
第601回 イスラム銀行と同規模の日本の銀行
Q: 東南アジアのイスラム銀行は、日本のどの規模の銀行に相当しますか?
A: 前回は、シンガポールの金融情報リサーチ会社であるTABインサイツ社が昨年発表したランキング「世界のイスラム銀行の強度トップ100行」に基づき、マレーシアのイスラム銀行の動向を探った。今回は、同社が同時期に発表したランキング「世界最大1,000銀行2025年版」を手がかりに、東南アジアのイスラム銀行と日本の銀行の規模を比較してみたい。
このランキングは、世界100か国以上の銀行を対象に総資産のトップ1,000行を順位付けたものである。日本からは74行がランクインしている一方、東南アジア各国ではベトナムの23行をはじめ、インドネシア16行、マレーシア12行、フィリピン11行、タイ10行、シンガポール7行、ブルネイ1行などとなっている。このうちイスラム銀行はマレーシアの3行とブルネイ1行であった。総資産に基づくランキングであるため、日本の同規模の銀行と比較が可能だ。
・第620位:バンク・イスラム、総資産216.50億米ドル。同規模の日本の銀行:千葉興行銀行(本社:千葉県、第618位)同216.82億米ドル。
・第781位:MBSB銀行、総資産128.64億米ドル。同規模の日本の銀行:清水銀行(本社:静岡県、順位796位)同120.69億ドル。
・第855位:バンク・ムアーマラート、総資産97.65億米ドル。同規模の日本の銀行:北日本銀行(本社:岩手県、第839位)同101.93億米ドル。
・第911位:バンク・イスラム・ブルネイ・ダルサラーム、総資産82.39億米ル。同規模の日本の銀行:但馬銀行(本社:兵庫県、第888位)、同87.55億米ドル。
このデータは、マレーシアやブルネイのトップレベルのイスラム銀行は、日本の地銀や第二地銀で各都道府県の中堅銀行と同程度の規模であることを示している。
| 福島 康博(ふくしま やすひろ) 立教大学アジア地域研究所特任研究員。1973年東京都生まれ。マレーシア国際イスラーム大学大学院MBA課程イスラーム金融コース留学をへて、桜美林大学大学院国際学研究科後期博士課程単位取得満期退学。博士(学術)。2014年5月より現職。専門は、イスラーム金融論、マレーシア地域研究。 |
