国産コロナ自己検査キット、販売開始

【ペタリンジャヤ】  保健省(MoH)が傘下の医療機器庁(MDA)を通じて条件付きで承認した新型コロナウイルス「Covid-19」抗迅原迅速検査キットのうち、初の純国産製品である「サリキシウムCovid-19抗原迅速検査キット」(サリキシウム)の販売が開始された。
販売を担当するメドカドによると、サリキシウムは、唾液と鼻腔ぬぐい液を利用して、新型コロナウイルス感染の自己診断ができ、感染・非感染・無効という結果も15分以内に出る。感度(感染の場合に陽性と検出される確率)は91.23%、特異度(非感染の場合に陰性と検出される確率)は100%。検査開始の30分前からは水以外のものを飲食できない。価格は39.90リンギで、薬局や医療施設などで購入可能。また、公式ウェブサイト(https://www.salixium.com/)からも購入できる。
サリキシウムの研究開発はすべてクアラルンプール(KL)ブキ・ジャリルのテクノロジーパーク・マレーシアにあるメドカドの研究所で行われ、製造も国内工場で行なわれているという。
(フリー・マレーシア・トゥデー、7月24日)

シノバックワクチン、8月より民間企業への販売を開始

【クアラルンプール】 中国・科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)製の新型コロナウイルス「Covid-19」ワクチンの供給を担当する製薬会社、ファーマニアガは、8月より州政府や民間企業など販売を開始する。
ズルカルナイン・モハメド社長によると、政府へのワクチンの供給は完了しており、販売するのは余剰となる1,400万回分。近くワクチン供給アクセス保証特別委員会(JKJAV)の会合が開かれる予定で、販売に向けて上限価格やガイドラインが発表される予定だ。
カイリー・ジャマルディン科学技術革新相も、8月に開始する民間企業へのワクチン供給についてJKJAVで話し合うと言明。ワクチンが適正な価格で販売されるように上限価格を設定すると述べた。
シノバック製のワクチンの有効性について世界的に懸念が高まっているが、シノバック・バイオテックは、同社が開発したワクチンは、従来型よりも感染力が強いとされる「デルタ株」などの変異株にも有効だとの見解を示した。国営ベルナマ通信が行なった取材に対する広報担当者の回答書によると、ブラジルやインドネシア、チリ、トルコでも同社のワクチンは接種されており、多くの国で有効性が証明されている。重症化や入院を防ぐことができるとし、有効率は90%以上となっているという。

(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・スター、7月24日、ベルナマ通信、7月23日)

 

国会が7カ月ぶりに再開、コロナ対策巡り激論

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 新型コロナウイルス「Covid-19」感染拡大を受けて1月11日に発令された非常事態宣言発令の下、永らく閉会となっていた国会が26日、7カ月ぶりに特別国会として再開された。

会期は26—29日、8月2日の合計5日間。昨年12月29日に閉会して以来となる。閉会中に制定された各種政令や国家復興計画(NRP)、国家予防接種プログラムについて政府が説明を行なうことになっており、26日は早速ムヒディン•ヤシン首相が国家復興計画(NRP)について説明した。

野党側からは、政府の失策を厳しく指摘する声が上がった。かつての師匠であるアンワル•イブラヒム元副首相(野党連合・希望同盟=PHリーダー)が、産業界の制限緩和により工場で感染者が急増した責任についてアズミン・アリ上級相(兼通産相)を激しく追求する場面もあった。

新型コロナウイルス「Covid-19」感染防止の観点から当初検討されていた、本会議場における対面とバーチャルのハイブリッド方式は採用せず、全員が出席できることになった。下院議会の222議席のうち2議席が議員死去のため空席となっているが補欠選挙は延期されており、議員数は220人となっている。

下院議員205人がすでに2回のワクチン接種を終え、12人が1回のみ、3人は受けていない。しかし下院議員2人が陽性であることが判明、3人が感染者と濃厚接触があったとして欠席した。濃厚接触者にはズライダ・カマルディン住宅地方自治相も含まれている。このほかリーザル・メリカン・ナイナ青年スポーツ相が東京五輪視察のために欠席した。

ムヒディン政権は政治的混乱を避けるとの理由で再開に慎重姿勢だったが、アブドラ国王のほか、野党勢力や人権団体、そして与党連合内部からも上がっていた再開を求める声に押し切られた格好だ。

ほとんどの州が10月中に第4フェーズに=ムヒディン首相

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 ムヒディン・ヤシン首相は26日に開幕した特別国会で国家復興計画(NRP)に関する説明を行ない、ほとんどの州が早ければ10月中にも第4フェーズに移行できると述べた。
NRPによると、第4フェーズへの移行すれば可能な限り日常生活に戻すこととなり、すべての経済活動、より多くの社会活動が許可される。また州を越えた旅行が許可され、国内観光旅行も厳格な標準的運用手順(SOP)に従うことを条件に容認するとなっている。
ムヒディン首相は、新型コロナウイルス「Covid-19」感染対策に成功して一旦次のフェーズに移行した州について、出口戦略に重点を置くNRPのアプローチに基づき再び元のフェーズに戻さないことを国家安全委員会(NSC)特別会議で決定したと言明。再び感染件数が増加した場合には地区ごとに移動制限を厳格化することで対処していくと述べた。
ムヒディン首相はまた、現政府は完璧ではないもののワクチン接種率が最も高い国の一つとなっているなど可能な限りの措置をとっていると強調。10月までにはすべての成人に対するワクチン接種が終わるだろうとした上で、困難な時代に立ち向かっていくためには団結することが重要だと述べた。
またムヒディン首相は、保留となっている第12次マレーシア計画(12MP、対象期間;2021ー2025年)については9月20日、来年度予算案に関しては10月29日に国会に上程すると発表した
このほかタキユディン・ハッサン首相府相(法務担当)は、8月1日で期限を迎える非常事態宣言についてアブドラ国王に延長を求める意向のないことを明言。予定通りに非常事態宣言を解除することになると述べた。

新型コロナの感染者数は1万4516人、累計で100万人超える

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 保健省(MOH)は26日、新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数は1万4,516人となったと発表した。過去最多の1万7,045人となった前日からは減少した。アクティブ感染者数は16万5,840人で、累計感染者数は102万7,954人となった。

州・地域別の感染者数はセランゴール州が最も多く6,508人だった。それに▽ジョホール州(1,449人)▽クアラルンプール(KL、1,425人)▽ケダ州(1,160人)▽サバ州(720人)▽ペラ州(590人)▽ネグリ・センビラン州(452人)▽ペナン州(402人)▽パハン州(386人)▽マラッカ州(373人)▽サラワク州(356人)▽クランタン州(346人)▽トレンガヌ州(245人)▽プトラジャヤ(94人)▽ラブアン(8人)▽ペルリス州(2人)ーーが続いた。9,372人が新たに回復し、累計治癒者は85万3,913人となった。死者数は過去最多となる207人で、累計で8,201人となった。

保健省のノール・ヒシャム事務次官は25日、34カ所のクラスターを新たに確認したと明らかにした。
職場で18カ所、コミュニティで15カ所、残りは医療センターなど感染すると重症化しやすいコミュニティでクラスターが発生した。
州別では、サバ州とジョホール州でそれぞれ6カ所、セランゴール州とクランタン州でそれぞれ5カ所、ペラ州、パハン州、ケダ州でそれぞれ3カ所、トレンガヌ州、ネグリ・センビラン州、KLでそれぞれ1カ所発生した。