サバ州、入境者へのオンライン健康申告書提出要件を廃止

【コタキナバル】 サバ州政府は、同州への入境者に対して提出を義務付けていたオンライン健康申告書(e-HDF)の要件を3月14日付けで廃止すると発表した。
今後は新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチン接種ステータス及びリスクステータスを情報・追跡アプリ「MySejahtera」上で提示するだけで入境できる。
同州新型コロナ対策部署のスポークスマンによると、14日時点の新規感染者は前日から223人減って622人となった。うち98.39%に当たる612人はカテゴリー1、2の軽症で、カテゴリー3、4は2人、カテゴリー5は6人だった。死者数は5人だった。
ただクラスターでない散発的感染ケースが64%を占めており、公共の場所などでの感染のリスクが依然として高い状況が続いている。新規感染者数はコタキナバル地区だけが192人と3桁で、13地区が2桁となっている。
(ボルネオ・ポスト、ニュー・ストレーツ・タイムズ、3月14日)

原油や小麦の価格上昇で食料品も高騰、露のウクライナ侵攻で

【ペタリンジャヤ】 ロシアによるウクライナ侵攻を背景に、原油や小麦の価格高騰が続いている影響で、マレーシアでは食料品の価格が上昇している。
バンク・イスラムのエコノミスト、アフザニザム・アブドル・ラシド氏は、燃料補助金によりガソリン価格の上昇を緩和できているものの、特に食料品の価格が上昇しており、消費者の購買力などに影響が出ていると指摘。政府は補助金を撤廃するべきではないとした。統計局が発表した2022年1月の消費者物価指数(CPI=2010年を100として算出)では、CPIを構成する食料・飲料のグループが前年同月比3.6%、前月比0.6%それぞれ上昇したと指摘。パン、ベーカリー、ビスケットの販売価格が前月比で1.2ー2.7%、また店舗で提供されるロティチャナイやチャー・クイティオ、ミーフンの価格も3.5ー5.7%それぞれ上がっているとした。その上で、政府は公正で透明性のある値上げが行われるように、価格統制や反競争に関わる関連法や規制を実施しながら、補助金の撤廃を段階的に実施するために再検討するべきとした。
Amバンクチーフ・エコノミストのアンソニー・ダス氏は、トウモロコシや大豆、パーム油などの価格も上昇すると予想。原油の価格上昇は消費者や企業などにとり苦しいものとなるが、政府には恩恵をもたらすとした。ブレント原油価格が1米ドル上昇するとCPIは0,03%ほど上昇するが、政府には追加で3億リンギの税収となると指摘。今年度予算案は1バレル当たり67米ドルで算出されたが、現在1バレル=90米ドル程度になっていることから、72億米ドルの追加税収が見込まれると分析した。またサンウェイ大学のイア・キムレン教授も、原油および小麦の価格高騰の影響は、非常に消費者にとり不利益で、政府や生産者にとり有益であり、不公平だと指摘。政府は小麦への補助金を導入し、低所得の人々が恩恵を得られるような燃料補助金制度を新たに策定すべきとした。
(ザ・サン、3月15日)

KLーシンガポール高速鉄道計画、近く復活に向けて折衝開始

【クアラルンプール】 2020年末でいったん中止が決まったクアラルンプール(KL)ーシンガポール間の高速鉄道(HSR)事業について、ウィー・カション運輸相は下院議会の答弁で、今年第2四半期中にもシンガポールとの間で復活に向けた折衝を開始すると明らかにした。
KLーシンガポール間HSR建設計画は最高時速350キロメートルの高速鉄道で両都市を結ぶというもので、2013年に両国が基本合意したが、2018年9月、財政悪化を懸念する当時のマハティール・モハメド内閣の判断によって中断。2020年5月末に再開される予定だったが、ムヒディン・ヤシン前首相政権下で新型コロナの影響もあって延期論が浮上し、最終的に2020年末をもって両国の同意を得て中止が決定した。しかしイスマイル・サブリ・ヤアコブ首相に政権が代わってから再開論議が始まっていた。
一方、KLーバンコク間のHSR建設計画に関してウィー運輸相は、2月25日のイスマイル首相のタイ訪問を受け、事業化調査の実施に向けた検討に入ったことを明らかにした。KL バンコク間HSRについては、マレーシア・タイ両国が、両国の経済関係強化のために高速鉄道計画を研究することで2016年に合意していた。
ペナン州のバヤンレパス軽便鉄道(BLLRT)プロジェクトについては、同州経済計画企画局(BPEN)が公共陸運局(APAD)の要件を満たした後に最終承認されることになると述べた。BLLRTは州政府庁舎が入居するジョージタウンのコムターとバヤンバル、バヤンレパス、ペナン国際空港などを結ぶ路線で計画されている。
(ザ・スター、3月14日)

アインと丸紅が合弁会社設立、KLに「アインズ&トルペ」開設へ

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 アインホールディングス(本社・北海道札幌市白石区)は14日、丸紅と、アインHDが運営するドラッグ&コスメティックストア「AINZ&TULPE(アインズ&トルペ)」のアジア展開を目的とした合弁会社を設立したと発表した。
2社は合弁会社を通じ、クアラルンプール市内の商業施設「パビリオン・ブキ・ジャリル」に開業する「ブキ・ジャリル 蔦屋書店」に、アインズ&トルペの海外初店舗「アインズ&トルペ パビリオン・ブキ・ジャリル」を5月にオープンする。コスメ、化粧雑貨など、マレーシアで初となるブランドを中心に、品質に定評がある日本発の商品を展開するという。また、2022年中にクアラルンプール市内に複数店舗を出店する計画だ
アインHDと丸紅は、マレーシアが、コスメなどのパーソナルケア商品の人口当たりの支出が多いことに加え、アインズ&トルペがターゲットとするミレニアル世代とZ世代の人口比率が高く、消費者がデジタルとの親和性があり、SNSをきっかけとした消費の増加、オンライン販売手法の多様化などのダイナミックな消費行動の変化が起こっているとみている。そこで、これら消費者の行動変化を先取りした、新しい小売りの形を追求すべく、両社は、幅広く専門的な品ぞろえに加え、ビューティーケアからヘルスケアまでサポートするアインの店舗運営と、丸紅グループの海外合弁事業の経験と次世代事業開発の知見を生かし、ミレニアル世代とZ世代に対し店舗とオンラインで垣根なく接客を行うことで、ニーズに合った商品を選べる環境を提案していくという。
アインHDと丸紅は、マレーシアを足掛かりに、アインズ&トルペのアジア各国への展開も目指すとしている。

新型コロナの感染者数は2万2030人、R0は1下回る

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は、14日の新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数は2万2,030人だったと発表した。累計感染者数は384万5,601人となった。
新たに1,521人が入院。うちカテゴリー1(無症状)、カテゴリー2(軽度の症状)が887人、重症患者とされるカテゴリー3(肺炎の症状)、カテゴリー4(酸素吸入が必要)、カテゴリー5(人工呼吸器を装着する必要)は634人だった。
新たに3万3,872人が回復し、累計治癒者は350万2,760人となった。死者数は92人で、累計は3万3,899人。アクティブ感染者は、前日から1万1,934人減って30万8,942人となった。うち96.5%が自宅、0.7%が低リスク者用隔離・治療センター(PKRC)、2.7%が医療機関、0.2%が集中治療室(ICU)で療養中となっている。病床使用率は68.3%に上昇した。
同日午後11時59分時点のワクチン接種完了者数は、2,577万5,007人で、接種率は78.9%だった。ブースター接種完了者は1,531万7,615人で、接種率は46.9%に上昇した。
1人の感染者が何人に感染を広げる可能性があるかを示す基本再生産数(R0/RT)は0.96に下降。サバ州、ラブアン、ペルリス州、クランタン州以外の州・地域で1.00を上回った。
また新たに2カ所のクラスターを確認。セランゴール州の教育機関とクアラルンプールの感染すると重症化するリスクが高いグループで発生した。現在感染者を出し続けているアクティブなクラスター数は377カ所に減った。