【クアラルンプール】アジア開発銀行(ADB)は28日、アジア経済見通し報告(4月版)を公表した。マレーシア経済について、今年は6%増に持ち直し、来年は5.7%増と安定するとの予想を示した。政策面の課題として、中小製造業者の技術力引き上げを挙げた。
昨年は公共投資、民間投資とも減少した。今年の公共投資は東海岸鉄道線、MRT2号線、汎ボルネオ高速道路などの再開で増加が期待できる。民間投資も堅調な外需、ワクチン接種による企業家心理の改善で回復が予想されるが、全体でほどほどの回復にとどまるという。行動制限の再施行で建設工事が制限されるためだ。
中央銀行は金融緩和策を継続すると考えられるという。消費者物価指数は1.8%の上昇が予想され、来年は原油・一次産品価格の持ち直し、経済活動の正常化を背景に2%が予想されるという。
(エッジ、4月28日)