外国人旅行者への国境再開、1月までに実施へ=ムヒディン前首相

【クアラルンプール】 マレーシア政府は、海外からの外国人旅行者に対して遅くとも来年1月1日までに国境を再開する方針を固めた。新型コロナウイルス「Covid-19」パンデミックからの復興計画を策定する国家復興評議会のムヒディン•ヤシン議長(前首相)が明らかにした。

観光業の復興支援を目的とした措置。ムヒディン氏は事業を再開するために旅行関連事業者が時間やリソースを要しているというのもあるが、外国人旅行者なしの状態にあるせいで回復ペースが遅すぎると指摘。ただ感染検査などの予防措置は今後も継続するとし、旅行者の出身国の感染状況などを考慮して当局が決定すると述べた。また具体的な実施日に関しては言及を控えた上で、保健省や治安機関によって検討されることになると述べた。

マレーシアは今週に入ってから、シンガポールとの間でワクチン接種を条件に11月29日付けで検疫なしで相互往来できるようにすると発表。インドネシアとの間でも2022年初めまでに開始することで合意した。

(ロイター、ザ・スター、11月11日)

5G通信網計画、いまだ通信事業者の同意得られず

【ペタリンジャヤ】 第5世代移動通信(5G)ネットワーク計画について、携帯電話会社は民業圧迫や設定価格の懸念からいまだ同意していない。業界関係者が明らかにした。
10日付けで第5世代移動通信(5G)ネットワークの国内展開を開始するとの発表が行なわれたが、デジタル・ナショナル(DNB)の関係者はロイター通信の取材に対し、当初の交渉スケジュールが楽観的すぎたとし、実際は通信事業者との間でいまだ合意に達していないと述べた。DNBは5G基盤整備のために国が設立した特別目的事業体(SPV)で、各通信業者に5Gネットワーク回線を卸販売する立場。
DNBは来年初頭に通信事業者との間で長期契約を締結することを目指し協議を続けていく予定だ。年内に通信事業者数社の参加により500拠点間の5Gネットワークを構築することを第一の目標とするという。
ロイター通信はまた、情報筋の話として、5Gの普及を目指しインフラ更新に投資してきた通信事業者が、5Gネットワークが国有化されることを懸念しており、万が一そうなった場合、事業に大きな打撃を受けるおそれがあると報じている。携帯電話会社の市場価値が最大で450億リンギ損なわれるという試算もあり、また、DNBにより提案されている料金体系では、通信事業者は独自でサービス展開する場合よりも高いコストを負担することになるという。
通信事業者は、DNBの価格案では割に合わないとして大幅な修正を求めている。同時にDNBに対し「回線卸売のみを行ない、5G容量の自社確保や小売については行なわない」という確証を求めているという。
(フリー・マレーシア・トゥデー、11月9日)

 

マレーシアとインドネシア、隔離なしの往来再開で合意

【ジャカルタ】 インドネシアを公式訪問中のイスマイル・サブリ・ヤアコブ首相は10日、インドネシアのジョコ・ウィドド大統領と会談し、両国間の人の往来を再開するための「トラベルコリドー制度(TCA)」を2022年初めまでに開始することで合意した。
「ワクチン接種完了者向けトラベル・レーン(VTL)」とよばれる同制度は、新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチン接種を完了した者を対象に隔離なしで双方の出入国を認めるというもの。ワクチン接種証明やPCR感染検査結果の相互承認も含まれる。ワクチン接種が完了した者、公用、ビジネス、医療、人道上の理由による渡航を優先して実施する。
当面はクアラルンプール(KL)ージャカルタ、KLーバリ間の航空路線から開始し、段階的に感染リスクの低いエリアに適用範囲を拡大する。
マレーシアはシンガポールとの間でも、11月29日付けでワクチン接種完了者を対象に隔離なしの空路往来を認めることで合意している。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・スター、ザ・サン、ベルナマ通信、11月日)

5G通信網、10日よりKLなどで運用開始

【クアラルンプール】アヌアル・ムサ通信マルチメディア相は、10日付けで第5世代移動通信(5G)ネットワークの国内展開を開始すると発表した。
1年以内にクアラルンプール、プトラジャヤ、サイバージャヤで5Gネットワークの運用を開始し、2022年にはペナン、セランゴール、ジョホール、サバ、サラワクなど人口密度の高い州を中心に展開、その後段階的に全国展開を進め、人口カバー率36%を目指すという。同相は、5Gにより様々なハイテク分野で新たな雇用機会が創出され、ビジネスに変革がもたらされると強調した。
同相はまた、進行中の国家デジタル・ネットワーク計画(JENDELA)について、デジタル経済センター(PEDi)の設立を予定しているとした。PEDiは、既存のコミュニティ・インターネット・センターの改訂版で、一般の人々が最新のデジタル技術や電子商取引について学び、収入を得られるようにするもの。通信マルチメディア省では、新型コロナウイルス「Covid-19」感染症がエンデミック(風土病)段階に移行するのに合わせ、経済活動の再開を支援し、収入を得るための教育プログラムを再開していくという。
(ベルナマ通信、11月9日)

ファーマニアガ、ドローンによる遠隔地への医薬品配達を検討

【クアラルンプール】 製薬会社ファーマニアガは8日、遠隔地など医療サービスが行き届きにくい地域において、無人航空機もしくはドローンを利用した医薬品の配達を検討していると明らかにした。
発表した声明の中で、ファーマニアガはドローンを利用した配達は従来の配達方法よりも5倍ほど効率的と評価されていると説明。ドローンを利用することで、配達時間とコストの削減、サプライチェーンの効率を高めることを目的としているとした。
同社は、実証実験の第1弾として「プロジェクト・イーグル」をペラ州のパンコール島で実施。保健省や科学技術革新省、マレーシア民間航空局(CAAM)などの協力のもとで行った。マンジュンの桟橋から4.2キロメートル離れたパンコール島内のクリニックへ3キログラムの医薬品を配達するという、国内初の長距離かつ海を超えてのドローンを利用した配達となった。操縦は女性が行い、天候や視界も悪かったが、通常は30分かかるところ3.5分で配達でき、成功裏に終わったという。
ファーマニアガは、サバ、サラワク州を含む他の地域においても段階的に実証実験を行う計画だ。
(ザ・スター、11月9日、ベルナマ通信、11月8日)

イベルメクチンは重症化防げず、予防効果の確認試験へ

【クアラルンプール】 保健省(MOH)は5日、寄生虫駆除薬のイベルメクチンは新型コロナウイルス「Covid-19」の重症化を防げず、コロナ治療には使用できないと発表した。
臨床研究所(ICR)がカテゴリー2(軽症)、3(肺炎発症)の患者500人を対象に臨床試験を行ない、基礎疾患を持つ50歳以上の患者が発病後1週間以内にイベルメクチンの投与を受けることで、重症化を防げるかどうかを調べた。無作為に「標準治療のみを受けるグループ」「標準治療に加え5日間のイベルメクチン投与を受けるグループ」の2つに分けた結果、両グループの重症化には差がなく、ICU使用率、呼吸補助装置の使用率、回復率、血液パラメーター、胸部CT画像などの点でも有意な差は認められなかった。イベルメクチン投与者には下痢を中心とする副作用があったという
保健省のノール・ヒシャム事務次官は、イベルメクチンはコロナ重症化のリスクを低減しないため、現行の治療ガイドラインに含めることは推奨できないとし、さらに裏付けとなる証拠が得られるまではイベルメクチンを推奨しないよう医療従事者に対して注意を喚起した。
一方、MOHとICRは、イベルメクチンの濃厚接触者に対する感染予防効果について調べるため、早ければ来月にも臨床試験を開始する予定だと発表した。ケダ州、ペラ州、ペナン州、ペルリス州の医療施設10カ所で、18歳以上の濃厚接触者300人を対象に行なう。隔離開始後1日目と2日目にイベルメクチンを投与、隔離前・隔離開始後8日目にRT-PCR検査を実施し感染状況を調べる。現在、試験実施について国家医薬品規則庁(NPRA)の承認待ちの段階となっている。
イベルメクチン支持者は「イベルメクチンにコロナ感染予防効果がある」という主張を行なっており、本臨床試験にはその主張を確かめる意図があると見られる。
(フリー・マレーシア・トゥデー、ベルナマ通信、11月7日、ザ・スター、11月5日)

 

配車サービス「エアアジアライド」、ペナン島で運行開始

【ジョージタウン=マレーシアBIZナビ】 格安航空会社エアアジアは10月30日、配車サービス「エアアジア・ライド」の運行をペナン島で開始した。
エアアジア・ライドはこれまで、首都圏とケダ州ランカウイ島でサービスを展開していた。アプリの「ライド」アイコンもしくはウェブサイトから配車予約ができる。
ペナン州のチョー・コンヨー州首相は、エアアジアが展開するアプリは配車サービスおよびEコマース産業に貢献をもたらすと言明。「エアアジア・ライド」の提供開始によりドライバーの雇用創出や、観光客に手頃な価格の移動方法をもたらすとした。また州内の小規模事業者やレストランなどに対しても、食事デリバリーの「エアアジア・フード」を活用することを呼びかけ、事業をデジタル化することで市場を拡大することができるとした。
エアアジア・ライド・マレーシアのリム・チュウシャン最高経営責任者(CEO)は、「エアアジア・ライド」の利用者は従来よりも10ー15%ほど安く移動でき、ドライバーは利用者が支払った料金の85%を報酬として受け取ることができると説明、フライト予約時に配車サービスも予約可能で、ドライバーも事前予約があることで仕事を確保し時間を節約できるとし、利用者とドライバー双方に恩恵をもたらす仕組みになっているとした。

ファストフードの比「ジョリビー」、サンウェイにオープンへ

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 フィリピンのファストフード・チェーン「ジョリビー」は、セランゴール州ペタリンジャヤのショッピングモール「サンウェイ・プラミッド」にマレーシア2号店をオープンする。
「サンウェイ・ピラミッド」は、フェイスブックに開店準備のために改装中であるとし、写真を投稿した。店舗がオープンするのは地下2階の飲食店街で、韓国式焼肉レストラン「ソウル・ガーデン」の隣となる。しかしオープン日については明記しなかった。
「ジョリビー」のマレーシア1号店は、サバ州コタキナバルに2018年にオープン。2019年にはマレーシア・イスラム開発局(JAKIM)よりハラル認証を取得した。フライドチキンやスパゲッティ、フライドチキンサンドイッチ、ハンバーガー、ホットドッグ、フライドポテト、ソフトドリンクなどを提供している。
ジョリビー・フーズ・コーポレーションズ(JFC)は7月29日、フィリピン証券取引所に提出した声明において、JFCの完全子会社であるゴールデン・プレート(GPPL)とビーワークス・インベストメント(BIPL)が合弁企業(JV)を立ち上げて、西マレーシアにおいて「ジョリビー」を所有・運営すると発表。西マレーシアにおいて、2022年から10年間をかけて120店舗を開設するとしていたものの、出店先については明らかにしていなかった。

ウエストポーツの滞貨、荷役会社の生産性・利益に影響

【クアラルンプール】 クラン港の貨物ターミナル、ウエストポーツのコンテナヤード(海上コンテナの一時保管施設)でコンテナ渋滞が続いており、運営会社ウエストポーツ・ホールディングスの生産性が落ちている。
中国・マレーシア合弁証券CGS-CIMBのアナリスト、レイモンド・ヤップによると、第4四半期(10ー12月)の純利益は低迷した前期並みの1億7,900万リンギ、通期利益は7%増の7億2,200万リンギが予想されるという。
渋滞の主因はベトナム、バングラデシュ向けコンテナが両国におけるロックダウンのため保管を余儀なくされているためだ。ヤードの利用率は95%。コンテナは最大限の高さまで積み上げられているため、下の方にあるコンテナを取り出すためには大変な手間がかかり、燃料消費も増えているという。
CGSーCIMBは通期のコンテナ取扱量を1.7%増の1,069万TEU(20フィートコンテナ換算)と予想している。
(マレーシアン・リザーブ、11月2日)

カールスバーグ、15日からビールなどの価格を改定へ

【クアラルンプール】 カールスバーグ・ブリュワリー・マレーシアは、11月15日からビールなど一部の飲料の小売店向け価格を改定すると明らかにした。
値上げに関する非公開情報がワッツアップで流出していたことについて、カールスバーグは、エッジの取材に対し、流出したのはカールスバーグから取引先への正式な連絡内容だったと認める一方で、今回の価格改定は取引先小売店に対するものであり、消費者向け小売価格をカールスバーグが決定するものではないとし本来機密性を持って取り扱われる内容が流出したことに対し遺憾の意を表した。
カールスバーグの第2四半期(4 6月)決算では、売上高は前年同期の2億8,727万リンギから21.6%増の3億4,921万リンギ、純利益は前年同期の1,065万リンギに対して3倍の3,714万リンギとなった。前年はロックダウンによる売上低迷や営業経費増などが要因で低水準となっていたため大幅な増収増益となった。
今年上半期の売上高は前期の8億7,715万リンギに対して8億8,120万リンギとほぼ横ばいだった一方、純利益は前期の8,360万リンギから23.9%増の1億359万リンギとなった。
(エッジ、11月2日)