MIMOS、国内初の長距離走行EVバイクを開発

【クアラルンプール】 通産省傘下のマレーシア・マイクロエレクトロニクス・システム研究所(MIMOS)は、二輪車のモトシカル・ダン・エンジン・ナショナル(モデナス)およびマレーシア・ペルリス大学(UniMAP)の協力により、マレーシア初となる、二輪タイプの航続距離延長型電気自動車 (RE-EV) を開発したと発表した。

MIMOSによると、政府の「高付加価値複合製品開発プログラム(HVA)」を通じて2年間開発を実施した。バッテリーを内燃機関(ICE)と統合し、追加充電を可能にすることで走行距離を伸ばした。ICEと電気モーターを駆動系とするハイブリッドEVと比較すると、RE-EVでは車輪を回すためのドライブチェーンが不要なため、よりシンプルなシステムとなっている。バッテリー残量が一定量になるとジェネレーターが作動するため、長距離走行時の不安を軽減できるという。先月完成したRE-EVバイクでは、バックアップが可能な着脱式バッテリーを採用している。

MIMOSのイスカンダル・サマド最高責任者は、RE-EVの開発により、HVAなどの政府補助金が高価値経済分野における商業化を促進できることが証明されたとし、RE-EVバイクの開発は国内だけでなく東南アジア市場でも二輪車産業を牽引することが期待できると述べた。

MIMOSは、国内産業の自動化やデジタル化を推進し、産業ひいては国の経済成長に向け、支援や協力を行っていく方針だ。
(ベルナマ通信、7月20日)

1ー6月の自動車販売が前年比33%増、通年予想も上方修正

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 マレーシア自動車協会(MAA)は、2022年上半期(1ー6月)の自動車販売台数が33万1,386台となり、前年同期比33.0%増となったと発表した。

新型コロナウイルス「Covid-19」封じ込めのために実施されたロックダウンの影響で大幅減少した前年からのベース効果もあって、乗用車は31.2%増の29万3,540台、商用車は49.2%増の3万7,846台と共に前年同期を大きく上回った。売上税の減免措置が6月末まで延長されたことも寄与した。

メーカー別販売シェアのトップはダイハツ系自動車メーカー、プルサハアン・オトモビル・クドゥア(プロドゥア)の12万7,343台で、シェアは38.4%。2位は国民車メーカー、プロトン・ホールディングスの5万7,402台で、シェアは17.3%で、以下、トヨタ(4万5,449台、13.7%)、ホンダ(3万9,673台、12.0%)、三菱(1万2,621台、3.8%)ーーと続いた。

1ー6月の生産台数は31万7,933台となり、31.8%の大幅増となった。乗用車は31.4%増の29万4,122台、商用車は35.9%増の2万3,811台だった。販売と同じく、ロックダウンで生産が大きく落ち込んだ前年からの反動で大幅増となった。

2022年通年の販売見通しについてMAAは▽地政学的緊張、石油高騰、インフレ懸念、食料価格上昇、物流コストの上昇、サプライチェーンの混乱▽金利引き上げの動き▽不確実性に伴う投資抑制や総選挙実施の見通し▽部品や半導体不足による生産減の懸念ーーなどのマイナス要因があるものの、▽財務省が通年予想を5.3ー6.3%で維持するなどさらなる経済回復の見通し▽経済対策や補助金政策ーーが好影響をもたらすとして、60万台としていた従来予想を63万台に上方修正。前年比23.8%の大幅増と予想した。乗用車については25.3%増の56万7,000台、商用車は12.0%増の6万3,000台と見込んでいる。

ダイハツ系プロドゥアが生産増強を計画、予約増加受け

【クアラルンプール】 ダイハツ系自動車メーカー、プルサハアン・オトモビル・クドゥア(プロドゥア)は、現在24万3,000台に上っている予約に対応するため生産増強を図る方針だ。

ザイナル・アビディン社長兼最高経営責任者(CEO)によると、車両用の半導体不足によって車種によって納車待ち期間が6カ月から7カ月となっている。半導体不足対策としては調達先を増やせるよう代替サプライヤーを探しているという。
ザイナル社長は、部品パーツの国内調達率は20日に発売した新型「アルザ」の場合は95%に高まっているとし、こうした国内調達推進は世界市場の不確実性から会社を守ることが出来ると述べた。

また納車待ち期間に関しては、車種間の生産管理を行なってバランスをとっていくことが必要だと言明。「アルス」では3カ月未満、「アルザ」は3カ月超になる可能性があると述べた。「アルザ」は7月中に約4,300台が納車される予定だという。

またザイナル社長は外国人労働者の問題に触れ、同社では段階的に解決に向かっていると言明。少なくとも今年の生産については大きな影響は無いとし、24万7,800台としている今年通年の販売目標の達成に向けて順調に進んでいると述べた。

電気自動車(EV)の生産の可能性についてはまだ検討中だとし、他の国営企業との具体的な協力ができれば発表するとした。これより前、イスマイル・サブリ・ヤアコブ首相がプロドゥアに対して国営電力会社テナガ・ナショナルとのEV推進に向けた協力を提案していた。
(ベルナマ通信、7月20日)

マレーシア人訪日者数、上半期は6.2倍に

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 日本政府観光局(JNTO)によると2022年上半期のマレーシアからの訪日者数は前年同期比6.2倍の4,700人となった。
6月単月では1,200人で、前年同月比で11.3倍となったが、前月(1,600人)からは減少した。

JNTOによると、2019年同月比では96.1%のマイナスとなった。新型コロナウイルス「Covid-19」感染症の拡大により、マレーシアは日本政府による検疫強化(陰性証明書の提示等)、査証免除措置の停止等の対象となっている。しかし日本政府が定めた水際対策措置に基づく国・地域の区分でマレーシアは感染率が最も低い「青」区分となっており、観光目的の新規入国が条件付きで認められている。 一方で、マレーシア人の日本からの入国については、ワクチン接種証明の提出が義務付けられている。なお、日本への直行便は、前年同月と比較して回復傾向にある。
世界全体の6月の訪日者数は、前年同月比13.0倍の12万400人で、年初6カ月では前年同期比5.3倍の50万7,600人だった。

JNTOは、6月に添乗員付きパッケージツアーの受入れが再開したが、入国制限等の影響もあり、2019年比では95.8%減にとどまっていると指摘。今後もJNTOは、各国の感染状況や出入国規制の変化、ウクライナ情勢による航空便への影響等を注視しつつ、インバウンドの戦略的回復に向けて、プロモーションを実施するとともに地域の受入環境整備に努めていく必要があるとした。

新型コロナの新規感染者数は5685人、4日ぶりに5千人超える

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 新型コロナウイルス「Covid-19」感染症に関する情報提供サイト「コビドナウ(COVIDNOW)」によると、20日の新型コロナウイルス「Covid-19」の新規感染者数は5,685人で、累計感染者数は463万5,648人となった。
新たに3,337人が回復し、累計治癒者は455万4,286人となった。死者数は8人で、累計は3万5,878人。アクティブ感染者は、前日から2,340人増の4万5,484人だった。うち96.4%が自宅、0.1%が低リスク者用隔離・治療センター(PKRC)、3.4%が医療機関、0.1%が集中治療室(ICU)で療養中となっている。病床使用率は74.1%に上昇した。
同日午後11時59分時点のワクチン接種完了者数は2,739万2,276人で、接種率は83.9%。1回目のブースター接種完了者は1,616万9,220人で、接種率は49.5%、2回目が24万5,366人で0.8%だった。
新たに発生したクラスターはゼロで、現在感染者を出し続けているアクティブなクラスター数は13カ所だった。