【クアラルンプール】 保健省のノール・ヒシャム事務次官は21日、新型コロナウイルス「Covid-19」のオミクロン株亜種「BA.2」が間もなく国内で主流になると予想していることを明らかにした。

研究所・大学が行なっているゲノム解析の結果によると、国内ではすでにデルタ株ではなくオミクロン株が優勢となっている。現在確認されているオミクロン株亜種「BA.1」、「BA.1.1」、「BA.2」の中では「BA.2」の感染力が高いため、今後の新規感染者増加が懸念されているという。

 「BA.1.1」の感染率は1月の38.3%から2月には48.7%まで上昇したが、3月(1日-17日)には40%に低下。「BA.2」は1月は0.9%、2月は2.7%だったものの、3月17日現在で27.1%まで増加している。デンマーク、インド、ネパールなどでも同様の状況が報告されているという。
保健省では、「BA.2」に対する警戒を強めると同時に、後遺症が長引くという特徴を持つデルタ株亜種への懸念もあることから、ワクチン未接種者や追加(ブースト)接種未完了者に対し、改めて接種を呼びかけている。重症化、入院、集中治療室(ICU)入院を防ぐために追加接種は有効であるとして、エンデミック(風土病)段階への移行に備え、特に子供や高齢者への追加接種を勧めるとした。追加接種については、成人の65.7%が接種済だが、5歳-11歳では35.3%しか接種完了していないという。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、3月22日、ブルームバーグ、3月21日)