【クチン】 日本を公式訪問したサラワク州のアバン・ジョハリ首相は、12日に開催された東京都主催「TIME TO ACT:水素フォーラム2022」に参加。サラワク州は「アジア地域における水素のハブになる」というビジョンの下、日本や韓国の大企業と協力の上、水素製造に取り組んでいると述べた。

アバン州首相は、気象パターンが予測不可能になるなど気候変動の脅威が現実化する中、国際社会の協調的な取り組みが必要だと言明。サラワク州政府は「2050年までに炭素排出量をゼロへ」という目標達成のためエネルギー転換に取り組んでおり、州有企業サラワク州経済開発公社(SEDC)の子会社であるSEDCエナジーを通じ、日本の住友商事およびエネオスと協力し、水素を輸送しやすい形に転換したメチルシクロヘキサン(MCH)によるグリーン水素の2028年までの実用化を目標としているとした。また、再生可能エネルギーで製造されたグリーン水素・アンモニアを生産する「H2ビスカス」プロジェクトでは韓国のサムスン、ポスコ、ロッテと協力を行っていると述べた。実用化に関しては、2016年に州営電力会社のサラワク・エナジー(SEB)が水素製造施設の試験運用を開始し、クチンで水素を動力源とするバスや自動車を供給しているとした。

アバン州首相と代表団は、フォーラム開催前に小池百合子東京都知事を表敬訪問。また、エネオスの東京大井水素ステーションや東京都環境公社の水素情報館「東京スイソミル」も視察した。
(ボルネオポスト、10月13日)