【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 キョーリン製薬ホールディングス(本社・東京都千代田区)は3月31日、子会社である杏林製薬(本社・東京都千代田区)とエーザイ(本社・東京都文京区)が、過活動膀胱治療剤「ビベグロン」について、マレーシアなど東南アジア諸国連合(ASEAN)のタイ、フィリピン、ブルネイにおける開発・販売に関するライセンス契約を締結したと発表した。
同契約に基づき、エーザイは杏林製薬より、4カ国における「ビベグロン」の独占的開発権および販売権を獲得し、新薬承認申請を行う。
過活動膀胱は、尿意切迫感を必須の症状とし、通常は頻尿と夜間頻尿を伴う症状症候群で、外出を控える、睡眠が十分取れないなど、日常生活に支障をきたし、QOL(クオリティ・オブ・ライフ)を低下させるとされている。「ビベグロン」は1日1回投与の新規β3アドレナリン受容体作動薬で、膀胱のβ3受容体に選択的に作用し、膀胱を弛緩させることで、蓄尿機能を高め、尿意切迫感、頻尿および切迫性尿失禁の症状を改善する。
杏林製薬は、日本国内での早期市場浸透を図りQOL向上に貢献する一方、今回のエーザイとの提携により契約対象国で本剤の普及を図り、海外における事業展開を推進する。
またエーザイは、今回の契約対象国において、各国市場の多様なニーズの把握・充足に努め、地域特性に合致した戦略的な製品ラインナップの拡充を積極的に推進していく。
杏林製薬とエーザイは、杏林製薬が創製した過活動膀胱治療剤「ウリトス錠」(一般名・イミダフェナシン)について、アジアにおける開発・販売に関するライセンス契約を2009年9月に締結し、エーザイはタイ、フィリピン、インドネシアおよびミャンマーで販売を行っている。