【クアラルンプール】 2020年末でいったん中止が決まったクアラルンプール(KL)ーシンガポール間の高速鉄道(HSR)事業について、ウィー・カション運輸相は下院議会の答弁で、今年第2四半期中にもシンガポールとの間で復活に向けた折衝を開始すると明らかにした。
KLーシンガポール間HSR建設計画は最高時速350キロメートルの高速鉄道で両都市を結ぶというもので、2013年に両国が基本合意したが、2018年9月、財政悪化を懸念する当時のマハティール・モハメド内閣の判断によって中断。2020年5月末に再開される予定だったが、ムヒディン・ヤシン前首相政権下で新型コロナの影響もあって延期論が浮上し、最終的に2020年末をもって両国の同意を得て中止が決定した。しかしイスマイル・サブリ・ヤアコブ首相に政権が代わってから再開論議が始まっていた。
一方、KLーバンコク間のHSR建設計画に関してウィー運輸相は、2月25日のイスマイル首相のタイ訪問を受け、事業化調査の実施に向けた検討に入ったことを明らかにした。KL バンコク間HSRについては、マレーシア・タイ両国が、両国の経済関係強化のために高速鉄道計画を研究することで2016年に合意していた。
ペナン州のバヤンレパス軽便鉄道(BLLRT)プロジェクトについては、同州経済計画企画局(BPEN)が公共陸運局(APAD)の要件を満たした後に最終承認されることになると述べた。BLLRTは州政府庁舎が入居するジョージタウンのコムターとバヤンバル、バヤンレパス、ペナン国際空港などを結ぶ路線で計画されている。
(ザ・スター、3月14日)