【クアラルンプール】 気象専門家らは、東南アジアでは6月にもエルニーニョ現象が発生し、マレーシアなどでは乾燥した気候が続き、ヘイズ(煙害)が悪化する可能性があると予想している。

マレーシア国民大学(UKM)の地球科学・環境学部のモハマド・シャフルル准教授は、エルニーニョ現象について、マレーシアを含む東南アジアに少雨と乾燥気候をもたらすとして、森林や開墾地で火災が発生しやすくなると指摘。またエルニーニョ現象は乾季を長期化させる可能性もあるため、さらに火災発生の恐れが高まるとした。

シャフルル准教授によると、欧州連合(EU)の気象情報機関「コペルニクス気候変動サービス」は、年末に向けて強いエルニーニョ現象が発生する可能性を示している。また、気候科学者らは気候変動とエルニーニョ現象の再来により、マレーシアでは今年もしくは来年に、平均気温の最高記録を更新することを予想しているという。

エルニーニョ現象は2015年までに12回マレーシアを襲った。これまで最も影響を受けたのは1997ー1998年で、ペラ州において最高気温が40.1度を記録した。
(ザ・サン、5月31日、アジアワン、ザ・スター電子版、5月30日)