国内メディアへの広告費返還法案を起草へ=通信デジタル相

【プトラジャヤ】 ファーミ・ファジル通信デジタル相は、国内メディア組織の存続のために、巨大IT企業に対し国外に持ち出されている広告費の返還を求める法案を起草する考えを明らかにした。

ファーミ大臣は、国内メディア関係者がこれ以上失職したり、自主退職スキーム(VSS)を実施したりするのを見たくないとし、米グーグルやメタ、中国ティックトックなどの巨大企業が広告費を独占し、国外に持ち出していることが原因だと言明。労働者解雇は政府にとって軽視できない問題であるため、国内メディア組織への広告費の返還に関する具体的な法案の起草に取り組むつもりだと述べた。また、通信デジタル省が主導し、国営「ベルナマ通信」を通じて実施している、元メディア関係者支援のためのカシ@ハワナ基金の利用拡大も推進し、マレーシア・メディア評議会設立のための法案を来年3月までに完成させ、国会に上程する予定だとしている。

政府系通信会社のテレコム・マレーシア(TM)や有料テレビ放送のアストロ・マレーシア・ホールディングスが先ごろVSSの実施を発表していた。
(ザ・スター、ザ・バイブス、ベルナマ通信、7月31日)

セランゴール州の政治的安定性が重要、議選控え産業界が指摘

【クアラルンプール】 6州の州議会同時選挙が8月12日に行われるが、産業界は特に多くの産業が集積している経済圏であるセランゴール州議選の行方に注目しており、社会的・政治的安定性が重要と指摘している。

セランゴール州はこれまで与党連合・希望同盟(PH)が政権を掌握していたが、汎マレーシア・イスラム党(PAS)が構成党となっている野党連合・国民同盟(PN)が政権奪取を狙っている。

マレーシア製造業者連盟(FMM)のソー・ティエンライ会長は、特にセランゴール州の社会政治的安定は州と国にとって重要だと指摘。安定は同州をさらに前進させるための政府の政策や計画の継続的な実施を可能にするとした上で、「これによりセランゴール州は確実に繁栄を続け、既存の投資家を支援するとともに、主要産業に新たな投資家を呼び込んでより高い利益を獲得し、経済を成長させることができるだろう」と述べた。

マレーシア経営者連盟(MEF)のサイド・フセイン会長も、雇用主が事業拡大や成長を計画するには長期的な安定が必要だと指摘。雇用・労働政策は政府の経済成長にとって重要であるが、安定した政府であれば、試行錯誤を重ね確立された政策が継続されると述べた。

その上で「マレーシアの全登録企業の98%以上が零細・中小企業(MSME)だが、その多くは新型コロナウイルスのパンデミックの影響からまだ立ち直っていない。ビジネス政策に大きな変更を加えることは、ビジネスコストに直接的な影響を与えるため不適切。安定した環境を持つことが事業と成長を計画する上で最善だ」と強調。セランゴール州は巨大な経済エリアであり、最終的には国の経済にも影響を与えるため、政策変更によって企業が混乱に直面しないことを望んでいると述べた。

両氏によると、セランゴール州の人口は700万人を超え、昨年の経済成長率は11.9%と国内総生産(GDP、8.7%)を上回った。同州の製造業は9%成長し、国内製造業の約3分の1を占めた。サービス業も昨年は13.6%と他の州より高い成長を記録した。
(ザ・サン、8月1日)

ETSやKTMの乗車券、半年先まで購入可能に=マレーシア国鉄

【クアラルンプール】 マレーシア国鉄(KTMB)は7月27日、7月30日付けで半年先までの乗車券を購入可能にすると発表した

KTMBによると、従来は年内の乗車券のみ購入可能となっていたが、新システム導入により、毎月30日に6カ月先までの乗車券が購入できるようになる。例えば、7月30日には、2024年1月まで、8月30日には、2024年2月までの乗車券が購入可能になる。毎月30日の発売時刻は、ジョホール州のジョホールバル(JB)・セントラルとシンガポールのウッドランドを結ぶ国際列車「シャトル・テブラウ」は午前10時、高速電車運行サービス(ETS)と長距離列車のKTMインターシティは正午となる。購入は、KTMB専用アプリ「KITS」あるいはKTMBのウェブサイトから可能。

KTMBは、祝日や休暇、帰省旅行などを半年前から計画できるようになり、また、早めの購入により格安で乗車券を手に入れられると述べた。
(ザ・バイブス、ポールタン、7月28日、ベルナマ通信、7月27日)

マクドナルドマレーシア、100店舗に太陽光発電設備を設置へ

【クアラルンプール】 マクドナルド・マレーシアは、電力会社テナガ・ナショナル(TNB)の太陽光発電部門であるGSPARXと提携し、2024年12月までに100店舗に屋根置き太陽光発電(PV)設備を設置する計画だ。

同社は28日、GSPARXとの間で再生可能エネルギー(SARE)供給契約を締結した。GSPARXは発電容量2.5メガワット時(MWh)のPVシステムを管理する。これにより、マクドナルドは電気料金をおよそ700万リンギ節約できるようになるという。店舗へのPV設備の設置は、今年6月からスタートしており、39カ所の店舗に設置した。設置費用は300万から400万リンギ。

マクドナルドは2017年に、炭素排出量を削減するため5カ年計画を開始。PV設備以外にも太陽熱温水器、発光ダイオード(LED)街路灯などの設置を実施している。そのほかには廃棄物管理システムも導入しており、使用済みの食用油をバイオディーゼル燃料に精製し、配送トラックの燃料として利用しているという。

今後の取り組みとしてマクドナルドは、電気自動車(EV)充電ステーションの開発を計画しており、GSPARXと協力して2024年12月までに導入する計画だ。
(マレーシアン・リザーブ、7月28日)

合板・不動産開発のエクソンズ、主力の合板事業から撤退

【クチン】 合板製造・不動産開発のエクソンズ・コープは、原木と労働者の調達が困難なため、合板製造を今年1月に中止し、主力の合板事業から撤退したと発表した。

チャン・ホンキョン社長は、2023年度(2022年4月ー2023年3月)の合板部門の売上高は前年から40%減の2,210万リンギに落ち込んでおり、税引き後損失は、2年連続で1,060万リンギに上ったと言明。合板製品は輸出市場の低迷により需要が減少している一方、平均価格の伸びはわずか2%に過ぎないとし、事業撤退により、年間400万リンギの直接労務費、60万リンギの修繕・メンテナンス費が削減されると述べた。3,610万リンギ相当の合板製品在庫(今年3月末時点)については1年以上かけて販売していく予定だとしている。

アブドル・アジズ会長は、合板事業からの撤退は事業戦略見直しの結果であり、今後は不動産開発部門の貢献が期待できると予想。その上で、より高い債券収益に焦点を当てた投資ポートフォリオの再編成も実施したと述べた。

長引く原木不足と外国人労働者不足により、近年サラワク・サバ両州の多くの木材会社が合板工場の閉鎖や生産量の縮小を余儀なくされている。サラワクの大手合板メーカーだったジャヤ・ティアサ・ホールディングスも、約3年前に赤字の合板事業から撤退した。マレーシア最大の合板輸出市場である日本が、今年輸入を大幅に減らしたことも影響を及ぼしており、国際熱帯木材機関(ITTO)の発表によると、2023年1ー5月のマレーシアから日本の合板輸入量は、19万1,400立方メートルと、前年同期の35万7,500立方メートルから大幅に減少した。サラワク木材産業開発公社(STIDC)によると、そのうちサラワク州からの輸出量は約15万3,592立方メートル、額にして約4億1,600万リンギだったという。
(ザ・スター、7月31日)

6州議会の選挙戦がスタート、245選挙区に570人が立候補

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 先ごろ解散した6州の州議会同時選挙の公示が7月29日に行われ、合計245の選挙区で合計570人の立候補届けが選挙委員会(EC)に受理された。8月8日に期日前投票、8月12日に投開票が行われる。
選挙が行われるのは▽セランゴール(定数56)▽ネグリ・センビラン(同36)▽ペナン(同40)▽クランタン(同45)▽トレンガヌ(同32)▽ケダ(同36)ーーの6州で、立候補者はそれぞれ147人、83人、95人、96人、66人、83人。245の議席を争う。

立候補者数を党派別でみると、野党連合・国民同盟(PN)が168人で最も多く、次いで与党連合・希望同盟(PH)が137人、PHと共闘している国民戦線(BN)が108人、汎マレーシア・イスラム党(PAS)が77人と続いた。

無風選挙となった選挙区はゼロで、180の選挙区で一騎打ち、51選挙区で3つ巴、13選挙区で4つ巴、1選挙区で5つ巴の争いとなった。

解散前は▽セランゴール▽ネグリ・センビラン▽ペナンーーの3州は大連立政権を構成するPHとBNが、▽クランタン▽トレンガヌ▽ケダーーの3州は野党のPNとPASがそれぞれ保有しており、与野党の各陣営が州政権を維持できるかが注目される。アンワル・イブラヒム首相にとっては信任投票の意味合いもある。

このほか同一日程で、選挙違反によって当選無効となった下院クアラトレンガヌ選挙区の補欠選挙が行われる予定で、失職したPASのアハマド・アムザド氏(前副科学技術革新相)とPHのアザン・イスマイル氏(人民正義党=PKR)が立候補した。

東京ガスとガスマレーシア、ガス導管事業で相互協力協定を締結

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 東京ガスネットワーク(本社・東京都港区)は7月28日、都市ガス事業会社であるガス・マレーシアとの間で25日に、ガス導管事業の発展を目的とした相互協力協定を締結したと発表した。

ガス・マレーシアは、東京ガス(本社・東京都港区)が、1992年に国営石油会社等とともに設立したマレーシア初の都市ガス事業会社。同協定を基に、東京ガスからガス導管事業を継承した東京ガスネットワークとガス・マレーシア社が、更に協力関係を深め、カーボンニュートラルを始めとしたさまざまな分野での情報交換、人材交流等により、両社のガス導管事業の更なる発展を目指す。

ガス・マレーシアのアフマド・ハシミ社長は、この相互協力協定は、両社間の戦略的パートナーシップをさらに強化するためのきっかけとなり、同社の将来の成長やガス導管事業発展の推進力になると共に、社会的信用の向上にも寄与するものと考えているとコメント。また東京ガスネットワークの沢田聡社長は、東京ガスからガス導管事業を継承した東京ガスネットワークがガス・マレーシアとカーボンニュートラルを始めとしたさまざまな分野で更なる協力関係を構築し、人材交流も再開できることを大変嬉しく思うとした。

ミシュランガイド、KLとペナンの飲食店8軒を追加

【クアラルンプール】 仏ミシュラン社は26日、レストランの評価を星の数で表す「ミシュランガイド」のマレーシア版について、クアラルンプール(KL)で3軒、ペナンで5軒の計8軒のレストランを追加したと発表した

「ミシュランガイド」は通常年1回発表されるが、マレーシア版に関しては、正式発表の前に2回に分け一部のレストランを事前発表する。事前発表では、獲得した星の数などはまだ公表されないという。

KLで追加されたのは、▽ホー・ポー・キュイジーヌ(客家料理)▽ジャラン・イポー・クレイポット・チキンライス(屋台料理)▽ロティ・バイ・ダンドール(インド料理)ーーの3店。ペナンは、▽アーボーイ・クイティオタン(屋台料理)▽ゲーリアン(屋台料理)▽ホットボウル・ホワイトカレーミー(麺料理)▽マイ・オウン・カフェ(屋台料理)▽サイアム・ロード・チャークイティオ(屋台料理)ーーの5店。

「ミシュランガイド」のマレーシア版については、昨年12月に創刊され、KLとペナンで合計97軒が選ばれている。そのうち4軒が、「近くに訪れたら行く価値のある優れた料理店」である一つ星を獲得。コストパフォーマンスのよい良質な店を意味する「ビブグルマン」には32軒が選ばれた。
(KLフーディー、7月27日、マレー・メイル、7月26日、ミシュラン発表資料)

日系テクスケム、3四半期連続で赤字を計上

【クアラルンプール】 日系テクスケム・リソーシズは、2023年第2四半期(4ー6月)の損益がマイナス626万リンギとなり、3四半期連続の赤字となったと発表した。売り上げも前年同期比マイナス20.24%の2億4,046万リンギとなった。同社は今年後半も引き続き厳しい状態が続くと予想している。

前年同期(2022年第2四半期)は673万リンギ、同第3四半期は235万リンギの黒字だったが、同年第4四半期には26万リンギの赤字に転落し、今年第1四半期も24万リンギの赤字を計上していた。

今年上半期の売り上げは5億895万リンギとなり、前年同期比16.42%減少し、650万リンギの純損失を計上した。前年同期は1,982万リンギの純利益を計上していた。

テクスケムの創業者の小西史彦会長は、インフレ圧力と金利上昇による経済の不確実性の高まりが業績に影響を与えていると指摘。飲食部門も消費者心理の低迷と営業コストの高騰を背景とした問題に直面し、特にラマダン(断食月)期間中に打撃を受けたと述べた。

今後について小西会長は、今年度後半も厳しい状況が続くと予想しているものの、長期的な見通しについては依然楽観視しているとコメント。中核事業部門全体の強固な基盤と共に多角化した事業にテコ入れし回復戦略の強化を続けるとした。
(エッジ、7月27日)

日本コンテンツの売り込みで大使館、メディアプリマと提携

【クアラルンプール】 在マレーシア日本大使館の 髙橋克彦大使は27日、大使館として総合メディア最大手のメディア・プリマを、日本産コンテンツをマレーシアに売り込むための有力な場とみなしていると発表した。

メディア・プリマは印刷媒体、ラジオ局、テレビ局を所有しており、ニュー・ストレーツ・タイムズは傘下企業。

髙橋大使は「印刷媒体とは大使館活動の報道で協力できる。ラジオは日本で起こっていることを対話形式で伝えるなどの情報拡散ができ、テレビではドキュメンタリー放映の可能性を探ることができる」と述べた。

髙橋大使によれば、1970年代、1980年代はマレーシア国外からの情報では、日本の話題、コンテンツが支配的だったが、最近はほかの国のコンテンツが優勢だ。このためマレーシア国民にさらに日本に関心を持ってもらうため、プレゼンス強化が必要だという。

日本としては東京、大阪、福岡といった著名都市だけでなく、地方を訪れる観光客の増加を望んでいるという。

メディア・プリマは共同制作、コンテンツ配給で日本の複数のテレビ局と協力したことがある。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、7月28日)