【クアラルンプール】 マレーシア農業食品産業省(旧・農業農業関連産業省)は、コメ輸入を独占的に手掛けるパディベラス・ナショナル(ベルナス)に対する独占契約を向こう10年間延長することに合意したと発表した。
ロナルド・キアンディ大臣は下院議会質疑の中で、新契約にはいくつかの新しい条件が盛り込まれ以前と比べて内容的に改善されたと指摘。国家の食料安全保障に基づくコメ備蓄量の拡大など、これまで5つあった社会的義務の数が10項目に増やされたと明らかにした。
その上で「社会的義務の項目増加はマレーシア人の主食である米を保護する上で重要」と強調し、新型コロナウイルス「Covid-19」感染拡大により世界経済の不透明さが拡大する中にあって、ベルナスが食糧危機が起きた際の緩衝機関となると述べた。
ベルナスは1971年に設立された国立米穀公社(LPN)が1996年に民営化されてできた会社で、政府は2011年に契約を10年延長し、来年1月に期限が満了することになっていた。前・希望同盟(PH)政権時代には独占的とされた4社の一つに挙げられ、事業解体の検討対象となっていた。
(マレーシアン・リザーブ、11月10日)