【クアラルンプール】 国際通貨基金(IMF)は、マレーシアの今年の経済成長率についてプラス5.75%との予想を示した。
IMFのエコノミストのラミン・リー氏が実施した予備調査結果によると、内需の回復や好調な外需に牽引され、また、ワクチン接種と経済支援策が成長を支えることから、パンデミックによる景気後退から緩やかに回復するという。一方、パンデミックの影響は中長期的に残存する可能性があり、回復は一様ではないと分析。短期的には、経済的なダメージを最小限に抑えるために、経済弱者や生産性の高い投資に対して、ターゲットを絞った財政支援を行うことを推奨し、回復が定着した後は、具体的かつ成長に適した統合戦略が実施されるべきだとした。また、緩和的な金融政策および金融セクター支援策の継続も推奨している
他のエコノミストも、今年のGDP成長率を4.5%から6%になると予想。下半期にはインフレ圧力から政策金利である翌日物政策金利(OPR)も引き上げられると予想している。
Amバンクのアンソニー・ダス主任エコノミストは、世界的な貿易拡大により、輸出関連の製造業が成長し、国境再開により観光やビジネスも活性化すると予想。さらに2021年の外国直接投資の承認額が106.1億リンギになったことで、国外からの投資も促進され、GDP成長率は5.4%(4.5%-6%)となるとした。
CGS-CIMBリサーチのエコノミストも2022年のGDP成長率予想を5.6%に据え置いており、22年第1四半期の成長率は前年比5.1%と予想。2021年第4四半期の不振は一時的なものであり、個人消費の成長に影響を与えることはないとしている。そのため、中央銀行バンク・ネガラ(BNM)は、下半期にOPRを0.25%ずつ引き上げるという予想を維持している。
(ザ・サン、2月15日、ベルナマ通信、2月14日)