日本への昨年の合板輸出量は11.5%増、再びシェアトップに

【クチン】 マレーシアから日本への広葉樹合板の輸出量は昨年、11.5%増加の79万4,800立方メートルとなり、大幅に回復。昨年トップだったインドネシアの71万4,900立方メートルを上回った。日本の合板市場におけるマレーシアの構成比は43%となり、再びトップとなった。
国際熱帯木材機関(ITTO、本部・横浜市)によると、日本は合板の需要が増加していることから、ベトナムや中国からも合板の輸入を拡大しており、ベトナムからは昨年20万7,100立方メートル(2019年は13万立方メートル)、中国からも昨年は13万5,800立方メートル(2019年は13万1,200立方メートル)をそれぞれ輸入した。
12月単月ではマレーシアから日本への合板輸出量は5万1,200立方メートルで、11月の6万600立方メートルを下回った。
サラワク木材産業開発公社(STIDC)の統計によると、サラワクから日本への丸太輸出量は昨年、1万5,158立方メートル(1,580万リンギ)で3位となった。トップはインドが50万6,582立方メートル(4億4,850万リンギ)、2位は台湾で4万339立方メートル(3,800万リンギ)だった。
(ザ・スター、3月14日)

ペトロナスとENEOS、CO2出さない商用水素生産に向け調査

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 国営石油会社、ペトロリアム・ナショナル(ペトロナス)は11日、ENEOS(本社・東京都千代田区)との間で、二酸化炭素(CO2)を発生させずに水素を生産する事業の商業化に向け実現可能性調査を実施することで協定を締結したと発表した。
両社は昨年8月、CO2フリー水素のサプライチェーン構築に向けた協業検討について覚書を交わしており、その覚書の下で実現可能性調査を実施する。ペトロナスが所有するトレンガヌ州ケルティの施設において、CO2排出量が少ない低炭素水素や、水力発電を活用したグリーン水素の生産、水素を輸送しやすいメチルシクロヘキサン(MCH)に変換する技術や商業可能性が行われる予定だ。施設の水素生産・変換能力は2027年までに年間最大5万トンとする。生産した水素をMCHに変換して日本に輸出、その後ENEOSの製油所を介して日本の産業界に供給するという。実現した場合、世界初の商業規模での水素生産・MCH変換事業となるという。最終的な投資決定は2023年末までに行われる見通しだ。
ペトロナスとENEOSは、覚書の下で国内外で他の水素プロジェクトおよび技術面でも協力し、事業機会を模索しているという。

日馬両国、サプライチェーン混乱への対応で連携強化へ

【クアラルンプール】 アズミン・アリ上級相(兼通産相)は13日、岸田文雄総理の特使としてマレーシアを訪問した安倍晋三元首相と会談を行ない、世界的なサプライチェーンの混乱に対応するため、両国間の協力を強化することで合意したと明らかにした。
通産省によると、両者は、▽両国の貿易・投資関係の強化▽ルックイースト(東方)政策40周年▽地域的な包括的経済連携(RCEP)および包括的及び先進的な環太平洋経済連携協定(CPTPP)▽2025年大阪万博の開催ーーなどについて協議した。
▽新型コロナウイルス「Covid-19」対策▽スマートシティ開発▽通信インフラ▽ネットゼロカーボン(二酸化炭素排出実質ゼロ)のためのエネルギー転換ーーなどの分野において、両国が近年協力を深めていることを再確認し、今後も世界的なサプライ・チェーンの課題を解決するための相互協力が不可欠であると同意した。
安倍元首相はまた、40年目を迎えた東方政策を称賛し、貿易・投資、人材育成、人的関係の促進における有効性を強調したという。
日本はマレーシアにとって世界第4位、東アジア地域では中国に次ぐ第2位の貿易相手国であり、マレーシアは日本にとって第10位の貿易相手国。両国間の貿易総額は1,489億8,000万リンギで、マレーシアの対日輸出額は752億7,000万リンギ、対日輸入額は737億1,000万リンギ。2021年時点で、日本が参加する製造業プロジェクトは2,709件、投資総額は909億リンギで、33万7,280人の雇用機会を創出した。投資分野の大半を電子・電気製品、化学品・化学製品、非金属鉱物製品、輸送機器が占める。
(エッジ、ベルナマ通信、ニュー・ストレーツ・タイムズ、3月13日)

安倍晋三元首相、政府特使でマレーシア訪問

【プトラジャヤ=マレーシアBIZナビ】 安倍晋三元首相は、3月10日から13日まで岸田文雄総理の特使としてマレーシアを訪問した。日本・マレーシア外交関係開設65周年及びルックイースト(東方)政策40周年に合わせたもの。
安倍元首相は11日、アブドラ国王へ謁見。その後、イスマイル・サブリ・ヤアコブ首相との会談及び夕食会の場で岸田総理の親書を手渡し、日馬の二国間関係や地域・国際情勢について意見交換を行った。
12日には、マレーシア国際イスラム大学(IIUM)の入学式で東方政策40周年記念講演を行い、東方政策の成果を振り返りつつ、今後の東方政策、二国間関係、及び地域・国際社会の諸課題に対する連携の在り方等について言及。IIUMより政治経済学の名誉博士号の授与を受けた。
その他、アズミン・アリ上級相(兼通産相)との会談、IIUM関係者との昼食会、元日本留学生や経済関係者及び日系企業関係者との意見交換、現地の日系企業視察、クアラルンプール日本人墓地への献花等を実施した。

新型コロナの感染者数は2万2535人、R0は1下回る

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は、13日の新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数は2万2,535人だったと発表した。累計感染者数は382万3,571人となった。
新たに1,757人が入院。うちカテゴリー1(無症状)、カテゴリー2(軽度の症状)が1,036人、重症患者とされるカテゴリー3(肺炎の症状)、カテゴリー4(酸素吸入が必要)、カテゴリー5(人工呼吸器を装着する必要)は721人だった。
新たに2万5,356人が回復し、累計治癒者は346万8,888人となった。死者数は87人で、累計は3万3,807人。アクティブ感染者は、前日から2,908人減って32万876人となった。うち96.4%が自宅、0.8%が低リスク者用隔離・治療センター(PKRC)、2.7%が医療機関、0.2%が集中治療室(ICU)で療養中となっている。病床使用率は66.8%に下降した。
同日午後11時59分時点のワクチン接種完了者数は、2,577万2,154人で、接種率は78.9%だった。ブースター接種完了者は1,528万702人で、接種率は46.8%に上昇した。
1人の感染者が何人に感染を広げる可能性があるかを示す基本再生産数(R0/RT)は0.97に下降。サバ州、ラブアン、ペルリス州、クランタン州以外の州・地域で1.00を上回った。
また新たに6カ所のクラスターを確認。現在感染者を出し続けているアク