ウエストポーツの滞貨、荷役会社の生産性・利益に影響

【クアラルンプール】 クラン港の貨物ターミナル、ウエストポーツのコンテナヤード(海上コンテナの一時保管施設)でコンテナ渋滞が続いており、運営会社ウエストポーツ・ホールディングスの生産性が落ちている。
中国・マレーシア合弁証券CGS-CIMBのアナリスト、レイモンド・ヤップによると、第4四半期(10ー12月)の純利益は低迷した前期並みの1億7,900万リンギ、通期利益は7%増の7億2,200万リンギが予想されるという。
渋滞の主因はベトナム、バングラデシュ向けコンテナが両国におけるロックダウンのため保管を余儀なくされているためだ。ヤードの利用率は95%。コンテナは最大限の高さまで積み上げられているため、下の方にあるコンテナを取り出すためには大変な手間がかかり、燃料消費も増えているという。
CGSーCIMBは通期のコンテナ取扱量を1.7%増の1,069万TEU(20フィートコンテナ換算)と予想している。
(マレーシアン・リザーブ、11月2日)

カールスバーグ、15日からビールなどの価格を改定へ

【クアラルンプール】 カールスバーグ・ブリュワリー・マレーシアは、11月15日からビールなど一部の飲料の小売店向け価格を改定すると明らかにした。
値上げに関する非公開情報がワッツアップで流出していたことについて、カールスバーグは、エッジの取材に対し、流出したのはカールスバーグから取引先への正式な連絡内容だったと認める一方で、今回の価格改定は取引先小売店に対するものであり、消費者向け小売価格をカールスバーグが決定するものではないとし本来機密性を持って取り扱われる内容が流出したことに対し遺憾の意を表した。
カールスバーグの第2四半期(4 6月)決算では、売上高は前年同期の2億8,727万リンギから21.6%増の3億4,921万リンギ、純利益は前年同期の1,065万リンギに対して3倍の3,714万リンギとなった。前年はロックダウンによる売上低迷や営業経費増などが要因で低水準となっていたため大幅な増収増益となった。
今年上半期の売上高は前期の8億7,715万リンギに対して8億8,120万リンギとほぼ横ばいだった一方、純利益は前期の8,360万リンギから23.9%増の1億359万リンギとなった。
(エッジ、11月2日)

国内観光の完全回復は2025年に、旅行業界が予想

【クアラルンプール】 マレーシア旅行代理店協会(MATTA)は、ワクチン接種率が成人人口の95%以上となり、新規感染者数も減少していることから、国内観光は予想よりも早く回復するが、パンデミック前の水準にまで完全に戻るのには2025年までかかると発表した。
ナイジェル・ウォン名誉事務局長は、世界観光機関(UNWTO)をはじめとする多くの専門家が、「国内観光の完全回復は2025年となる」と予想しているとし、多くの国でワクチン接種率が向上していることから、海外からの観光客の受け入れについても世界中が協調して取り組んでいると説明した。業界はより早い完全回復を望んでいるが、現時点では観光客の受け入れ国が限られており、国際便のフライト数も減少したままであることから早期回復は難しいという見通しを示した。
一方、州間移動が再開されてからは、トラベルフェアの開催を望む声が多く寄せられているとし、国内観光が大きく動き出すことが期待できるとした。ランカウイの「トラベルバブル」が好調なことからも、国内旅行への需要が累積していることが証明されたという。
MATTAは、11月20ー21日にマレーシア最大のトラベルフェアであるMATTAフェア(http://www.mattafair.org.my/index.php/en/)をワールド・トレード・センター・クアラルンプール(WTCKL)で2年ぶりに開催する。観光業界に深刻な影響を及ぼしたロックダウン後の復興状況を示す重要な機会であるとし、▽韓国▽台湾▽フィリピン▽日本▽トルコ▽ウガンダーーなどの観光団体も参加、国内各州の観光局からも強い支持を得ているとした。
2022年度予算案では、1,000リンギまでの国内旅行費用に対する所得税の特別控除を来年まで延長することが発表されている。
(エッジ、ベルナマ通信、11月2日)

中銀バンクネガラ、政策金利を1.75%で据え置き

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 中央銀行バンク・ネガラは3日、定例金融政策会合(MPC)を開催し、政策金利である翌日物政策金利(OPR)を1.75%で維持することを決定した。中銀は昨年7月に0.25ポイント引き下げた後は、1.75%で維持している。

中銀は声明の中で、マレーシアにおいて、新型コロナウイルス「Covid-19」感染拡大を防ぐために全国的なロックダウンが実施されたことで経済成長の勢いが弱まっていたものの、規制緩和に伴い、最新の統計では回復傾向にあることが示されていると説明した。来年は世界的な需要の回復、民間支出の増加、政策などに支えられて成長の勢いは加速すると予測。しかし世界の経済成長の回復が予想よりも遅くなること、サプライチェーンの混乱の悪化、新型コロナの変異株の出現などが依然ダウンサイドリスクとなっているとした。

今年のヘッドライン・インフレ率については、年初から平均で2.3%程度となっているとして、通年では2.0ー3.0%になると予想。コア・インフレ率は、経済の余力が引き続きあることや労働市場が低迷していることから、1.0%以下に引き続き抑制されるとの見解を示した。その上で、OPRを維持した理由については、現在の政策が適切かつ緩和的であるとして、経済活動をサポートし続けることができると説明。今後も最新の統計やインフレ率、経済成長の全体的な見通しなどを考慮して政策を決定し、持続的な経済回復のための環境を整備するとした。

一方で世界経済について中銀は、製造業およびサービス業の活動に牽引されて回復を続けていると指摘。ワクチン接種率上昇、規制緩和や財政・金融政策が導入が成長を下支えするとした。しかし新型コロナの変異種の出現、サプライチェーンの混乱、主要国の金融政策の変更に伴う金融市場のボラティリティ上昇がマイナスリスクとなっているとした。

新型コロナの感染者数は5291人、ワクチン接種率は75.2%に

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は3日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数は5,291人だったと発表した。累計感染者数は248万6,630人となった。
2日午後11時59分時点のワクチン接種完了者数は、2,456万4,990人で、接種率は75.2%。成人の接種者数は2,239万3,720人で、接種率は95.7%となった。1人の感染者が何人に感染を広げる可能性があるかを示す基本再生産数(R0/RT)は0.95に低下した。
2日には5,372人が回復し、累計治癒者は238万5,432人。死者数は70人増え、累計で2万9,045人となった。アクティブ感染者は、371人減の6万6,862人。アクティブ感染者数のうち、77.0%が自宅、13.4%が低リスク者用隔離・治療センター(PKRC)、8.7%が医療機関、0.8%が集中治療室(ICU)で療養中となっている。
また新たに5カ所(職場で3カ所、コミュニティと教育機関でそれぞれ1カ所)のクラスターを確認。州・地域別では、パハンで3カ所、KL、セランゴールで1カ所クラスターが発生した。