マクドナルドマレーシア、店舗に対する破壊行為に懸念表明

【ペタリンジャヤ】 イスラエルのパレスチナ・ガザ侵攻に対する米国の支援を理由に米国企業に対するボイコット運動が続く中、外食チェーンのマクドナルド・マレーシアは、一部の店舗で看板や広告板などへの破壊行為が相次いでいるとして懸念を表明した。

アズミール・ジャアファル社長は、全国の多数のレストランでの破壊行為が「頻度と深刻さが増している」と指摘。「こうした行為は従業員や周辺地域に多大な危害と苦痛を与えている。個人の意見表明の権利は尊重するが、破壊行為は控えるよう訴えたい」と述べた。

アズミール氏はまた、従業員に向けられた「非常に憂慮すべき」攻撃についても言及し、「ガザのパレスチナ人の窮状を擁護することは重要だが、その代償としてマレーシアの同胞を傷つけるべきではない」と強調。「100%イスラム教徒所有の企業として、マクドナルド・マレーシアの人道的活動に対する取り組みは揺るぎない」と述べ、会社としてパレスチナ人道基金に100万リンギを寄付したこと、従業員が募金10万リンギを寄付したことを強調した。

4月24日には、ケダ州スンガイ・プタニで新ドライブスルー店のオープン告知看板がスプレーで落書きされた。看板には「殺人者をボイコットせよ」、「パレスチナの血はお前たちの手にある」、「パレスチナ人を解放せよ」などと書かれていた。またパハン州クアンタンでは先ごろ、マクドナルドの店舗で顧客が5人組の男に脅されたと訴え、警察が5人を逮捕した。
(ザ・スター、6月2日、フリー・マレーシア・トゥデー、6月1日)

中国・吉祥航空、上海ーペナン線を初就航

【ジョージタウン】 中国・吉祥航空は5月31日、上海―ペナン線を初就航した。
上海浦東国際空港からの初便が同日午後10時54分にペナン国際空港に着陸し、歓迎を受けた。

使用機材は乗客定員180名のエアバス「A320neo」型機で、所要時間は約5時間30分。月、水、金、日曜の週4便運航だが、6月22日からデイリー運航に増便する。

ペナンへの国際直行便は全15線で、今年2月にはフライドバイがドバイ線、4月にタイ・ライオンエアがバンコク線を就航した。また、7月27日には深セン線も新規就航される予定。2023年12月から中国人観光客のビザが免除された影響で、中国からペナンを訪問した観光客数は今年1-3月には前年比4.7倍の2万2,420人に達したという。

ペナン州観光創造経済委員会のウォン・ホンワイ委員長は、上海からペナンへの直行便の就航により、より多くの観光客がペナン州を訪れるようになり、ホテル、レストラン、小売、娯楽業など、ペナンの観光産業の様々な部門が大きな恩恵を受けると言明。さらに上海線は観光客にとどまらず、出張者にとっても重要なルートとなり、両都市間のビジネス交流、投資機会、企業提携の新たな道を開くことで、ペナンと上海双方の経済成長と発展に貢献すると述べた。
(マレーシアン・リザーブ、ベルナマ通信、6月1日)

【人生の知恵・仕事の知恵】No one likes poverty

No one likes poverty

★ 原因

先日の某国での研修でのことです。

ある現地男性受講者が貧困についての話題を取り上げ、曰く、「貧困の原因は政府の腐敗にある」と言及しました。

その日の夜、同国に滞在されている日本人の方に、そのことについて話したところ、
「貧困の原因は政府の腐敗と関係ありませんよ。この国の人たちの価値基準はこの国の人たちが決めるのです」と男性の言説を否定されました。

現地の人が貧困は嫌だと話しているにもかかわらず、外国人である日本人がその主張を否定することに首を傾げざるをえませんでした。

★貧困からの脱却

昭和9年、経営に行き詰まりを感じていた松下幸之助が知人の誘いで奈良県の天理市を訪れた時、天理教の人たちが、無報酬で生き生きと作業をしていることに驚きと感銘を受け、企業にも理念が大切であるという考えに思い至りました。

そして、「貧困からの脱却」を企業理念に掲げたことは、時あたかも昭和恐慌直後という世相を反映していたとも言えますし、当時の我が國には娘を売らざるをえないような貧困が存在していたということを物語っています。

★手を見ることが減った日本人

先述のエピソードに戻りますと、貧困と質素であることは明らかに違います。
おそらく、「こちらの国の人の価値基準」を主張された日本人男性は、質素倹約をイメージされたように思います。

しかし、貧困は全く違います。明日の食事にも事欠く姿、自立できない姿、子供を売らざるをえない姿、惨めなものです。

その中で、日本人より陽気に振る舞っているのは、南国特有の気候や人間性にも負っているというだけです。貧困が良いなどという価値判断を持っているはずがありません。

日本人はかつてのすっかり貧困を忘れてしまったと思いますし、改めて経験をすることでもないのですが、少なくとも、現地の人たちの働く理由には、貧困からの脱却があるということを理解しておくことは不可欠です。

湯浅 忠雄(ゆあさ ただお) アジアで10年以上に亘って、日系企業で働く現地社員向けのトレーニングを行う。「報連相」「マネジメント」(特に部下の指導方法)、5S、営業というテーマを得意として、各企業の現地社員育成に貢献。シンガポールPHP研究所の支配人を10年つとめた後、人財育成カンパニー、HOWZ INTERNATIONALを立ち上げる。 【この記事の問い合わせは】yuasatadao★gmail.com(★を@に変更ください)

首都圏鉄道ラピッドレール、1日の利用者数が100万人突破

【クアラルンプール】 首都圏クランバレーの鉄道運営会社、ラピッド・レールは、5月29日に1日あたりの合計利用者数が初めて100万人を突破し、過去最高を記録したと明らかにした。目標を6カ月前倒しで達成した。

利用者数の内訳は、軽便鉄道(LRT)ケラナジャヤ線が28万7,102人、LRTアンパン/スリペタリン線が22万4,184人、KLモノレールが6万1,236人、大量高速輸送(MRT)カジャン線が27万4,302人、MRTプトラジャヤ線が15万7,767人で、合計100万4,591人。前年の同じ日の73万9,818人から35%も増加した。

ラピッド・レールは利用者の増加について、LRTケラナジャヤ線とMRTカジャン線の輸送量増加、不通となっていたLRTアンパン/スリペタリン線のマスジッド・ジャメ駅とバンダラヤ駅間の2月17日の復旧、沿線における新施設のオープン、スクールホリデーなどが貢献したと説明。毎日鉄道サービスを利用している首都圏の住民からの強い支持の表れだとして、利用者に感謝の意を表明した。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・スター、6月1日、ベルナマ通信、5月31日)

第876回:高齢化社会との向き合い方(3)日本の高齢者の元気が無い理由

第876回:高齢化社会との向き合い方(3)日本の高齢者の元気が無い理由

前回は、国民文化としての「男性らしさ」が高齢者差別に関係するというお話でした。

ホフステードの文化軸には「男性らしさ」を加えて全部で6つあり、そのうちの1つに「人生の楽しみ方」があります。この尺度によれば、世界は、充足的な社会と抑制的な社会に分けられます。充足的な社会は、人生を味わい、楽しむことに関わる人間の欲求を自由に満たそうとする社会です。一方、抑制的な社会は、厳しい社会規範によって欲求の充足を抑え、制限すべきだという考え方を持つ社会です。マレーシアは、97ヵ国の中で30番目に充足的な社会(68番目に抑制的な社会)であり、比較的、充足的な社会です。一方、日本は、53番目に充足的な社会(45番目に抑制的な社会)であり、比較的、抑制的な社会であるといえます(Hofstede et al., 2010)。先行研究は、充足的な社会ほど死亡率が低く(Hofstede et al., 2010)、平均寿命が長い傾向にあることを示しています(Gamlath, 2017)。この原因については、充足的な社会では、通常、主観的な幸福感が高く、また幸福であることを肯定的に捉えるため、心血管疾患などのストレス関連疾患による死亡が抑制されるためであると考えられています(ただし、充足的な社会には、ファーストフードやソフトドリンクをより多く消費する傾向があるため、肥満になる可能性が高いという負の側面があります)。

つまり、人生を楽しむ充足的な社会は、高齢者にとって生き易い社会といえます。高齢者がイキイキとした社会であれば、年齢を理由とした差別や偏見も起こり難いと考えられます。日本は健康的な食生活や高い医療技術のお陰で長寿を維持していますが、抑制的な文化がマイナスに働くことで、高齢者は、生き長らえながらも、イキイキとしていないのかも知れません。耐え忍ぶことを良しとする社会から、人生を楽しむことを良しとする社会に変わることで、高齢者が元気になり、差別を受け難くなると考えられます。

 

Gamlath, S. (2017). Human development and national culture: A multivariate exploration. Social Indicators Research, 133, 907-930. https://doi.org/10.1007/s11205-016-1396-0

Hofstede, G., Hofstede, G. J., and Minkov, M. (2010). Cultures and Organizations: Software of the Mind. Revised and expanded 3rd edition, New York: McGraw-Hill.

 

 

國分圭介(こくぶん・けいすけ)
京都大学経営管理大学院特定准教授、東北大学客員准教授、機械振興協会経済研究所特任フェロー、東京大学博士(農学)、専門社会調査士。アジアで10年以上に亘って日系企業で働く現地従業員向けの意識調査を行った経験を活かし、産業創出学の構築に向けた研究に従事している。
この記事のお問い合わせは、kokubun.keisuke.6x★kyoto-u.jp(★を@に変更ください)

【イスラム金融の基礎知識】第545回:イスラム銀行の普及のカギとなるデジタル銀行

第545回:イスラム銀行の普及のカギとなるデジタル銀行

Q: イスラム式のデジタル銀行の意義は?

A: 前回(544回)は、イスラム銀行の普及に関する若者世代を対象としたアンケートについて取り上げた。その中でイスラム銀行が身近にあるかどうかが重視とされることを指摘したが、重要なのは街の銀行とともに、オンライン銀行やネット銀行、デジタル銀行といったパソコンやスマートフォンで利用できる銀行の存在である。

2024年からマレーシアでイスラム式のデジタル銀行をてがけるイオン・ ファイナンシャル・サービスは、今年1月のニュースリリースの中で「店舗を持たない銀行であり(中略)アプリ等を通じて(中略)一連の工程が完結する金融サービスを提供」する銀行としている。マレーシアでは、五つの従来型銀行とイスラム銀行が順次開業することになっており、銀行の利用率のさらに高まることに期待がかかっている。

他方イギリスでは、何らかの形でインターネットにて利用可能な銀行は、およそ100行は存在するとみられているが、このうちイスラム式のデジタル銀行の有力4銀行が知られている。すなわち、カタール資本のアル・ラヤン銀行とカタール・イスラム銀行、およびクウェート資本のゲートハウス銀行とノモ・バンクである。これらの銀行はデジタル銀行という点で共通しているものの、個人向けに特化した銀行や企業向け融資を行う銀行、預金だけでなく不動産や債券などを対象とする投資型預金を行う銀行、英ポンドだけでなく米ドルやユーロ建で預金ができる銀行、そしてアプリから海外送金ができる銀行など、それぞれの特性に合わせた個性的な銀行となっている。

デジタル銀行が身近になるには、インターネットとデバイスの普及が必須となるが、近年はいずれの国でも大幅に高まっている。様々な金融商品・サービスの提供や、色々な方法でアプローチできるアクセス方法などの多様性が、イスラム銀行の普及につながると言えるだろう。

福島 康博(ふくしま やすひろ)
立教大学アジア地域研究所特任研究員。1973年東京都生まれ。マレーシア国際イスラーム大学大学院MBA課程イスラーム金融コース留学をへて、桜美林大学大学院国際学研究科後期博士課程単位取得満期退学。博士(学術)。2014年5月より現職。専門は、イスラーム金融論、マレーシア地域研究。

パナソニック製造、1ー3月期は2.4倍の増益

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 パナソニック・マニュファクチャリング・マレーシアは5月30日、同社2024年度第4四半期(2024年1ー3月)の売上高が前年同期比6.1%増の2億750万リンギ、純利益は前年同期比2.4倍の1,758万リンギとなったと発表した。

ラマダン(断食月)明け祝祭シーズンの中東市場や、エルニーニョ現象による高温が続くASEAN(東南アジア諸国連合)における扇風機製品の輸出拡大、中東市場への掃除機輸出拡大などが売上高アップに貢献した。純利益は売上高の向上に加え、材料費の減少、関連会社からの利益分配の増加により拡大した。

2024年度通期(2023年4月ー2024年3月)では、売上高は前年比8.7%減の9億569万リンギ、純利益は同15.6%増の9,265万リンギとなった。キッチン家電製造事業からの撤退やベトナム市場の扇風機需要の減速の影響で売上高は減少したが、材料費の減少、金利収入の増加、関連会社からの利益分配の増加が純利益増につながった。

同社は今後について、世界経済には地政学的緊張、インフレ率上昇、金融引き締めなどの下振れリスクがある一方、労働市場や貿易の回復に支えられ成長が継続すると予想。不安定な事業環境の中で事業競争力を維持するため、新製品の生産や既存製品のラインナップの拡充を行っており、生産性向上や効率化に向け、製造施設におけるテクノロジー活用を進展させると同時に、コスト削減策を継続的に実施し、収益性を改善していくとした。

スバル、東南アジア市場でのCKD事業を来年終了へ

【クアラルンプール】 スバルは5月30日、マレーシアを含む東南アジアにおける現地組立(CKD)事業を2025年に終了すると発表した。

同社とタンチョン・インターナショナル・リミテッド(TCIL)が共同で香港証券取引所に宛てた声明によると、長期的に持続可能ではないと考えられるCKDを段階的に廃止し、事業転換を行う。具体的には、タイ、ベトナム、マレーシア、カンボジア市場で、日本からの輸入完成車(CBU)販売に移行する。

スバルとTCILは、2017年にタイでのCKDに向け、合弁会社タンチョン・スバル・オートモーティブ(タイランド)(TCSAT)を設立した。マレーシアでは、タンチョン・モーター・ホールディングスの子会社タンチョン・モーター・アセンブリーズがクアラルンプールのセガンブット工場で第2世代「XV」を生産している。かつては第4世代「フォレスター」の組立も行っていた(第5世代はタイでのCKDとなっている)。

スバル車のマレーシア販売代理店であり、アフターサービスを提供するTCスバル(TCS)も、2025年より国内販売される新型スバル車はCBUとなると発表した。
TCSは声明で、スバル認定技術者の専門知識およびスバル純正部品により、全国のスバル販売店で引き続き包括的なサポートやサービスを提供していくと述べた。
(ポールタン、5月31、30日)