家計支出予想、MCO再発令受けフィッチが下方修正

【ペタリンジャヤ】フィッチ・ソリューションズは今年のマレーシア家計の支出予想(実質ベース)を前年比11%増から7.2%増に下方修正した、
政府が行動制限令(MCO)を再導入したことが理由で、「マレーシア当局は新型コロナウイルスの感染拡大を抑制するため、必需品以外の商品を売る小売店の営業を認めず、消費者も行動を制限されている」とした。
それでも前年比で増加を予想しているのは20年の家計支出が少なかっという統計上の反動によるもので、フィッチは20年の家計支出を前年5%減と推測している。
今年の支出は額で9,500億リンギを予想している。ウイルス禍発生前の19年の推定9,329億リンギをわずかに上回る額だ。
フィッチは、ワクチン接種人口が増えるに従い行動制限も緩められ、家計支出も徐々に回復すると予想しているが、消費の多くを占める首都圏クランバレーの行動規制が鍵とみている。
フィッチは、失業率が改善に向かうのは下半期になってからと予想。またMCOは当初予定の2週間より長くなるとみている。
(ザ・サン、1月21日)

電子商取引のショッピー、MCO再導入以降売り上げが急増

【クアラルンプール】電子商取引プラットフォームのショッピーによると、行動制限令(MCO)の再導入以降、ユーザーの買い物が急増している。しかしパニック買いはみられないという。
域内業務責任者のアイアン・ホー氏によると、昨年3月に初めてMCOが施行された時は、食品、マスク、手指消毒剤の注文が殺到した。
しかし今回は、これら必需品に加え、リモート勤務・学習を可能にするためのデジタル機器や、家宅のリフォームなど室内を改善するためのDIYツールも売れているという。
ショッピーはシンガポール系の電子商取引プラットフォームで、Seaグループの傘下。
(ベルナマ通信、1月19日)

「今回のロックダウンはより緩やか」産業界が政策を評価

【クアラルンプール】 二度目の発令となった行動制限令(MCO)だが、新新型コロナウィルス「Covid-19」感染者が前回より多いにも関わらず今回はより緩やかなロックダウンにとどまっており、マレーシア中小企業(SME)協会は過去の経験から適切に管理されていると評価している。
SME協会のマイケル・カン会長は、昨年3月に発令された前回MCOは遥かに厳格であり事業継続が認められた業種が今回より大幅に少なかったと指摘。今回多くのセクターで操業が認められていることは経済にとって大きな救済になっているとし、政府が中小企業の役割を理解していることを示していると評価した。
一方、カン会長は、感染拡大を防ぐためにも規制を実施する際には厳格に行うべきだと指摘。一部の標準的運用手順(SOP)を守らない人たちのために規制が設けられるべきではないとし、違反した場合の罰則を現在の1,000リンギから5,000リンギに引き上げるべきだとした。
マレーシア製造業者連盟(FMM)のソー・ティエンライ会長も同様な意見で、前回のMCOでは例え操業が認められていても稼働率が最大50%に抑制されていたため多くの企業がダメージを受けたと指摘。これを教訓にして景気回復、事業の持続可能性、雇用保障を確保するため政府が適切にコントロールしていると評価した。
(ザ・サン、1月20日)

今年の経済は7.5%増加、スタンチャート予想

【クアラルンプール】英系スタンダード・チャータード銀行の東南アジア・南アジア担当者は14日に開いたオンライン記者会見で、今年のマレーシアの国内総生産(GDP)は7.5%増加するとの予想を示した。年末の為替相場は1米ドル=3.9リンギのリンギ高になるという。
主任エコノミストのエドワード・リー氏によると、行動制限令(MCO)は2回目の施行のため企業も規制に対応できるようになっており、経済への影響は前回の半分にとどまるという。
MCOが全国規模で1カ月実施されれば、経済成長率を1ー1.5ポイント押し下げることが予想されるという。
為替担当部門のディビヤ・デベシュ氏はリンギ高予想の根拠として、国際貿易の改善、一次産品価格の持ち直し、中国人民元の値上がりを挙げた。
マレーシアはほかのアジア諸国より国際貿易との相関関係が強く、国際貿易が回復する時はリンギも上昇する傾向が強いという。
一次産品では、マレーシアの主要輸出品であるパーム油や液化天然ガスが値上がりしている。
証券投資では外国人投資家は静観姿勢をとるため、資金の流出はない見通しだという。世界にはマイナス金利の債券がある中、マレーシアの債券はプラスを維持しているためだ。
(ベルナマ通信、1月14日)

廃業が急増の可能性、MCOの再導入で

【ペタリンジャヤ】 行動制限令(MCO)が再導入されたことで国民は外出を控えるようになるため、政府から速やかな支援措置がない限り、国民経済を支えてきた多くの事業体が廃業する可能性が出てきた。
マレーシア小売チェーン協会は、MCO再導入は美容室、温浴施設、映画館など零細事業者の息の根を止めるものと懸念を表明。小規模企業にとり、賃金カット、企業規模縮小だけでは乗り切れないとした。
マレーシア・ホテル協会は、政府から速やかな支援がなければ多くのホテルが閉鎖を余儀なくされるとした。
マレーシア外食業エグゼクティブ協会(MFBEA)のヒシャム会長は、事業者が立ち直りつつあった矢先のMCO再導入で、これが2週間以上続くようなことがあれば、テイクアウトサービスを提供していなレストランは立ち行かなくなると述べた。
マレーシア・ムスリムレストラン経営者協会(Presma)によれば、会員企業の20 30%は廃業を決断した。
(ザ・サン、1月14日)

2週間のMCO施行は経済に影響も昨年よりは軽度に

【クアラルンプール】行動制限令(MCO)の再施行についてエコノミストは、経済への影響は昨年3月から実施された初のMCOほど深刻にはならないとの見解を示した。
アライアンス銀行のマノカラン主任エコノミストは、第1四半期の国内総生産(GDP)予想を修正することになるが、MCOはわずか2週間のため経済縮小は回避できると述べた。また中小企業にとっては生存にかかわるため、業務継続を容認するのが望ましという。
バンク・イスラムのアフザニザム主任エコノミストも、経済回復にこれまでの予想より時間はかかるが、MCOの影響は昨年の1回目の施行ほど深刻にならないとした。
政府が経済活動を止める全面封鎖に乗り出さなかったことを評価する声もあり、マレーシア製造業者連盟は、業界の要請どおり経済主要5部門の活動を認めたことに謝意を表明した。
アフィン・ホワン・キャピタルは、感染が広まっている中、今回のMCOが延長される可能性に懸念を表明した。
(ザ・スター、ニュー・ストレーツ・タイムズ、1月13日)

再度の行動制限令、国民には不満の発令

【クアラルンプール】 ムヒディン・ヤシン首相は13日から2週間の行動制限令(MCO)の再施行を発表したが、国民にはあきらめ感が広がり、事業者にはフラストレーションのたまる発表となったようだ。
発表に際しムヒディン氏は支援措置に触れなかった。国民、企業の蓄えも底をついており、国民生活、企業経営への影響は以前より深刻なものになる可能性がある。
国民感情を代弁するとしナジブ・ラザク元首相は、この先2週間を乗り切るための支援を政府に要請。「収入ゼロの中、数百万の国民に自宅で静かに過ごすことを求めるなら、何らかの支援措置を発表すべき」と述べた。
ソーシャルメディアでは現状を「前例のない事態」と表現することに対する反発が見られた。弁護士のリム・ウェイジエット氏は、標準的運用手順(SOP)が直ちに発表されなかったことを批判。「企業は発表を待たねばならず、憶測、混乱を招くものだ」と述べた。
(マレー・メール、1月12日)

ハラル認証機関の承認取り消しも、イスラム開発局が手順改善へ

【クアラルンプール】ハラル認証機関のマレーシア・イスラム開発局(Jakim)は、ハラル(イスラム教の要件を満たした)を偽装した食肉が輸入・販売されていた事件への反省から、外国のハラル認証機関に対する標準作業手順(SOP)を見直す。
外国のハラル認証機関が承認したハラル商品(飲食品、化粧品、薬品)の生産過程を追跡する手法を改善する。
さらに、改定SOPに基づき認証機関申請、更新申請を審査し、承認を取り消すこともあるという。
11日に、食肉輸入・流通業者、国内取引消費者行政省、マレーシア検疫検査サービス局、マレーシア税関の関係者による会合を開き、輸入・流通業者が直面する問題、改定SOPについて協議する。
Jakimはこれまでに、46カ国84の機関をハラル認証機関として承認している。食肉偽装への懸念に対処するため、屠畜場、輸入肉保管倉庫への立ち入り検査を強化する。
(マレーシアン・リザーブ、1月7日)

シネコン大手のGSC、首都圏の2店舗を閉店

【クアラルンプール】 シネコン大手のゴールデン・スクリーン・シネマ(GSC)は、新型コロナウイルス「Covid-19」感染拡大にともなう営業制限により休業中の「チェラス・レジャー・モール店」及び「ベルジャヤ・タイムズスクエア店」を恒久的に閉店すると発表した。
GSCは同社の公式ツイッターの中で、映画館の営業が禁じられている条件付き行動制限令(CMCO)が首都圏で再延長されたためだと説明したうえで、これまで2館を支ええてくれた顧客に感謝すると述べた。 「チェラス・レジャー・モール店」は1995年、「ベルジャヤ・タイムズスクエア店」は2005年から営業を行ってきた。これら2館の閉店に伴い、首都圏に最も近いGSCの映画館はプトラジャヤの「GSCアラマンダ・モール店」だけとなる。
行動制限令のエンターテインメント産業に与える打撃は大きく、昨年10月には、国内3位のMCATボックス・オフィス(通称MBOシネマズ)が倒産している。
(マレー・メイル、1月7日)

マレーシアはパンデミック抑制能力が高い、財務相報告

【クアラルンプール】テンク・ザフルル財務相は省庁間調整・実行部門(Laksana)の第35回報告で、マレーシアは新型コロナウイルスの感染拡大を抑制できれば、経済は急速に回復するとの認識を示した。
マレーシアは今年、感染拡大を抑制、緩和する余地が最もある3カ国に含まれる、との国際コンサルタント会社の分析を根拠とする発言だ。
ザフルル財務相は、マレーシアが投資・ビジネス先として途上国のうち5番目にランクされたとの海外メディアの報道も引用した。順位は中国、インド、インドネシア、フィリピンより上だった。
マレーシアは、優れたインフラと人材、多様性、デジタル化の用意があり、国際ビジネス界にとり引き続き魅力を持っている、との海外コンサルティング会社の報告もザフルル氏は引用した。
(ベルナマ通信、1月6日)