福山通運、福山市大、イスラム科学大などが産学連携

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 福山通運(本社・広島県福山市)と小丸交通財団は22日、福山市立大学、マレーシア・イスラム科学大学(マレーシア)、E.H. ウタラ・ホールディングス(マレーシア)と産学連携に関する意向書を締結したと発表した。

福山通運は声明の中で、意向書の締結により、マレーシア国内での日本語作文スピーチコンテストをはじめ、福山通運へのインターンシップや日本語教育などの産学連携を促進し、互恵的な関係を発展させるために最善の努力を尽くしていくとし、併せて、語学教育をはじめとした日本とマレーシアの文化交流の推進とともに、両国間の友好関係強化にも貢献していくとしている。

小丸交通財団は、交通安全思想の普及啓発活動を目的として2013年9月9日に創立され、全国の小学校を中心とした交通安全教室の開催や交通事故防止の啓発活動を行っている。また、海外で日本語を学ぶ学生に学習成果を発表する機会を提供し、交通安全意識の向上や日本との文化交流を目的に日本語作文スピーチコンテストを開催するなど、持続可能な開発目標(SDGs)を支援している。

 

ハラルや防災に関する日本の協力を評価=ザヒド副首相

【大阪】 7日間の日本公式訪問を終えたアハマド・ザヒド副首相は、訪日の成果について、技術職業教育訓練(TVET)やハラル(イスラムの戒律に則った)産業、防災について貴重な知見が得られたと明らかにした。

ザヒド副首相は、昨年12月のアンワル・イブラヒム首相の訪日から1カ月半後の訪問でフォローアップを行ったとし、日馬両国の関係が「包括的・戦略パートナーシップ(CSP)」に格上げされたことに伴い、日本から多くの協力が得られたと説明。日本は東京高専などのTVET機関で優秀な学生を育てることに成功していることから、多くのマレーシア人学生を日本に派遣し、TVETモデルを学ぶ計画だと述べた。

ザヒド副首相はまた、ハラル開発公社(HDC)がハラル関連の覚書2件を締結するのに立ち会った。HDCは円卓会議「日本とマレーシアのハラル・エコシステムの連携」を大阪で開催し、日本企業の代表20名が出席した。

ザヒド副首相は、ビッグデータや人工知能(AI)技術の防災への活用に関する説明も受けたとし、マレーシアの洪水問題を管理するための長期計画に生かすとしている。
(ザ・スター電子版、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、エッジ、ベルナマ通信、2月23日)

乗換案内アプリ「PULSE」からエアアジアライドの予約が可能に

【クアラルンプール】 公共輸送機関を管轄するプラサラナ・マレーシアは、子会社PRIDEが運営する乗換案内アプリ「PULSE」上で配車サービス「エアアジア・ライド」の乗車予約が可能になったと発表した。

PRIDEのファイザー・カイルディン最高経営責任者(CEO)は、PULSEアプリ経由で軽便鉄道(LRT)の主要24駅でエアアジア・ライドを予約できるようになったと説明。自宅から目的地までをシームレスに接続することで公共交通機関の利用促進や二酸化炭素排出量の削減につながると述べた。

エアアジア・ライドでは、提携開始を記念して、2025年1月末までLRTケラナジャヤ線およびアンパン線・スリ・ペタリン線の全24駅までの往復について、乗車1回あたり2リンギを割引するキャンペーンを実施する。通勤などでの利用を想定しており、1日2回まで利用可能。詳細はhttps://www.airasia.com/aa/pulseapp/で確認できる。
(マレーシアン・リザーブ、テックネイブ、2月22日)

23年通年の投資額は3295億リンギ、過去最高を記録

【クアラルンプール】 アンワル・イブラヒム首相は、2023年通年の投資額(認可ベース)が過去最高となる3,295億リンギを記録したと明らかにした。前年の2,646億リンギから23%の大幅増となった。

22日に開催された国家投資委員会(NIC)会合で発表されたもので、外国直接投資(FDI)が全体の57.2%を占め、国内直接投資(DDI)は42.8%を占めた。増加率では外国直接投資が15.3%だったのに対して、国内投資は35.1%の大幅増加となった。NICはアンワル首相が議長を務めている。

投資案件は5,101件で、12万7,000人以上の雇用創出が見込まれる。セクター別ではサービス業が1,684億リンギで全体の51.1%を占めた。これに製造業が1,520億リンギ(46.1%)、一次産業が91億リンギ(2.8%)で続いた。

アンワル首相は声明の中で、投資環境における目覚ましい業績は、国家ビジョン「マレーシア・マダニ」を掲げる現政権の下でマレーシア経済が復活したことを反映していると言明。「政府の投資促進政策と企業促進政策が間接的に投資家の信頼を高めるという成果を上げ始めていることを示している」と述べた。

同日のNIC会合では、デジタル投資に関する国の方向性についても議論された。アンワル首相によると、マレーシアのデジタル経済は2021年に国内総生産に23.2%貢献したが、2025年までに25.5%に増加すると予想されている。2021年から2023年にかけて、NICを通じて承認されたプロジェクトを含む396件のデジタル関連プロジェクトが承認され、投資額は1,289億リンギに達し、3万6,553人の雇用創出が見込まれている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、2月23日、フリー・マレーシア・トゥデー、マレーシアン・リザーブ、ベルナマ通信、2月22日)

 

ネット専業イオン銀行、近く営業を開始

【クアラルンプール】 インターネット専業銀行のイオン銀行(M)は近く営業を開始する見通しで、フェイスブックの公式サイトで、ユーザー登録を開始した。

フェイスブックページにはQRコードが掲載されており、ユーザーはこれをスキャンし、登録サイトで氏名と電子メールアドレスを記入すれば、最新情報がイオン銀行(M)から送られてくる。

デジタル銀行の第1号となったGXバンク同様、イオン銀行(M)も専用アプリを利用するが、まだ一般客には提供されていない。イオン銀行(M)はイスラム教に対応したイスラム銀行で、しかもフルバンクのため、あらゆる銀行サービスを提供できる。

親会社イオンフィナンシャルサービスによれば、年度内をめどに開業し、預金、保険、少額ローンなどを扱う。技術面で金融技術の米マネーライオンと協力し、人工知能(AI)を使った分析で家計管理支援も提供する。

デジタル銀行は支店を持たないネット銀行で、マレーシアではシンガポールの配車サービス大手のグラブなど計5陣営が認可を得ている。
(ソヤチンチャウ、2月22日)

アーノッツグループとセブンイレブン(M)が即席食品で提携

【プチョン】 豪州系食品メーカーのアーノッツ (TAG)は、セブンイレブン・マレーシアと提携し、即席食品「プレゴ・インスタント・パスタ・ボウル」を6月から全国で発売すると発表した。

TAGは今回の提携によりインスタント食品市場に参入し、2026年までに国内インスタント食品市場で60%以上のシェアを獲得することを目指す。「プレゴ・インスタント・パスタ・ボウル」は若い社会人、大学生、忙しい母親などをターゲットにしており、5分で完成するのが特徴。

TAGのジョージ・ゾグビ最高経営責任者(CEO)は、今回の提携は長期的な成長に向けてのものであり、他社とも提携し取扱店舗を増やしていくと言明。消費者は、おいしくて栄養価が高く、外出先でも食べられる便利な製品を求めており、本製品はこの3点すべてを満たしているため、将来性を楽観視していると述べた。

TAGは「プレゴ」、「キンボール」などといったパスタソースなどのブランドを有しており、クアラルンプール(KL)工場で製造を行っている。「プレゴ」ブランドは、国内パスタソース市場で92%のシェアを占めており、乾燥パスタでも市場をリードしているという。

TAGのアジア事業の売上高は全世界売上高の4分の1に相当する10億リンギ超で、10年後には25億リンギに達すると見込まれている。シンガポールに惣菜を輸出しており、将来的には他国へも輸出する計画があるという。
(ザ・サン、2月23日、ザ・スター電子版、ベルナマ通信、2月22日)

ハラル開発公社が日本で2件の覚書を締結、ハラル貿易促進で

【大阪】 マレーシアと日本の間で、ハラル(イスラムの戒律に則った)関連の覚書(MoU)が2件締結された。アハマド・ザヒド副首相の日本公式訪問に合わせたもの。

1件目はハラル開発公社(HDC)とイオン・マレーシア間のもので、両者は日本におけるマレーシアのハラル製品販売で協力する。HDCはイオンの協力を得て、日本市場への参入を希望するマレーシアのハラル業界関係者にビジネス指導を行い、HDCのハラル統合プラットフォームの利用促進を図るとともに、ハラル製品の販促セミナーなども実施する。日本のハラル業界関係者を対象としたハラル・トレーニング・プログラムも提供し、日本のレストランにおけるハラル認証プロセスの合理化に向け、人材育成や専門知識の共有も行っていく。

2件目は、HDCと日本ハラール協会(JHA)間のもので、日本におけるインフラやハラル認証の強化を目指す。整合性のとれたハラル認証を世界的に推進し、日本企業のハラル貿易参入を促進する。

覚書締結式にはザヒド副首相やHDCのカイルル・アズワン・ハルン会長も立ち会った。ザヒド副首相は、マレーシア・ハラル委員会の委員長も務めている。

ザヒド副首相は、ハラル製品・サービスに対する世界的な需要の増加に対応するため、日本とマレーシアの両国が協力することが重要だとし、日本のムスリム人口は少ないものの、日本のハラル市場の成長の余地は大きいと述べた。マレーシアの2022年輸出額は595億リンギだったが、そのうち日本へのハラル関連輸出額は36億リンギに過ぎなかったとしている。
(フリー・マレーシア・トゥデー、ベルナマ通信、2月22日)

 

マレーシア人訪日者数、1月は18.5%増の3万2100人

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 日本政府観光局(JNTO)が発表した2024年1月の訪日者数統計(推計値)によると、マレーシアからの訪日者数は3万2,100人となり、前年同月比で18.5%増加したが、前月比では47.2%減少した。

JNTOによると、1 月が海外旅行需要の低下する時期であること、旅行代金の高騰、LCCの地方路線の回復の遅れ等の影響があったが、スノーシーズンによる訪日需要の高まり、祝日等の影響もあり増加した。なお、新型コロナ前の2019年同月との比較では2.2%増となった。

クアラルンプール(KL)ー新千歳間の復便もあり、日本への直行便数は前年同月に比べ回復傾向にある。

1月の世界全体の訪日者数は、能登半島地震発生後、東アジアを中心に影響が一部見られたものの、前年同月から79.5%増の268万8,100人、2019年同月からはほぼ横ばいとなった。

JNTOは、昨年3月に策定された第4次観光立国推進基本計画で3つの柱「持続可能な観光」、「消費額拡大」、「地方誘客促進」が示されるとともに、旅行消費額・地方部宿泊数等に関する新たな政府目標が掲げられたとし、これらの実現に向けて、市場動向を綿密に分析しながら、戦略的な訪日旅行プロモーションに取り組んでいくとしている。

共同オフィス「コラブスコワーキング」、KLに7店舗目を開設

【クアラルンプール】 コワーキング・スペース(共同オフィス)の「コラブス・コワーキング」は、クアラルンプールのダマンサラ・ハイツの商業施設「ザ・ファイブ」内に7店舗目をオープンした。

「ザ・ファイブ」店は2階建てで1万5,407平方フィート、256席を有し、会議室3室やイベントホールも付属している。「コラブス・コワーキング」は、不動産開発のパラマウントの子会社パラマウント・コワーキングが2017年より運営するブランド。既存5店舗の平均稼働率は75%で、昨年11月にオープンした「KEN TTDI」店は50%、「ザ・ファイブ」店は現時点で40%だという。

「コラブス・コワーキング」の責任者であり、パラマウントの副最高経営責任者(CEO)でもあるベンジャミン・テオ氏によると、「コラブス・コワーキング」は首都圏で合計16万7,000平方フィートのスペースを提供しており、国内コワーキングスペース運営会社中、管理面積でトップ3に入るという。今年年央までの8店舗目オープンも目指している。会員は複数店舗にまたがっての利用も可能だ。

テオ氏は今後の見通しについて、今後5年間でコワーキング業界の10ー15%の成長を見込んでおり、「コラブス・コワーキング」も今後2年間で総面積を約2倍の30万平方フィートまで拡大することを目指すと述べた。首都圏以外への進出も検討するとしている。
(エッジ、2月21日)

ベルジャヤフード第2四半期は赤字、スターバックスへの抗議が影響

【クアラルンプール】 ベルジャヤ・フードの24年度第2四半期(23年10-12月)決算は4,258万リンギの赤字だった。イスラエル・パレスチナ戦争をめぐるスターバックス店舗に対するボイコットが影響した。前年同期は3,549万リンギの黒字だった。

スターバックスはパレスチナ紛争でイスラエルを支援したとされ、ソーシャルメディア上でボイコットの呼びかけがあった。またパレスチナへの連帯を表明した同社労働組合を提訴。各地でスターバックスに対する抗議活動が活発化した。ベルジャヤ・フードはベルジャヤ・スターバックス・コーヒーを傘下に置き、スターバックス店舗を運営している。

売上高は38%減の1億8,255万リンギだった。シンガポールで豆乳など大豆加工品を提供する店舗を展開するジョリビーン・フーズの売却損(1,050万リンギ)も影響した。

中間期の売上高は20.3%減の4億6,109万リンギ、純損益は2,355万リンギの損失(前年同期は7,019万リンギの黒字)だった。

先行きについてベルジャヤ・フードは、現在の状況は短期的なもので、下半期は業績の改善が見込めるとした。
(ザ・スター、2月22日、エッジ、2月21日)