積極財政を継続、財政均衡は中期的観点から取り組み

【クアラルンプール】 テンク・ザフルル財務相は格付け会社主催のセミナーで基調演説し、経済回復の勢いを維持するため、今年は積極的に支出を増やす積極財政を維持すると表明した。このため財政均衡のペースは鈍くなるという。
今年の財政赤字は目標である対国内総生産(GDP)比で6%か、6%以下に収まる見通しだという。原油、パーム油など一次産品価格が高止まりし、歳入増が見込めるためだ。
昨年末時点の政府債務は対GDP比63.4%、額にして9,798億リンギ。国債、財務証券発行残高を含む法定起債残高の比率は同59.7%で、暫定上限の65%を下回った。
今年末の政府債務は同66%、法定起債は同63%の予想で、先行き3ー5年間の中期的観点から財政正常化に向けた戦略を策定するという。
起債は今年も国内向けが中心で、リンギ建て「持続可能な開発目標」債の売り出しを計画している。起債額は最大100億リンギ。
(ザ・スター、3月23日、マレーシアン・リザーブ、ベルナマ通信、3月22日)

中古ブランド品売買のブランディア、ショッピーに出店

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 BEENOS(本社・東京都品川区)の連結子会社で、日本最大級のブランド品宅配買取サービス「ブランディア」を運営するデファクトスタンダード(本社・東京都大田区)は、東南アジア最大級のECサイト「ショッピー」でマレーシアを対象にした中古ブランド品の販売を開始した。
BENOSによると、マレーシアは日本の古着の主要輸出先。2021年は輸出量で1位となるなど、日本発のユーズドアイテムに親和性のある地域となっている。ショッピー・マレーシアにおいても、海外個人を対象とした日本から海外への年間流通総金額1位(2021年5月東京商工リサーチ調べ)であるBEENOSグループのシナジーを活用するとともに、タイや台湾で培った顧客対応や、ブランディアの仕入れ力、各国の一般消費者向けマーケットプレイスに出店することで集約されたグローバルデータによってアジアの顧客が求める商品を供給し、アジア圏における中古ブランド品需要の獲得を目指す方針だ。さらに高需要地域での販売により、日本の顧客への買取価格へも反映させる。
ブランディアでは、「海外販売比率50%」を2025年までの中期目標として海外展開を強化している。2020年8月より「ショッピー」のタイおよび台湾エリアで販売を開始し、台湾では2021年10ー12月期の中古ブランド品バッグ部門で売上が過去最高となった。

サラワク州ビントゥルに自律型輸送システムを導入へ

【ビントゥル】 サラワク州のアバン・ジョハリ州首相は22日、5年以内にビントゥルで道路上を自動走行する自律型鉄道輸送(ART)システムの建設を開始すると明らかにした。サラワク州ではクチンに次いで2番目のART導入となる。
ビントゥルと石油化学製品の生産拠点であるタンジュン・キドゥロンを結ぶ。タンジュン・キドゥロンでは今後4年間で1万5,000人の雇用機会を創出すると見込まれており、ビントゥルからの通勤の需要に応える。シミラジャウ国立公園を訪問する外国人観光客の利用も想定されるという。
アバン州首相によると、タンジュン・キドゥロンは医療ハブとしての開発も進んでおり、州政府企業サラワク・ペットケムのメタノール工場敷地内の医療ハブに対し米国企業が第1期に2億リンギを投資、第2期では8億リンギの投資が予定されている。サラワク州政府はまた、マレーシア初の水素ガス製造センターを目指しメタノール工場を全額出資により建設予定で、完成時には1万トンの水素を製造する見込み。韓国のサムスンと日本の住友商事がすでに水素の購入を発表しているという。
アバン州首相は、ビントゥルはかつて住民5,000人の小さな漁村だったが、現在では人口23万人の工業地帯となっているとし、それは44年前に設立されたビントゥル開発公社による開発計画の成果だと強調した。
(エッジ、3月22日)

「MySejahtera」アプリ更新、全機能利用に認証が必要

【クアラルンプール】 新型コロナウイルス「Covid-19」情報・追跡アプリ「MySejahtera」のアップデートが行なわれ、名前の下に「認証(Verified)」マークが表示されるようになった。今後、「MySejahtera」の全機能を利用するためには認証が必要となる。
認証するためには、アプリを最新バージョン「1.1.8」にアップデートし、パスポートなどの身分証明書(IC)番号および生年月日を登録する。認証後には名前、IC番号、生年月日の変更は不可となる。今後、認証マークがない状態では機能の一部が制限され、ワクチン接種証明書の表示や追加(ブースター)接種の予約などができなくなる。
「1.1.8」バージョンでは、他にもCovid-19リスクやワクチン接種状況についての「ヘルプ」リンクが追加されるなど、微修正が行なわれているという。
(ザ・スター、ソヤチンチャウ、3月22日)

新型コロナの感染者数は2万1483人、病床使用率は66.4%

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は、22日の新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数は2万1,483人だったと発表した。2日連続で2万人を下回っていたが再び増加した。累計感染者数は403万2,435人となった。
新たに1,339人が入院。うちカテゴリー1(無症状)、カテゴリー2(軽度の症状)が786人、重症患者とされるカテゴリー3(肺炎の症状)、カテゴリー4(酸素吸入が必要)、カテゴリー5(人工呼吸器を装着する必要)は553人だった。
新たに3万2,561人が回復し、累計治癒者は374万5,229人となった。死者数は73人で、累計は3万4,535人。アクティブ感染者は、前日から1万1,151人減って25万2,671人となった。うち96.7%が自宅、0.6%が低リスク者用隔離・治療センター(PKRC)、2.6%が医療機関、0.2%が集中治療室(ICU)で療養中となっている。病床使用率は66.4%に上昇した。
同日午後11時59分時点のワクチン接種完了者数は、2,579万516人で、接種率は79.0%だった。ブースター接種完了者は1,553万830人で、接種率は47.6%に上昇した。
1人の感染者が何人に感染を広げる可能性があるかを示す基本再生産数(R0/RT)は0.91に下降。ペラ州、サラワク州のみで1.00を上回った。
また新たに4カ所のクラスターを確認。クアラルンプールとマラッカ州の職場、セランゴール州の職場と教育機関で発生した。現在感染者を出し続けているアクティブなクラスター数は284カ所に減った。

日本航空、KL―成田線を4月8日から増便

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 日本航空(JAL)は、4月8日よりクアラルンプール(KL)―成田線を週1便増便して4便とすると発表した。期間は5月31日まで。

増便するのは金曜日出発便で、スケジュールは既存の火、木、土曜出発便と同じく、KL発が22時50分、成田着が翌日の6時45分。成田発が11時、KL着が17時45分となっている。KL―成田線の往復エコノミークラスの最安値は2,851リンギ。予約は3月22日から受け付けている。

JALはKL発日本行き無料預け荷物1個増量キャンペーンを実施しており、通常の手荷物許容量に加え、さらに1個無料で手荷物を預けられる。

楽天トレード、1カ月で米国株の売買代金が4千万リンギに

【クアラルンプール】 オンライン証券の楽天トレードは、今年開始した米国株の取り扱いが好調で、開始から1カ月で売買代金が4,000万リンギに達したと明らかにした。
楽天トレードは、主にニューヨーク株式市場(NYSE)とナスダック(Nasdaq)の約1,000銘柄を扱っており、米国株の口座数は1万6,000を突破した。88%超がブルサ・マレーシア(マレーシア証券取引所)で最初に取引を行った上で米国株取引に参加しているという。
楽天トレードの三瀬和正・最高経営責任者(CEO)は、マレーシアの投資家が投資ポートフォリオをセクターだけでなく市場に対しても多様化させるという考え方を受け入れていることを反映していると指摘。近年、デジタル化に支えられて海外市場にアクセスしようという個人投資家が急増していることで株取引の置かれた状況が変化しているとしたうえで、低い手数料で「グローバル投資家」になるためのステップを踏み出すことが可能になったと述べた。
楽天トレードの米国株取引アカウントは現物口座から利用できるようになっており、マレーシアと米国(リンギ建て)の両方の市場で、手数料は7リンギから100リンギという低い手数料で取り引きできるようになっている。
2月28日の時点での総口座数は24万を突破しており、2017年の営業開始時からのマレーシアと米国を合わせた売買代金は約1,000億リンギに達している。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・スター、3月22日)

富士フイルム、マレーシア初の内視鏡検査訓練センターを開設

【クアラルンプール】 富士フイルム・マレーシアは21日、マラヤ大学メディカルセンター(UMMC)と共同でマレーシア初の内視鏡検査訓練センターを開設したと発表した。
富士フイルムとUMMCは、医学生を対象に教育プログラムや研修なども実施し、内視鏡技術の向上などを通じて、マレーシアにおける質の高い医療サービス提供に貢献する方針だ。
富士フイルム・マレーシアの松浦裕之社長は、同社の内視鏡システムにより絶えず新しい機会が生み出されており、病気の早期発見に貢献していると述べた。マレーシアの医療教育に内視鏡検査システムを提供できることを嬉しく思うとし、今後もUMMCとの協力を強化したいと言明。総合的なヘルスケア企業として、経済的かつ法的責任を果たし、地域の環境や社会問題を理解した上で、事業活動を通じて問題を解決に導くことを目指すと述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、3月21日)

オミクロン株亜種「BA.2」が今後主流へ=保健省

【クアラルンプール】 保健省のノール・ヒシャム事務次官は21日、新型コロナウイルス「Covid-19」のオミクロン株亜種「BA.2」が間もなく国内で主流になると予想していることを明らかにした。

研究所・大学が行なっているゲノム解析の結果によると、国内ではすでにデルタ株ではなくオミクロン株が優勢となっている。現在確認されているオミクロン株亜種「BA.1」、「BA.1.1」、「BA.2」の中では「BA.2」の感染力が高いため、今後の新規感染者増加が懸念されているという。

 「BA.1.1」の感染率は1月の38.3%から2月には48.7%まで上昇したが、3月(1日-17日)には40%に低下。「BA.2」は1月は0.9%、2月は2.7%だったものの、3月17日現在で27.1%まで増加している。デンマーク、インド、ネパールなどでも同様の状況が報告されているという。
保健省では、「BA.2」に対する警戒を強めると同時に、後遺症が長引くという特徴を持つデルタ株亜種への懸念もあることから、ワクチン未接種者や追加(ブースト)接種未完了者に対し、改めて接種を呼びかけている。重症化、入院、集中治療室(ICU)入院を防ぐために追加接種は有効であるとして、エンデミック(風土病)段階への移行に備え、特に子供や高齢者への追加接種を勧めるとした。追加接種については、成人の65.7%が接種済だが、5歳-11歳では35.3%しか接種完了していないという。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、3月22日、ブルームバーグ、3月21日)

新型コロナの感染者数は1万7828人、累計で400万人超える

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は、21日の新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数は1万7,828人だったと発表した。2日連続で2万人を下回った。累計感染者数は401万952人となった。
新たに1,260人が入院。うちカテゴリー1(無症状)、カテゴリー2(軽度の症状)が737人、重症患者とされるカテゴリー3(肺炎の症状)、カテゴリー4(酸素吸入が必要)、カテゴリー5(人工呼吸器を装着する必要)は523人だった。
新たに2万8,003人が回復し、累計治癒者は371万2,668人となった。死者数は63人で、累計は3万4,463人。アクティブ感染者は、前日から1万238人減って26万3,821人となった。うち96.7%が自宅、0.5%が低リスク者用隔離・治療センター(PKRC)、2.6%が医療機関、0.2%が集中治療室(ICU)で療養中となっている。病床使用率は65.2%に上昇した。
同日午後11時59分時点のワクチン接種完了者数は、2,578万8,833人で、接種率は79.0%だった。ブースター接種完了者は1,550万7,221人で、接種率は47.5%に上昇した。
1人の感染者が何人に感染を広げる可能性があるかを示す基本再生産数(R0/RT)は0.92で横ばい。ペラ州、サラワク州で1.00を上回った。
また新たに2カ所のクラスターを確認。ペナン州とセランゴール州の重症化リスクの高い集団で発生した。現在感染者を出し続けているアクティブなクラスター数は292カ所に減った。