【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 休会となっている国会が9月6日に再開し、翌9月7日にムヒディン・ヤシン首相に対する信任投票が行なわれることが分かった。
サイフディン・アブドラ通信マルチメディア相が12日、アズハル・アジザン・ハルン下院議長が発表した国会審議の議題に関する通達内容を公表した。会期は9月30日までの延べ15日間。9月6日の開会日はアブドラ国王の演説だけで、翌7日にムヒディン首相の信任投票が行なわれる。
下院(定数222)では議員2人の死去により2議席が空白となっており、ムヒディン内閣が存続するには111人以上の賛成が必要となる。先ごろムヒディン政権を支援してきた統一マレー国民組織(UMNO)が支持撤回を発表したことで、過半数の信任が得られるかは微妙な情勢。首相が信任を得られなかった場合には国会解散・総選挙に打って出ることができるが、国会解散には国王の承認が必要になるため、国王がこれを拒否した場合には総辞職することになる。
ムヒディン首相率いる与党連合・国民同盟(PN)及び友党は昨年3月、アブドラ国王による議員個別の聞き取りを経て下院の過半数を掌握したと認定され、政権樹立を宣言した。しかしこれに反発する野党連合・希望同盟(PH)などが、ムヒディン政権の正統性に疑義を唱えていた。
その後、新型コロナウイルス「Covid-19」を理由に非常事態宣言が出され、国会が半年以上にわたって休会となり、ムヒディン政権の正統性議論も先送りされていたが、世論に押されてアブドラ国王もついに野党や人権団体が唱える国会早期再開及び信任投票実施論を支持。追いつめられたムヒディン首相は8月4日、信任投票実施に同意した。