【クアラルンプール】 マレーシア政府は、物品・サービス税(GST)の再導入を見送り、現行の売上・サービス税(SST)のみの制度を維持する方針だ。アミル・ハムザ・アジザン第2財務相は29日、生活費の負担が続く中、国民への影響を考慮する必要があるとして、SSTの改善を続ける考えを示した。

アミル・ハムザ氏は下院における2027年度予算案に関する財務省の審議答弁で、GSTは低所得層ほど所得に占める財・サービスへの支出割合が高いため、逆進的な性格を持つと説明。税率が同じでも、所得に対する負担は低所得層のB40や中間所得層のM40で相対的に重くなると指摘した。

一方、SSTは課税対象とする商品・サービスを政府が選択でき、生活必需品を非課税とするなど、より対象を絞った課税が可能だと強調。今後もSSTを見直し、税の重複による負担や企業の納税手続きを簡素化する方針だと述べた。
財政見通し2027によると、SST収入は2025年の559億リンギから、26年には670億リンギに増加する見通し。27年には733億リンギに達し、2年間で174億リンギ増えると予測されている。

アミル・ハムザ氏は、SST収入は国内総生産(GDP)の3%に相当し、GSTが導入されていた2017年と同水準に達していると説明。GSTに切り替えても税収が必ずしも増えるわけではなく、輸出企業を含む事業者から国民へ税負担が移る可能性があると述べた。

またアミル・ハムザ氏は、GSTは徴税効率や透明性、仕入税額控除の仕組みに利点があると認める一方、納税手続きに伴う企業の負担にも言及した。GST登録企業は2018年に約70万社だったのに対し、SST登録企業は26年に約13万社にとどまるという。
(ベルナマ通信、ザ・スター電子版、ザ・サン、エッジ、10月29日)