2020年の貿易黒字は1847.9億リンギ、過去最高に

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 マレーシア外国貿易開発公社(MATRADE)の発表(速報値)によると、2020年の貿易黒字は前年比26.9%増の1,847.9億リンギとなり過去最高となった。貿易黒字は23年連続。
新型コロナウイルス「Covid-19」の感染拡大に伴い、ロックダウンが世界各国で行われた影響を受けて、輸出高は前年比1.4%マイナスの9,809.9億リンギにとどまった。輸入高は7,961.9億リンギで、前年比6.3%減、貿易高は1兆7,771.8億リンギで、3.6%減少した。
輸出先を国・地域別で見ると、 中国がトップとなり、2ー5位はシンガポール、米国、香港、日本の順となった。日本への輸出額は616.9億リンギで前年比6.5%減少したが、6年連続で4位を維持した。原油やゴム製品、光学機器、電気・電子(E&E)製品、パーム油製品などが増加したが、液化天然ガス(LNG)が減少したことが響いた。トップだった中国向け輸出は前年比で12.5%プラスとなった。2位のシンガポールと3位の米国も3.7%、12.7%のそれぞれプラスだった。品目別ではE&Eが3,861.1億リンギでトップ。これに精油製品とパーム油製品が続いた。
輸入先も中国がトップで、これにシンガポール、米国、日本、台湾が続いた。日本は610.4億リンギで、前年から4.0%減少した。品目別では、E&Eが2,527.8億リンギでトップ。これに化学製品と精油製品が続いた。
12月の輸出高は957.4億リンギで、前年同月比で10.8%、前月比で13.1%それぞれ増加となった。輸入高は750.4億リンギで、前年同月比で1.6%、前月比で11.0%のいずれも増加となった。貿易額全体は1,707.8億リンギで、前年同月比で6.5%、前月比で12.2%それぞれ増加。貿易収支は207.0億リンギの黒字だった。

民主主義指数、マレーシアは39位にランクアップ=EIU

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 英エコノミスト誌の調査部門、エコノミック・インテリジェンス・ユニット(EIU)が発表した最新版の「民主主義指数2020」で、マレーシアは前年から4ランクアップし、167カ国・地域中で39位となった。
同調査は▽選挙プロセスと多元主義▽政府の機能▽政治参加▽政治文化▽市民の自由度——5分野について評価、指数化したもの。マレーシアは総合スコアが前年の7.16点(10点満点)から7.19点にアップ。「選挙プロセスと多元主義」は9.58点と評価が高く「政府の機能」も7.86点と高評価だった。一方で「政治参加」は6.67点、「政治文化」は6.25点にとどまり、「市民の自由度」は5.59点と低い評価だった。
マレーシアは▽完全な民主主義▽欠陥ある民主主義▽混在した体制▽権威主義体制——の4つの分類のうち上から2番目の「欠陥ある民主主義」に分類されたが、東南アジア諸国連合(ASEAN)ではトップ評価となり、フィリピン(55位)、インドネシア(64位)、タイ(73位)、シンガポール(74位)、ミャンマー(135位)、カンボジア(130位)を上回った。
世界トップはノルウェーで、2位以下はアイスランド、スウェーデン、ニュージーランド、と前年と順位は変わらなかった。最下位は北朝鮮だった。日本は21位となり、トップ23カ国・地域が分類された「完全な民主主義」に入った。

ヘアサロン&洗車&夜市、5日より営業再開を容認

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 イスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)は4日、サラワク州を除く全土に発令している行動制限令の第二弾(MCO2.0)が2月18日まで再延長されたことに関連し、▽ヘアサロン▽洗車サービス▽夜市——の営業再開を5日より認めると明らかにした。

標準的運用手順(SOP)の遵守が営業再開の条件。営業時間は午後10時までで、ヘアサロンについてはカットのみが認められる。また顧客毎に消毒することが求められる。

サブリ上級相は再開許可の理由について、これらの業種で新たな新型コロナウイルス「Covid-19」感染クラスターが発生していないことを考慮したと説明した。

一方、中国正月期間中における大人数による会食や寺院参拝などの行事は認めない。ドラゴンダンスやライオンダンスも認めない。集団での寺院参拝は5人までに制限する。

新型コロナ感染拡大を受けて、政府は昨年3月の発令以来となるMCOを今年1月13日より2週間の期間限定で再発令。国民生活への配慮から前回に比べると大幅に経済活動を認める内容となっていたが、その後も新規感染者数が高止まりしていたため2月4日まで延長していた。

新型コロナの感染者数は4571人、セランゴールで2056人

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は4日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数が前日から4,571人増加したと発表した。アクティブ感染者数は4万8,771人で、累計感染者数は23万1,483人となった。

州・地域別の感染者数はセランゴール州が最も多く2,056人だった。それに▽ジョホール州(664人)▽クアラルンプール(KL、481人)▽サラワク州(270人)▽マラッカ州(238人)▽サバ州(175人)▽ペラ州(163人)▽ペナン州(157人)▽ネグリ・センビラン州(100人)▽パハン州(78人)▽トレンガヌ州(69人)▽ケダ州(51人)▽クランタン州(48人)▽プトラジャヤ(20人)▽ラブアン(1人)ーーが続いた。ペルリス州のみゼロだった。新たに4,092人が退院し、累計治癒者は18万1,886人となった。死者数は17人増えて、累計で826人となった。

保健省のノール・ヒシャム事務次官は3日、新たに13カ所のクラスターを確認した。12カ所が工場、教育機関、農園、倉庫、建設現場など職場に関連するクラスターで、1カ所は拘置所で起きたクラスターだった。
サバ州で3カ所、セランゴール州、ジョホール州、KLでそれぞれ2カ所、パハン州、プトラジャヤ、ペナン州、クランタン州でそれぞれ1カ所のクラスターが発生した。
これまでに確認されたクラスター数は851カ所。新たに5カ所のクラスターが収束し、現在継続中のクラスターは前日(404カ所)から増え412カ所となった。

SOP違反の罰則を強化へ、ロックダウン回避の代わりに

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 ムヒディン•ヤシン首相は4日にテレビ演説を行ない、「1988年感染症予防及び管理法」を近く改正すると言明。経済への配慮から完全なロックダウンを回避する代わりに標準的運用手順(SOP)違反の罰則を強化すると述べた。

ムヒディン首相は、政府が事業継続を求める産業界の声に耳を傾けてきたとした上で、新型コロナウイルス「Covid-19」の抑え込みと経済のバランスをとることが重要だと指摘。経済活動をストップさせないためにも、これ以上感染を増やさないようSOPを厳守するよう産業界に呼び掛けた。

その上で、ロックダウンなしにSOPを遵守させるためには罰則の強化が不可欠だと指摘。初犯者に対する1,000リンギ以下の罰金額はそのまま維持するが、再犯者や一度警告を受けた者にはより厳しく対処すると述べ、具体的な数字は明らかにしなかったものの罰金引き上げや禁固刑、業務停止命令を含めた厳罰化の意向を明らかにした。

■2月末にもワクチン接種開始■

またムヒディン首相は、2月末にも全国的なワクチン接種プログラムを開始すると公表。調整担当大臣にカイリー・ジャマルディン科学技術革新相を指名したことを明らかにした。

国民の80%に相当する2,650万人に接種を行なう計画で、マレーシア国民には無料で行なう。第1フェーズの対象は保健・医療関連の最前線で働く人たち50万人で、4月中に終える予定。4—8月にかけて行なう第2フェーズでは高齢者、障害者、基礎的疾患のある人々などが対象で、5月から開始する最終の第3フェーズでは18歳以上の成人が対象となる。ワクチン保管センターとワクチン接種センターが全国600カ所に開設される。