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マレーシアでの新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大が続いています。10月中旬にサバ州、スランゴール州、KL、プトラジャヤについて条件付き活動制限令(CMCO)が発令され、11月9日からはプルリス州、パハン州、サラワク州を除く全ての州にCMCOが拡大されました。その後、クダ州、トレンガヌ州、マラッカ州、ジョホール州については一部地域を除いて11月21日にCMCOが解除され、12月7日にはKL、スランゴール州、サバ州を除く他の州のほとんどの地域でCMCOが解除されました。現在CMCO下にある地域では、現在のところ12月20日まで継続されることになっています。

本連載321回では首都圏のCMCOが1カ月続いた場合、四半期GDPを1.5%〜2.5%程度の押し下げると試算しましたが、今回は期間も対象地域拡大したCMCOについて、その影響を概算します。計算方法は以下の通りです。連載321回で示したように、CMCO下の地域では、製造業のGDPは0〜マイナス5%、小売サービス業および建設業のGDPはマイナス15〜マイナス20%と想定します。

2019年の州別・産業別GDPデータをベースに試算すると、マレーシアの四半期GDPは今回のCMCOによって4.6〜6.6%下押しされます。マレーシアの2020年第四半期のGDP成長率は、当初4〜5%のプラスと見込まれていたので、差し引き0〜2%のマイナスとなる予測されます。結果として、2021年のマレーシアの通年でのGDP成長率はマイナス4.7%〜マイナス5.3%程度となり、2021年予算発表時の想定であるマイナス4.5%を1%程度下回るかたちとなります。

今回は、3月〜5月のMCOと比較すると、陽性者の減少速度は遅く感じますが、一方で経済的なダメージは比較的抑えられています。防疫と経済の両立をめざして、苦心しながらも丁寧にバランスをとっていると評価できます。

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