【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 電子部品のローム・ワコー(本社・岡山県笠岡市)は13日、クランタン州コタバルにあるグループ製造子会社、ローム・ワコー・エレクトロニクス(マレーシア)(RWEM)の工場に建設していた新棟が完成し、竣工式を行ったと発表した。

新棟は地上3階建てで、建築面積は9,860平方メートル、延床面積は2万9,580平方メートル。今後、製造装置の導入を進め、2024年10月より稼働予定で、RWEM全体の生産能力は最終的に約1.5倍になる見込みだ。

RWEMはこれまでダイオードやLEDなど小信号デバイスを中心に生産していたが、新棟ではアナログICの注力商品の一つである絶縁ゲートドライバの生産を開始する予定だ。需要が拡大する絶縁ゲートドライバICを中心にアナログICの生産能力を強化する。

RWEMの生産能力強化を図るとともに、BCM(事業継続マネジメント)の観点からアナログIC生産工場の多拠点化を推進する。省エネルギー技術を用いた設備を導入し、環境負荷軽減(従来比CO2 約15%削減見込)に努めるとともに、最新の各種災害対策を導入することによりBCM体制の一層の強化を図る。

ローム・ワコーは、絶縁ゲートドライバは、IGBTやSiCといったパワー半導体を最適に駆動させるためのICで、電気自動車や産業機器の省エネ、小型化を実現する上で重要な役割を果たすため、需要の拡大が期待されるとしている。

なおRWEMは、2024年1月に社名をローム・エレクトロニクス(マレーシア)に変更する。