【クアラルンプール】 ムーディーズ・アナリティクスは、マレーシアの経済見通しについて石油価格の上昇と新型コロナウイルス「Covid-19」で閉鎖されていた経済の再開によって改善されたとし、6月時点における今年通年の国内総生産(GDP)成長予想を7%に引き上げたことを明らかにした。
ムーディーズ・アナリティクス・アジア太平洋(APAC)地区チーフエコノミストのスティーブ・コクラン氏は、新型コロナ流行が終焉に向かい社会的距離のルールが緩和される中、国内消費の伸びが予想よりも速く加速したため、東南アジアにおいてはフィリピンと共にマレーシアの今年第1四半期のGDPが予想を上回る伸びを見せたと指摘。マレーシアについては原油の純輸出国であるという面から原油価格の高騰の恩恵、更には好調なハイテク製品の輸出の恩恵を受けているとし、マレーシアの輸出基盤が広範囲にわたっている点はマレーシアにとって良い兆候だと分析した。
さらにコクラン氏は、マレーシアの国内消費の伸びが全体的に回復したと指摘。行動制限が解除されたことで経済活動が復活したことで、内需回復がさらに加速すると予想した。
(マレーシアン・リザーブ、6月30日)