【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 INPEX(本社・東京都港区)は15日、サラワク州内の二酸化炭素(CO2)濃度の高いガス田や石油化学工業、発電所、製造業などから排出されるCO2を対象とした、CO2の回収・貯留(CCS)プロジェクトの開発に向けた共同協力協定を、サラワク州営企業であるペトロリアム・サラワク(ペトロス)との間で締結したと発表した。

サラワク州のCO2排出削減に寄与し、州内の産業をはじめ、マレーシアの脱炭素化を加速することが期待されている。

CCSは、発電所や工場等の事業活動により排出されるCO2を大気放散前に回収し、船舶やパイプラインを用いて輸送した後、枯渇した石油やガスの貯留層などの地下層に貯留することで、適切にCO2を保管・管理する技術。

INPEXおよびペトロスは、今後サラワク州における石油天然ガス開発やその他の産業から排出されるCO2を対象とする経済性の高いCCSソリューションを構築すべく、CCS関連の技術および実施方法に加え、プロジェクトの対象となる施設の特定、経済性評価や事業スキームの検討を含むプロジェクトの実行可能性調査を行う。

■マレーシア2022年公開入札ラウンドで探鉱鉱区を取得■
INPEXは同日、国営石油会社ペトロリアム・ナショナル(ペトロナス)が実施した「2022年公開入札ラウンド」に参加し、サラワク沖北東部に位置する探鉱鉱区2鉱区(4E鉱区およびSK418鉱区)を落札し、マレーシア現地法人INPEXマレーシアE&P 4E社およびINPEXマレーシアE&P SK418社を通じて、ペトロナス、ペトロナス・チャリガリ(PCSB)、ペトロリアム・サラワク・エクスプロレーション・アンド・プロダクション(PSEP)との間で生産分与契約(PSC)を締結したと発表した。