感染者増で保健省、感染者用病床数の増加を民間病院に要請

【クアラルンプール】保健省は20日、新型コロナウイルスの患者を収容する病床数を増やすよう民間病院に要請した。
保健省は、公立病院では集中治療室(ICU)の病床の70%以上がウイルス感染の患者で占有され、一般病棟でも70ー90%が感染患者用に使われているとし、民間病院はICUと一般病棟の両方で感染者用病床数を増やす必要があるとした。
マレーシア民間病院協会は最近、公立病院の収容能力がひっ迫していることから、感染者以外の患者を民間病院に委ねるよう求める声明を出していた
ケダ州では、回復の見込みのない慢性病患者をICUに収容しない方針を決めた。受け入れ能力不足が理由だ。
州保健業務監督者のモハマド・ハヤティ氏によると、ウイルス感染患者、ウイルス以外の重症患者のどちらをICUに入れるかの選択を医師は迫られるケースがあり、慢性病を抱え回復の見込みのない患者はICUに収容しない方針を州として決定したという。
(マレーメイル、フリー・マレーシア・トゥデー、5月20日)

新型コロナの感染者数は6493人、セランゴール州が最多

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は21日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が6,493人となり、過去最多となった前日からは減少したと発表した。アクティブ感染者数は5万2,106で、累計感染者数は49万8,795人となった。

州・地域別の感染者数はセランゴール州が最も多く2,163人だった。それに▽クアラルンプール(KL、641人)▽サラワク州(612人)▽クランタン州(467人)▽ケダ州(434人)▽ジョホール州(406人)▽ペラ州(382人)▽ネグリ・センビラン州(370人)▽ペナン州(302人)▽マラッカ州(165人)▽パハン州(161人)▽サバ州(144人)▽トレンガヌ州(139人)▽ラブアン(84人)▽プトラジャヤ(20人)▽ペルリス州(3人)ーーが続いた。新たに4,508人が回復し、累計治癒者は44万4,540人となった。死者数は50人増えて、累計で2,149人となった。 保健省のノール・ヒシャム事務次官は20日、同日に確認された死者数が59人となり、5月18日に確認された47人を上回り、過去最高になったと言明。またこれまでで最も多い24カ所のクラスターを確認し、2日連続で過去最高を更新したと明らかにした。
職場では最も多い9カ所のクラスターを確認。またコミュニティで7カ所、宗教活動で6カ所、教育機関と感染すると重症化するリスクが高いグループでそれぞれ1カ所のクラスターが発生した。
州別では、サバ州で4カ所、ジョホール州、マラッカ州、ペナン州、セランゴール州で3カ所、ケダ州、サラワク州、パハン州でそれぞれ2カ所、クランタン州で1カ所のクラスターが発生した。

厳格なSOP発表、40%の在宅勤務義務付け

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)は22日、現在発令されている3度目の全国的な行動制限令(MCO3.0)における標準的基準(SOP)の厳格化の詳細を発表した。

 新型インフルエンザ(Covid-19)の新規感染者が過去最高レベルに増加していることを受け、21日に開催された国家安全委員会(NSC)会議で決定した。5月25日から実施する。産業界に配慮して、全面的なロックダウンは回避した。
 民間企業に対しては、出社人数を通常の6割以下とし、残り4割には在宅勤務を義務付ける。営業(操業)時間についても、午前8時から午後8時までとする。これまでは午前6時から午後10時まで認められていた。
 公務員については、80%にあたる75万人を在宅勤務とする。
 鉄道やバスなどの公共交通機関については、利用者数を定員の半分以下とする。運行頻度も減らす。
 営業時間の午後8時までの制限は、薬局を除きあらゆる事業所、ショッピングモール、商店にも適用する。薬局は午後10時まで営業を認める。
 新型コロナの新規感染者は今年1月末に5,700人まで増加したが、同月に発令した第二次MCO(MCO2.0)の効果で3月末には1千人を切るまで減少。しかしその後増加に転じ、5月20日には過去最高の6,806人を記録した。
 各地の医療体制が逼迫する状況を受けて、連邦政府は制限令の厳格化に向けて検討に乗り出していた。

厳格なロックダウンが必要、専門家が指摘

【クアラルンプール】 3回目となる行動制限令(MCO3.0)が12日付けで全国に拡大されたものの新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が依然として増加傾向にあることから、医療専門家はより厳格なロックダウンを行なう必要があると指摘している。
ロクマン・ハキム・アブドラ元保健省副事務次官は、今年1月に実施したような中途半端な制限令ではもはや感染拡大を抑え込むのは難しいとした上で、1月のMCO2.0では感染抑制目標を達成できず、同時に発令された非常事態宣言も役に立たなかったと指摘。実際の制限は国民の州を跨いだ移動禁止と標準的運用手順(SOP)への準拠だけだったとし、散発的な発生に対処するための集中的なスクリーニングのような措置は行なわれなかったと批判している。
その上でロクマン氏はMCO3.0が新規感染を減らすのに役立つことは認めるものの、戦略がMCO2.0と同様であれば集団免疫を獲得するまでMCO4.0を実施する必要に迫られるだろうと指摘。それまでに経済が持ちこたえられるのだろうかと疑問を呈している
マラヤ大学のラジャ・ラシア経済学教授は、MCO3.0下でのガバナンスの弛みが経済の復活にとって助けになっていないと指摘。「昨年3月のMCO1.0ではSOPが厳しすぎたが、MCO3.0では反対に緩すぎてSOPが守られていない」とし、人の移動を取り締まるより人が多く集まる場所で取り締りを行なうべきと指摘している。
(マレーシアン・リザーブ、5月19日)

新型コロナの感染者数は6806人、2日連続で過去最多を更新

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は20日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が6,806人となり、2日連続で過去最多を更新したと発表した。アクティブ感染者数は5万171人で、累計感染者数は49万2,302人となった。

州・地域別の感染者数はセランゴール州が最も多く2,277人だった。それに▽クアラルンプール(KL、655人)▽ジョホール州(615人)▽サラワク州(608人)▽クランタン州(426人)▽ケダ州(417人)▽ペナン州(362人)▽ネグリ・センビラン州(291人)▽ペラ州(248人)▽サバ州(245人)▽トレンガヌ州(233人) ▽マラッカ州(212人)▽パハン州(157人)▽プトラジャヤ(35人)▽ラブアン(17人)▽ペルリス州(8人)ーーが続いた。新たに3,916人が回復し、累計治癒者は44万32人となった。死者数は59人増えて、累計で2,099人となった。 保健省のノール・ヒシャム事務次官は19日、新たに22カ所のクラスターを確認したと明らかにした。
職場では最も多い8カ所のクラスターを確認。またコミュニティで7カ所、宗教活動で6カ所、教育機関で1カ所のクラスターが発生した。
州別では、セランゴール州で4カ所、ジョホール州とサバ州で3カ所、サラワク州、マラッカ州、クランタン州、KLでそれぞれ2カ所、トレンガヌ州、ラブアン、ペルリス州、ペラ州でそれぞれ1カ所のクラスターが発生した。その一方で3カ所のクラスターが収束した。

感染急増のセランゴール州、専門家からロックダウン求める声

【クアラルンプール】 新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が特にセランゴール州で増加していることから、専門家からは同州を対象に完全なロックダウンを行なうべきとの声が上がっている。
マラヤ大学教授で、科学技術革新省の新型コロナ疫学分析及び戦略タスクフォースの座長を務めるアワン・ブルギバ・アワン・マハムッド博士は、「これまでに見たことのないような感染ケースが指数関数的に増加する懸念があり、我々の医療システムを完全に破壊する可能性がある」と指摘。これまで感染者数が抑制されていたタイで数日のうちに9,635人に急増したことを例に、マレーシアでも同様なことが起きる可能性があると警鐘を鳴らしている。
アワン氏によると、マレーシアでは陽性率が5%を超えている。これは感染検査の数が不足していることを示しており、補足できていない感染者(サイレント・キャリア)が市中に潜在していることを意味している。実際の感染者数は恐らく確認されている感染者数の二倍以上に上るとみられるという。
最近では重症であるカテゴリー3、4、5の比率が非常に高くなっているが、アワン氏は理由は分からないとした上で、症例が増えている変異型には感染力が強い、重症化しやすい、感染力が持続する期間が長いといった特徴があるとし、感染力が持続する期間が最大21日の場合はロックダウンを3カ月続ける必要があるとしている。
重症者の増加により、各地の医療施設の集中治療室(ICU)が満杯に近づいている。セランゴール州の状況については保健省も深刻に受け止めており、アダム・ババ保健相は17日、より厳格なMCOの実施に向けて検討していることを明らかにしている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、5月19日)

新型コロナの新規感染者数、過去最多の6075人

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は19日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が6,075人増加し1日あたりで最多となったと発表した。これまでで過去最多だった1月30日の5,728人を超えた。アクティブ感染者数は4万7,340人で、累計感染者数は48万5,496人となった。

州・地域別の感染者数はセランゴール州が最も多く2,251人だった。それに▽クアラルンプール(KL、660人)▽ジョホール州(699人)▽ケダ州(445人)▽クランタン州(441人)▽サラワク州(323人)▽ペラ州(220人)▽トレンガヌ州(203人)▽ネグリ・センビラン州(189人)▽ペナン州(183人)▽サバ州(160人)▽パハン州(150人) ▽マラッカ州(122人)▽ラブアン(14人)▽プトラジャヤ(9人)▽ペルリス州(6人)ーーが続いた。新たに3,516人が回復し、累計治癒者は43万6,116人となった。死者数は46人増えて、累計で2,040人となった。

保健省のノール・ヒシャム事務次官は、18日に確認された死者数が過去最高の47人となったと公表。国内では南アフリカ型変異株(B.1.351)、英国型変異株(B.1.1.7)、インド型の変異株(B.1.617)が確認されているが、多くの陽性者に全く症状がなかったり、関節痛や倦怠感、食欲不振といった症状しか出ておらず、発熱や咳などの症状がないため無意識に感染を拡大していると指摘した。
またノール氏は、変異種は初期に症状はなくても急に重症化することから、死亡率も上がっていると指摘。行動制限令(MCO)を順守し、感染の連鎖を断ち切るために改めて感染予防策を徹底して欲しいと呼びかけた。
18日は新たに19カ所のクラスターが確認された。職場では最も多い7カ所のクラスターを確認。また宗教活動で5カ所、コミュニティで4カ所、教育機関で3カ所のクラスターが発生した。
州別では、ジョホール州で4カ所、トレンガヌ州で3カ所、ケダ州、セランゴール州、サラワク州、KLでそれぞれ2カ所、ペナン州、マラッカ州、ネグリ・センビラン州、ペラ州でそれぞれ1カ所のクラスターが発生した。その一方で6カ所のクラスターが収束した。

無症状&軽症者の自宅療養を容認=保健相

【クアラルンプール】 アダム・ババ保健相は、カテゴリー1及び2の新型コロナウイルス「Covid-19」感染者について、在宅での隔離・療養を認めると述べた。統合検疫治療センター(PKRC)の混雑を緩和するための措置。

カテゴリー1は症状のない陽性者、カテゴリー2は軽度の症状の陽性者。ただし在宅療養が認められるのは、他の疾病をもたないこと、在宅で同居人と社会的距離が保てることが条件となる。同居人が多く、トイレ&バスを同居人と共有しなければならない場合は、これまで通りPKRCでの隔離・療養を義務づけられる。

新型コロナ感染者の増加を受け、特にセランゴール州で感染アセスメントセンター(CAC)の混雑ぶりが問題となっている。マラワティ・スタジアムのCACを訪れた者の多くがペタリン地区外から来ていたという。

(フリー・マレーシア・トゥデー、5月17日)

新型コロナの新規感染者数は4865人、セランゴール州が最多

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は18日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が前日から4,865人増加したと発表した。アクティブ感染者数は4万4,827人で、累計感染者数は47万9,421人となった。

州・地域別の感染者数はセランゴール州が最も多く1,743人だった。それに▽サラワク州(512人)▽クアラルンプール(KL、477人)▽ジョホール州(407人)▽クランタン州(406人)▽ケダ州(244人)▽ペナン州(220人)▽ペラ州(160人)▽トレンガヌ州(156人)▽パハン州(152人)▽ネグリ・センビラン州(149人) ▽マラッカ州(127人)▽サバ州(95人)▽プトラジャヤ(9人)▽ラブアン(6人)▽ペルリス州(2人)ーーが続いた。新たに3,497人が回復し、累計治癒者は43万2,600人となった。死者数は47人増えて、累計で1,994人となった。

保健省のノール・ヒシャム事務次官は17日、新たに14カ所のクラスターを確認したと明らかにした。
コミュニティでは最も多い7カ所のクラスターをクランタン州とパハン州、サラワク州、サバ州で確認。また宗教活動で4カ所、職場で3カ所のクラスターが発生した。
州別では、セランゴール州とクランタン州でそれぞれ3カ所、パハン州、サバ州でそれぞれ2カ所、サラワク州、ジョホール州、ペラ州、ケダ州でそれぞれ1カ所のクラスターが発生した。

アストラワクチン接種の第2陣、23−26日に登録受付け

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 新型コロナウィルス(Covid-19)ワクチン接種プログラム調整相を兼任するカイリー・ジャマルディン科学技術革新相は、希望者のみに行なっているアストラゼネカ製ワクチン接種の第2フェーズについて、5月23日—26日に登録を受け付けると発表した。
第1フェイズで実施した首都圏クランバレーのほか、レッドゾーンであるジョホール、サラワク、ペナンの3州にも拡大して実施する。60歳以上の高齢者を優先するが、第1フェーズで予約待ちリストに載っている人も再申請できる。空きがある場合は5月26日から対象外の人も登録できる。
アストラゼネカ製ワクチンについては、ソーシャルネットですべてのマレーシア国民が申請できるようになったとの情報が流れたが、ワクチン供給アクセス保証特別委員会(JKJAV)がフェイクニュースだとして否定した。アストラゼネカ製ワクチン接種対象は18歳以上に限定されている第2フェーズでは100万回分のアストラゼネカ製ワクチンが供給される見通し。