5G通信網整備費用が2倍に、サービス開始に遅れの可能性

【クアラルンプール】 第5世代移動通信(5G)ネットワークの整備が遅れる見通しだ。整備費用が当初見込みの110億リンギから200億リンギに膨らんでおり、通信事業者がネットワーク利用契約の締結に慎重になっている。
アナリストによれば、5G基盤を構築する国営事業体のデジタル・ナショナル(DNB)に、通信事業者はネットワーク利用料金の変更を申し入れており、契約締結に至っていない。
通信事業者が問題にしているのは構築費用の急増で、当初見込みは110億リンギだった。DNBは基盤整備費用を、人件費などを理由に165億リンギに修正。さらに2030年までには200億リンギになる可能性があるとした。
ケナガ・インベストメント・バンクによれば、こうした不透明性を通信事業者は問題にしている。楽天トレードのアナリストも、全体像が明らかになるまで通信事業者が契約締結に慎重になるのは当然との意見だ。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、11月16日)

ペラ州政府、イポー市へのLRT導入を検討

【イポー】 ペラ州政府は、イポー市への軽便鉄道(LRT)導入を検討している。
住宅地方自治委員会のノリー・アシリン委員長は、イポー駅周辺の交通ハブの開発からスタートするが、開発には約60ヘクタールの面積が必要であり、コストや期間についてはまだ検討中であるとした。イポーでは現状、住民の多くが公共交通機関ではなく自分の車で移動しているため、交通ハブを効率的で近代的なものにし、LRT以外にも高速バスや通常バス、トラム、タクシーなど、都市の総合交通システムを強化していくという。交通システム整備にあたっては、都市周辺の山や石灰岩丘の保護にも注力するとし、開発案に107のプロジェクト、256の行動プランが策定されていると述べた。
同委員長はまた、「イポー広域圏観光地域行動計画およびブランディング」について、既存の観光商品だけではなく、関連自治体が一丸となり導入した新しい観光商品も含まれており、具体的には▽イポーをヒップスター観光の拠点にする▽バトゥ・ガジャをヘルスツーリズムの拠点とする▽ゴペンの「エコ・アドベンチャー・キャピタル」の広報宣伝▽王都クアラカンサーの活性化ーーなどの案が含まれているとした。
(ベルナマ通信、11月15日)

ランカウイで外国人旅行者の受け入れを再開

【ランカウイ】 国内旅行者向けの「トラベルバブル」第一号となったケダ州のリゾート島、ランカウイで、15日から外国人旅行者を対象とした試験運用が開始された。
ランカウイで外国人旅行者を受け入れるのは20カ月ぶり。当面は3カ月間の試験運用だが、国内観光業の復興を下支えするために来年1月からの本格的な国境開放を目指すマレーシア政府や観光業界はランカウイでの成果に注目している。ランカウイ開発公社(LADA)では年内に5,000人の誘致を目指す方針を示しており、2,440万リンギの観光収入を見込んでいる。
まだ国際直行便が運航を再開していないため、当面はクアラルンプール(KL)経由となる。▽公認旅行代理店を通じて予約すること▽ワクチン接種を完了したこと▽18歳未満の未接種者は接種を完了した保護者の同伴が必要▽最低3日間の滞在▽情報・追跡アプリ「MySejahtera」ダウンロード▽渡航72時間前のRT-PCR感染検査の陰性証明▽8万米ドル以上の海外旅行保険加入——などが許可条件となっている。感染検査はランカウイ到着時にも行われ、陽性反応が出た場合に隔離する旅客を受け入れるホテル20カ所(118室)を確保している。
一方、9月16日に開始された国内向けトラベルバブルについては、これまでに7万7,939人の旅客が利用し、観光収入は8,030万リンギに上っている。.
(ザ・スター、ベルナマ通信、11月15日)

JICA、新型コロナワクチン用保管機器をマレーシアに供与

【クアラルンプール】 国際協力機構(JICA)は、マレーシア保健省に新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチン用保管機器を供与したと発表。15日に在マレーシア日本大使館の岡浩大使、カイリー・ジャマルディン保健相臨席のもと引き渡し式典を開催した。
供与されたのは▽冷蔵庫(ワクチン収納150L)184台▽アイスボックス(同8.0L)1,163個▽アイスボックス(同1.67L)180個▽温度記録計1,579個——で、総額約600万リンギ(1.6億円)。
マレーシア政府の要請に基づいて実施したもので、JICAの技術協力プロジェクト「新型コロナウィルス対策ワクチン流通体制強化計画」を通じた協力の一環。機材は今年9、10月の2カ月でマレーシア13州・3連邦直轄地へ供与した。
JICAはこのほか新型コロナ対策として国家災害対策庁やセランゴール州防災局に対する個人用防護具の供与、マレーシア日本国際工科院(MJIIT)を通じた研究開発等の継続的な支援を行っている。
日本政府はマレーシアに5億円相当の医療機器を無償提供すると発表しており、日本で製造したアストラゼネカ製ワクチン100万本の供与を行なっている。
(ザ・サン、11月16日、JICA発表資料)

新型コロナの感染者数は5413人、4日連続で5千人台

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は16日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数は5,413人だったと発表した。累計感染者数は255万6,865人となった。
15日午後11時59分時点のワクチン接種完了者数は、2,484万9,925人で、接種率は76.1%。成人の接種者数は2,231万8,132人で、接種率は95.3%となった。1人の感染者が何人に感染を広げる可能性があるかを示す基本再生産数(R0/RT)は1.05で横ばいだった。
15日には4,551人が回復し、累計治癒者は245万5,767人。死者数は53人増え、累計で2万9,729人となった。アクティブ感染者は、539人増の6万5,965人。アクティブ感染者数のうち、78.3%が自宅、12.2%が低リスク者用隔離・治療センター(PKRC)、8.8%が医療機関、0.8%が集中治療室(ICU)で療養中となっている。
また新たに3カ所のクラスターを確認。現在感染者を出し続けているアクティブなクラスター数は250カ所となった。