18ー30歳の32%がワクチン接種に消極的=調査

【クアラルンプール】 マレーシア・モナシュ大学、サンウェイ大学、マレーシア科学大学が共同で実施した調査によると、18歳から30歳までの32%が、新型コロナウイルス(Covid-19)ワクチンについて「接種するかどうかわからない」「接種するつもりがない」と回答した。
この3大学による共同調査「Covid-19ワクチンに対する認識調査」は、今年6月11日から20日まで、18歳以上の804人を対象にオンライン上で実施された。
調査結果によると、低学歴層の24%および男性回答者の21%が「ワクチンを接種するかどうかわからない」「接種するつもりがない」と回答した。コロナが重症化しやすい高年齢層、健康意識が高い傾向にある女性や高学歴者は接種意向が高いという結果となっている。また、すべてのグループで「コロナはコミュニティで感染する病気であり、ワクチン接種の恩恵を受けるのはコミュニティである」と認識していることが判明した。
一方、18歳から30歳までの人のうち、ワクチン接種に肯定的なのは50%に過ぎないという結果となった。60歳以上では75%がワクチン接種に肯定的だが、家族や友人から接種を強く勧められている影響もある。若い世代は、同世代から接種を勧められにくい状態にあるため、ワクチン接種の意向を向上させるには、個人へのメリット、コミュニティへのメリットについてよりわかりやすく伝える啓発キャンペーンを行なっていく必要がある。本調査では、すべての年齢層に納得して接種を行なってもらうためにはさらなる努力が必要だと結論づけている。
(エッジ、8月12日)

ショッピングモールの売上が9割減、多数のテナントが閉店の予想

【クアラルンプール】 マレーシア・ショッピングモール協会(PPK)が市場調査会社ストラトス・ピナクルSBとともに最近行なった調査によると、長期にわたるロックダウンにより、現在ショッピングモールで営業しているテナントは10ー20%程度に過ぎず、多数の店舗が年内に完全閉店を余儀なくされる見込みだ。
同調査は今年7月23日から30日にかけて、国内94カ所の様々な規模のショッピングモールを対象に実施した。有効回答を得たショッピングモールのうち、63%は首都圏クランバレー近郊、大半が賃貸面積100万平方フィート未満のショッピングモールだった。
昨年12月時点では、60%近くのモールでテナントの10%が閉店したが、今年12月までには66%のモールで10ー30%のテナントが閉店すると予想されている。これらのモールでの客足は60ー90%減少し、新型コロナウイルス「Covid-19」感染拡大前の10ー40%以下の客足となっているが、この傾向は様々なショッピングモールで一貫して見られるという。
PPKによると、ロックダウン期間中の消費者の購買力の低下により小売業の売上が大幅に減少しており、小売店はテナント料の支払いに苦しんでいる。40%のモールでテナント料の30ー50%免除を行なっているが、30%のモールでは、70%以上の小売店からテナント料を回収できていない。一方、14%のモールが資金繰りのために従業員を解雇しており、その大半では10ー20%の人員削減を行っている。現在の閉鎖の状況がこれ以上長引けば、人員削減はさらに拡大する恐れがあるという。
ショッピングモールは昨年3月の最初の行動制限令(MCO)の発令以来、閉鎖が命じられており、今年1月の非常事態宣言でもモールでの営業が制限された。非常事態宣言は8月1日に終了したが、政府は小売業全体の営業再開についてはいまだに許可していない。
(マレー・メイル、8月13日)

今年のGDP成長率、4.3%と予想=OECD

【クアラルンプール】 経済協力開発機構(OECD)は12日、「2021年マレーシア経済調査」を発表、今年通年の国内総生産(GDP)成長率をプラス4.3%と予想した。また2022年についてはプラス6.1%と予想した。
今年の個人消費については3.3%増、来年は7.5%増と予想。輸出については今年は10.4%、来年は3.5%のそれぞれ増加を予想した。また輸入については今年は10.3%、来年については3.3%増とした。
消費者物価指数(CPI)については、今年は2.7%、来年は1.2%のそれぞれ上昇を予想。また連邦政府の財政収支(対GDP比)は今年が6.4%、来年については4.7%それぞれマイナスとし、政府債務残高(対GDP比)についてはそれぞれ63.4%、63.5%と予想した。
OECDのマティアス・コールマン事務総長は、経済成長予想が新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチン接種が今のペースを維持し、且つワクチンに耐性のある変異体が出現しないとの仮定に基づいたものだとした上で、電子製品や健康器具の好調な販売により、経済も成長に戻ると予測されるとしそれによって輸出も増加すると指摘した。
またポスト・コロナの持続的な経済成長に向けて、競争力強化、デジタル変革、気候変動の緩和に対する取り組みを提言。具体的には▽中期財政戦略の一環として物品サービス税(GST)再導入の検討▽自営業者への雇用傷害保険の適用範囲の拡大▽従業員積立基金(EPF)の対象拡大▽炭素税の導入——などを提言した
(マレー・メイル、フリー・マレーシア・トゥデー、8月12日、OECD発表資料)

製造業が最大の感染源=セランゴール州保健局長

【クアラルンプール】 セランゴール州保健局は、7月単月では製造業が新型コロナウイルス「Covid-19」の最大の新規感染源となったと発表した。
シャアリ・ガディマン局長が明らかにしたところによると、7月には製造業で96カ所のクラスターが発生し、全体の54%を占めた。サービス業は22カ所で全体の12%、建設業は18カ所で10%をそれぞれ占めた。コミュニティにおけるクラスターは9カ所(5%)にとどまり、すべて7月20日のイスラム犠牲祭前に発生した。
シャアリ局長は、工場を検査したところ、標準的運用手順(SOP)の遵守状況が良好であることが判明しているとし、工場労働者の勤務外の過ごし方に感染拡大の原因があるとの見方を示した。
セランゴール州における感染者の65%が無症状で、症状が出ている感染者は30—35%にとどまっており、ほとんどが肺炎の症状が出ているものの酸素呼吸器の装着が不要なカテゴリー3だという。
(ベルナマ通信、エッジ、8月6日)

首都圏で毎日千人以上の新型コロナ感染者が入院=保健省

【ペタリンジャヤ】 保健省のノール・ヒシャム事務次官は4日、首都圏では毎日千人以上の新型コロナウイルス「Covid-19」感染者が入院していると明らかにした。
セランゴール州、クアラルンプール(KL)、プトラジャヤの入院者数は、2週間前に比べて33%増加しており、6,427人が入院中だ。2,685人が低リスク者用隔離・治療センター(PKRC)、659人が集中治療室(ICU)で治療を受けている。また、救急部門以外で治療待機中の患者が多くいることも危機準備対応センター(CPRC)のシステムによって判明しているという。
ノール事務次官によると、入院患者の増加に対応するべく、セランゴール州クランのテンク・アムプアン・ラヒマー病院のすぐ近くに野外病院を設置。セラヤン病院およびセルダン病院でも病床を増設した他、セランゴール州の農業展示場、マレーシア・アグロ・エクスポジション・パーク・セルダン(MAEPS)のPKRCでは、酸素供給を必要とする感染者を治療できるよう設備を増強した。過去2週間で首都圏の病院で2,884床の病床を増設、今後もさらに増設する計画だ。首都圏では現在、▽スンガイブロー病院▽セラヤン病院▽アンパン病院▽セルダン病院▽マレーシア国民大学小児専門病院ーーがコロナ専門病院となっている。
ノール事務次官は、重症者数を減らすためには、首都圏でのワクチン接種率を向上させることが必要だと強調した。
(フリー・マレーシア・トゥデー、ニュー・ストレーツ・タイムズ、8月5日)

首都圏人口の71.2%、1回以上ワクチン接種済

【クアラルンプール】 ワクチン供給アクセス保証特別委員会(JKJAV)は、8月2日現在、首都圏(クアラルンプール、プトラジャヤ、セランゴール州)人口の71.2%にあたる約600万人が新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチンを少なくとも1回接種したと発表した。
600万人のうち、243万人(人口の28.8%)は2回目の接種まで完了している。2回目接種を完了している割合が最も高い州・地域はラブアンで56.5%、次いでサラワク州(48.6%)、ペルリス州(30.7%)となっている。全国では、人口の44.2%にあたる1,447万人が1回目の接種を、22%にあたる720万人が2回目接種まで完了している。
8月2日には合計46万8,526回のワクチン接種が行なわれ、そのうち22万3,479回が1回目接種、24万5,047回が2回目の接種だった。1回目の接種を受けた人の数が最も多かったのはジョホール州で3万7,837人、次いで▽サバ州(3万2,594人)▽セランゴール州(2万5,904人)▽クランタン州(2万722人)▽ペナン州(1万7,966人)ーーとなっている。2回目の接種については、セランゴール州が7万1,100人と最も多く、次いで▽クアラルンプール(4万2,368人)▽サラワク州(2万6,805人)▽ペラ州(1万8,060人)▽ネグリ・センビラン州(1万5,032人)ーーとなっている。
(エッジ、8月3日)

第2四半期は中古住宅の売り出しが急増=プロパティーグル

【クアラルンプール】 国民の間に住宅を処分する動きが見られる。東南アジア屈指のオンライン不動産仲介業者、プロパティーグルのマレーシア不動産市場指数報告によると、第2四半期の不動産供給は前年同期比34.5%、前期比で11.9%増加した。
中古住宅の売り出しが増加したためで、カントリーマネジャーのシェルドン・フェルナンデス氏によると、パンデミックの影響で多数の国民が所得減に直面し、手持ち現金が不足した者が保有不動産を手放さざるを得なくなっている。こうした、投資不動産としての住宅を現金化しようとの動きは拡大する見通しだという。
不動産供給が特に増加したのはセランゴール州とペナン州で、前年比増加率はそれぞれ49%、40.3%だった。
新築住宅の供給は急減している。ロックダウンで建設活動がままならないためだ。国家不動産情報センター(NAPIC)によれば、第1四半期の新築住宅売り出し戸数は前期比60%減の5,919戸だった。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、7月30日)

ICU収容のコロナ患者、初めて1千人を突破

【クアラルンプール】 保健省の最新統計によると、国内で集中治療室(ICU)で治療を受けている新型コロナウイルス「Covid-19」重症感染者が26日に初めて1,000人を突破した。
同日時点でICUに収容されているのは1,009人で、うち524人が人工呼吸器を必要としている。また同日の死者は207人で1日の死者数としては過去最悪となった。
「ザ・サン」によると、マレーシアにあるICU病床の数は人口10万人当たり3.3床にとどまっており、昨年医療崩壊に瀕したイタリアの12.5床を大きく下回っている。感染者増加を受けて重症者も増加しており、元々脆弱な医療体制がますます逼迫している。
こうしたことから保健省は先ごろ、公立病院のコロナ患者用の病床を増やすために非コロナ患者を民間病院に移すと発表した。カテゴリー1、2の軽症者については自宅隔離で対応している。
マレーシアの新規感染者数は25日に1日としては過去最高の1万7,045人を記録し、累計患者数もついに100万人を突破した。
(ザ・スター、ザ・サン、7月26日)

新規感染者の92%がワクチン未接種=保健省

【クアラルンプール】 保健省のノール・ヒシャム事務次官は、26日に確認された新型コロナウイルス「Covid-19」新規感染者の92%がワクチン未接種だったと発表。ワクチンの感染予防効果は明らかだとして、まだ受けていない国民に接種を急ぐよう呼び掛けた。
同日の新規感染者数は1万4,516人で、1日の感染者数でこれまでで最も多かった25日の1万7,045人から大幅に減少した。最も重症だと診断されたカテゴリー5の95人については、97.9%がワクチンを接種していなかった。カテゴリー4(酸素吸入が必要)の77人についても、ワクチン未接種が85.7%を占めた。
このほかカテゴリー3(肺炎の症状)の83人については67.5%が未接種、カテゴリー2(軽度の症状)の7,045人については87.6%が未接種、カテゴリー1(無症状)の7,216人については95.6%が未接種だった。
入院しているコロナ患者のほとんどがカテゴリー3から5の中・重症患者で、カテゴリー1、2は要件を満たすことを条件に自宅隔離が認められている。
(フリー・マレーシア・トゥデー、7月26日)

個人消費の回復、来年までずれこむ見込み=フィッチ分析

【ペタリンジャヤ】  フィッチ・グループの調査部門、フィッチ・ソリューションズは、今年の家計支出予想を前年比3%増とした。パンデミックや行動制限令の影響により前年比3.7%減となった2020年と比べると回復傾向にあるが、当初予想の11%からは下方修正されている。
フィッチによると、2021年の家計支出は9,000億リンギと予想され、2019年の9,050億リンギを下回る。ロックダウンによる経済的困難が続いており、ワクチン接種にも時間がかかっているため、個人消費の回復は2022年にまでずれこむと見ている。
国内の小売売上の60%を占める首都圏クランバレーで移動制限が続いていることも経済回復を遅らせる要因となっているが、移動制限によって電子商取引が発展している一面もある。オンライン小売売上指数は、前年同期比23.1%増となっている。
個人消費の回復を妨げるリスクとしては、消費者物価の上昇が考えられる。また、政府財政がひっ迫していることから、政府による景気刺激策は昨年発表された内容を超えるものを期待できないという。中長期的なリスクとしては、検討されているGST再導入あるいはその他の消費税導入が実施された場合、家計の可処分所得に対して悪影響を与えると分析している。
(ザ・サン、7月22日)