)▽ケダ(マイナス1.7%)▽ペナン(マイナス2.1%)▽ペラ(マイナス2.3%)▽ネグリ・センビラン(マイナス3.6%)▽ジョホール(マイナス4.6%)▽セランゴール(マイナス5.3%)ーーの8カ所だった。
最もGDP成長率が低下したのは、サバでマイナス9.5%となった。それに▽クアラルンプール(KL、マイナス7.5%)▽サラワク(マイナス7.1%)▽ペルリス(マイナス6.1%)▽パハン(マイナス5.9%)▽マラッカ(マイナス5.9%)▽トレンガヌ(マイナス5.7%)ーーが続いた。
6州・連邦直轄地が72.1%(前年72.3%)の貢献をした。貢献度が最も高かったのはセランゴールで、24.3%に上った。それに▽KL(16.1%)▽ジョホール(9.5%)▽サラワク(9.5%)▽ペナン(6.9%)▽サバ(5.8%)ーーが続いた。
2020年の消費者物価指数(CPI=2010年を100として算出)はマイナス1.2%で、全ての州・連邦直轄地で下がった。最も低下したのはマラッカとサバ・ラブアンでマイナス1.9%だった。その一方でセランゴール、プトラジャヤ、KLはマイナス0.6%と最も低下率が低かった。

モデルナ社製のワクチン、条件付きで承認=保健省

【クアラルンプール】 保健省のノール・ヒシャム事務次官は5日、米モデルナ社製の新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチンを緊急使用のため条件付きで承認したことを明らかにした
ノール氏が発表した声明によると、同日開催された、医薬品管理庁(DCA)の会合で承認された。ワクチンは、ヌクレオシド修飾RNAワクチン「スパイクバックス」。スペインの製薬会社ロビ・ファーマ・インダストリアル・サービシズが生産したもので、ズエリング・ファーマが製品登録者となっている。
保健省は承認したワクチンの安全性や有効性に関するデータを常に調査し、リスクを確認していると説明。ワクチン接種の促進を図り、国家医薬品規制庁(NPRA)によるワクチンの品質や安全性、有効性を評価の後、DCAによる承認が行われていると説明した。これまでファイザー・バイオNテック、アストラゼネカ、科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)、康希諾生物(カンシノ・バイオロジクス)、中国医薬集団(シノファーム)ジョンソン・エンド・ジョンソンのワクチンが条件付きで承認されている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、8月6日、エッジ、8月5日)

ゴーカー、アプリ経由の自動車メンテナンスサービスを開始

【クアラルンプール】 カーシェアサービスのゴーカーは、モバイルアプリから自動車メンテナンスを受けられる「ゴーカー・ガレージ」機能の提供を開始した。
「ゴーカー・ガレージ」は必要なアフターサービスをアプリから選べるサービスで、料金体系が透明であり、高額な追加料金が発生しないようになっている。サービス予約から支払いまでをアプリ内でワンストップで完了できる。
アフターサービスを行なう実店舗としては、ゴーカー・ハブがセランゴール州ペタリンジャヤで営業しており、自動車のメーカーやモデルを問わず、サービスを受けられる。メインのサービスは45分で終わる「ピットストップ」サービスで、価格は98リンギからとなる。オイル交換の所要時間は45分で、オイルは化学合成油、部分合成油、鉱物油の中から選ぶことができる。
その他のサービスとしては▽バッテリーの点検・交換▽無料ホイールアライメント調整(タイヤ2本以上購入要)▽カーエアコンの修理とメンテナンス▽ブレーキの修理とメンテナンス▽エンジン交換▽電気系統故障診断▽ボディとペイントの補修ーーなどがある。
ゴーカーユーザーへの特典としては、▽無料洗車▽無料車両検査▽自動車配送(ゴーカー・ハブ店舗の半径50キロメートル以内のみ。キャンペーンとして8月中は無料)▽交換部品の6カ月間保証▽ゴーカーシェア2時間無料利用(サービス予約日限定)ーーなどが用意されている。
ゴーカー・ガレージを利用するには、ゴーカーモバイルアプリ(Android版あるいはiOS版)のインストールが必要となる。別途20リンギのゴーカーメンバーシップ料金(入会時のみ)がかかる。
(ポールタン、8月4日)

シムレジャー、キャメロンハイランドでテーマパーク建設へ

【クアラルンプール】 テーマパークなどを運営するシム・レジャー・グループは2日、パハン州において新しいテーマパーク「エスケープ・キャメロンハイランド」を建設すると発表した。第1期は2023年第1四半期のオープンを予定している。
シム・レジャーの創設者であるシム・チョウケン最高経営責任者(CEO)は、向こう10年間をかけて1億リンギ以上を投じて新たにテーマパークを建設すると発表。数十億リンギをかけて行う大規模なテーマパークとは違い、創造性を駆使し、低い技術で、低予算で皆が楽しめるテーマパークを開発するとした。欧州をイメージした村を5カ所作る。開業から1年間は20万人、5年後は年間100万人の来場を見込んでいる。
同社は同日、ヘクター・ムダ・アセッツとの間で建設・営業・メンテナンス契約を交わした。ヘクター・ムダは第1期に1,500万リンギを出資する。テーマパークの面積は24.28ヘクタール。今年12月に着工する。工期は15ー18ヶ月。
シム・レジャーは、クアラルンプールにおいても「エスケープ」の建設を検討しており、交渉を行なっている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、8月3日)

ホテルの多くが一時営業を停止に、先行き不透明で

【クアンタン】 新型コロナウイルス「Covid-19」の感染拡大に伴い、多くのホテルは先行きの不透明さや営業継続が難しいため損失を抑えるために、一時的に営業を停止している。
マレーシア・ホテル協会(MAH)パハン支部のパトリック・ティー支部長によると、政府により観光活動の再開に向けた計画が発表されていないことから、州および地区を跨いだ移動が許可されるのを待つためホテルや宿泊施設は、一時的にホテルの影響を停止することを決めた。ホテル業界は苦戦しており、事業を存続できるように長期的に損失を減らすための措置を講じている。食事の持ち帰りや配達なども行なっているホテルもあるが、注文が少なく需要は低調な状態だ。
あるホテルの管理職員によると、一部の従業員の中にもホテル業界の先行きが厳しいと感じて、他の仕事を始める従業員も出ているという。出社しなくてもホテルは月給の半額を支給しているが、従業員に対して他の仕事をしても良いと許可を出しているという。
パハン支部には66カ所のホテルがMAHに加盟している。クアンタンで2カ所、キャメロン・ハイランドで1カ所が隔離施設に指定されている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、7月31日)

固定電話の番号ポータビリティ、来年末までに開始

【ペタリンジャヤ】 固定電話の契約者は、個人・企業を問わず、2022年末までに、利用中の電話番号を変更せずに別の通信事業者へ乗り換えることができるようになる。
固定電話ポータビリティ(FNP)は、2008年に導入された携帯電話番号ポータビリティ(MNP)と同様、他サービスへの乗り換えのハードルを下げる。通信業界の監督機関であるマレーシア通信マルチメディア委員会(MCMC)がFNPに関する公開調査を行ない、通信市場の競争に好影響をもたらすとして実施を決めた。詳細については、今年第3四半期までに設立されるワーキンググループを通じて検討される。
現状、国内固定電話市場では通信大手のテレコム・マレーシア(TM)が90%近くのシェアを持っており、競争原理が働いておらず、アナログベースの基本的な電話サービスしか提供できていない。世界的にはFNPはGDP上位50カ国の75%で実施されており、中小企業のイノベーションや通信費の値下げが進んでいるという。
固定電話ビジネスに本格的に参入するには、光ファイバーネットワークなどへの追加投資が必要となり、またサービス間の価格競争も始まることになる。一方、デジタル化や次世代の革新的なサービスを展開するには、消費者の選択の自由を促進するFNPが必要という声も業界より多く上がっており、TMを除くすべての通信業者がFNP導入に賛成の声を上げている
(ザ・スター、7月30日)